2009年11月10日 (火)

異業種競争戦略、本日発売

本日より、書店に異業種競争戦略が並び始めました。
おかげさまで、アマゾンでは順調な売れ行きを示していますが、書店でどれくらい熟れる柿になるところです。(売れるか気になるところですの誤変換があまりにおもしろかったのでそのままにしてみました。私は日本語変換にATOKを使っていますので、残念ながらマイクロソフト標準のIMEでは再現できないと思います)。

ところで、一月ほど前の日経交遊抄(最終面のコラム)に脚本家の野上龍雄という人が映画監督の蔵原惟繕のことを偲んで書いたコラムにこんなことが書かれていた。
それは、野上氏が南極物語のタロ、ジロの犬の気持ちを映像化するためにどのような脚本を書こうか悩んでいた時の話だ。人は犬ではないから、犬に託した人の気持ちは書けるが、犬の気持ちを書くことは出来ない。それを悩んでいた野上氏に対して、蔵原氏が「極地に置き去りにされた犬たちがオーロラの光を浴びて放浪している絵が撮れればそれでいい」と言ったの痺れたとあります。

私も常々言葉にならない、あるいは理屈では表せない経営の一局面をどのように説明したら、分かってもらえるのか、あるいは意思決定につなげる判断が出来るのか苦労してきたので、すごくよく分かる。

別の言い方をすれば、写真家が一枚の映像を切り取るようにコンサルタントも一言で、あるいはせめて一文で、経営を切り取ることを心がけている。それを実現するために、写真家が何千ショットをとる代わりに我々も何千回とトライする。もし一つのプロジェクトで一枚のベストショットが撮れれば、それで上出来といえるくらい、難しいことでもある。

ある一面を切り取ることの難しさと、うまく行ったときの快感、これがあるからコンサルタントはやめられない。

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2009年6月29日 (月)

技・頭・心

朝日新聞のGlobeというサイトにとても良いインタビュー記事が載っていた。

それは、Break-through(突破する力)というシリーズでいろいろな業界のプロフェッショナルを取り上げたものだ。友人であるリクルートの柏木社長も登場している。

その最新版に日本航空で初の女性機長を目指す立川円(まどか)さんが取り上げられている。まだ31~2歳の若い副操縦士であるが、なかなかしっかりしている。
その中に大変興味ある一節があった。プロフェッショナルかくあるべしのお手本のような話だ。とても気に入ったので紹介しよう。

操縦室では、日々替わる機長が座る左席を観察する。乗務中に聞けなかったら、移動時に車中で機長に尋ねる。気づいたこと、感じたこと、指導されたことは、フライトの基本情報を印刷したA5の紙の裏に書き留める。それをファイルし、読み返す。その「バイブル」の中に、酒の席でベテラン機長に言われた言葉がある。
「最初は皆、飛行機を腕で飛ばそうとして、技を磨く。次に経験と知識を生かし、頭で飛ばそうとする。でも、結局は心で飛ばすんだ」

この最後の文章が良い。これはプロフェッショナルな職業なら、みんなに当てはまる言葉だなと思った。

そう思った直後に、ちょっと待てよ。経営コンサルタントの場合はちょっと違うかな、
「最初はみんな頭で答えを出そう、顧客を説得しようとする。次に技を磨いて、顧客を納得させようとして、それでは足りない何かを感じて、最後には心で顧客に答える。」
の方が、ぴんと来る。

でも、コンサルタントに必要な要素はパイロットと同じだ。
私は常日頃、若手コンサルタントにコンサルタントに必要なものは「心」と「技」と言ってきただけにこの機長の言葉はうれしい。

オリジナルのサイトを見たい方は、
http://globe.asahi.com/breakthrough/090622/01_01.html

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2009年6月 8日 (月)

間合い

一週間ほど前の日経新聞のスポートピアというコラムに元サッカー選手の水沼貴史氏がおもしろいことを書いていた。現在の日本代表チームの完成度を誉めながらも、まだ足りないものに「間合い」があるというものだ。

サッカーの間合いとは、相手選手にどれくらい前に立たれると威圧を感じるのかということで計れるという。たとえば中村俊輔や長谷部、遠藤などはどんなに眼前に立たれても焦ることなく、落ち着き払ってパスを出せるという。それに対して他の選手はまだまだということだ。

間合いは、ボールの置き場所、顔が下がらない、何かしそうな雰囲気、こうしたことが積み重なって作られると水沼氏は主張する。そして、それを修得した選手は、相手が「寄らば切るぞ」というオーラを放ち、相手は刀を抜くに抜けなくなるそうだ。中国の故事にある「木鶏」もまさにこの境地であろう。

分かる、分かる。と言ってもサッカーのことではない。私はこの間合いというのはすべてのプロフェッショナルに当てはまると思う。たとえば、コンサルタントをやっていると全く同感だ。優秀なコンサルタントはみんな自分の間合いを持っている。これは経営者もしかりである。

一方で、私自身は若い頃から、相手の間合いの中に入ってしまうことを得意としてきた。敢えて相手の懐に飛び込むのである。それによって、相手が胸襟を開いてくれればしめたものであるが、時には「若造が生意気な」と相手を怒らせてしまうこともある。でも、そうしたことの繰り返しが私の間合いを作ってきたことは間違いない。
水沼氏もいろいろなタイプの選手とと切り結ぶことで、自分の間合いを獲得できると述べている。

それはさておき、サッカー日本代表、ワールドカップ出場おめでとう!
素直に喜んでいます。後は本大会でどれだけ上位に行けるかですが、こればかりは一年後になってみないと分かりません。

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2009年5月19日 (火)

喧嘩するデザイナー

今日のカンブリア宮殿のゲストは工業デザイナーの川崎和男氏だった。氏のことは実は知らなかったのだが、とてもおもしろくかつ為になった。ちなみに私が愛用しているPC用のディスプレイは昔はナナオと言っていたが今はEIZOというブランドだ。そのデザインを手がけたのが川崎氏と聞いて妙に納得すると同時にうれしくなった。なんせ、EIZOにはこれまでに4台合計で既に数十万円は払っているからね。おっと脱線してしまいました。

川崎氏は若いときに交通事故で車いす生活になったのだが、それに負けることなく世界的に通用するデザイナーになったというのが有名な理由の一つなようだが、私が感心したのはそのことではない。

彼は自分のデザインやコンセプトを理解してくれない顧客と徹底的に戦うというのだ。芸術家ならそれでよいが、工業デザイナーである以上、顧客と喧嘩して「じゃおまえとはもうやらない」といわれたらそれで終わりだ。それにもかかわらず、納得いくまで喧嘩すると言うから、うれしくなる。

そして川崎氏曰く、「喧嘩といっても結局は自分と喧嘩している」ことになります。要するにクォリティーに妥協したくないから、そうなるわけだ。出来るコンサルタントと同じ心意気だ。プロフェッショナルなら、こうありたいという見本のような人だった。

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2009年3月21日 (土)

チーム・バチスタの栄光

少し前にベストセラーになった小説、『チーム・バチスタの栄光』を読んだ。エンタテイメントととしては大変秀逸で、とてもおもしろく一気に読んでしまった。
現役の医師が書いたと言うだけあって、緊迫した手術場面、病院内の政治力学、医者と看護婦の関係などがなるほどとか、そうなんだという感じで、きわめて臨場感にあふれている。

それを読んでの感想が二つ。一つはコンサルタントのインタビュー技術に通じる話が後半に頻繁に出てくること。厚労省の役人で白鳥という嫌みなやつが繰り出す話法がおもしろい。攻めて攻めて相手のぼろを引き出す方法だ。時には返り血を浴びても構わないから突っ込む。一方で主人公の田口は聞き上手で相手が心開いて本音をしゃべってしまう。アクティブフェーズとか、パッシブフェーズとか、いろいろな言葉が出てくるが、その中身は特に若いコンサルタントにとって参考になるのではないかと思った。

もう一つはプロフェッショナルとは何かを感じさせる至極の言葉が随所に散りばめられていることだ。これもコンサルタントに通じるものがある。たとえば技師の羽場に対するインタビュー場面で、彼が「人工心肺のトラブルは大きく分けると二種類あります。-中略-。問題が起こればすぐに人目につきます。だから、目を離さずにいれば、トラブルはたいてい分かる。問題点が分かれば、復旧も簡単で、大事にも至りにくいんです。」と答える場面がある。それに対して主人公の田口がこう述べている。「俺は羽場の言葉を理解し、同時に羽場の実力も把握した。トラブル回避を簡単なことのように語っているが、その言葉は鵜呑みに出来ない。仕事を単純化して語れるのは、羽場が優秀だからだ。」うーん、気に入ったこの言葉。

他にも若い酒井医師より、少し技量不足に見える垣谷医師の方が優秀だと、チームリーダーの桐生が語る場面がある。「それは胆力です。トラブルや非常事態になったときにあらわになるものです。経験によって培われた度胸と言ってもいい。手術現場で何もしないでいると言うことには、度量が必要なのです。」
コンサルタントも全く同じだ。コンサルタントが顧客の一挙手一投足にに反応していると、全体が収まらないことがある。若いコンサルタントが陥りがちな罠だ、と言うより若いコンサルタントはそれでよいが、シニアはそうではいけないと言うべきか。
以前紹介したキャプテンの唇に通じるものがある。


同じ酒井と垣谷の比較に関して、主人公はこうも言っている。「桐生は二つのことを同時に言っている。一つは酒井の技量に対する評価は低いわけではないこと。そしてもう一つは、垣谷の技術が低いと繰り返すことで酒井は、自分が外科医として未熟だと言うことをさらけ出してしまっていると言うこと。言葉に出来ないものを感知する能力、それが器というものだ。」
これもコンサルタントをやっていると、見に見えないところで顧客に価値をつけられるのがシニアであり、それは若手からは見えにくいのだろうなと思うことが良くあるのに通じる。

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2008年6月24日 (火)

デザインの引き出し

昨日のカンブリア宮殿(TV東京)は以前にこのブログで取り上げたデザイナーの奥山清行さんがゲストだったが、NHK以上に生の声というか本音トークが多く、断然こちらがおもしろかった。と言うか、同じような主旨のテーマが5月にNHK、6月に民放の両方で放映されるのは珍しいなと思った。
いくつか印象に残った言葉を紹介しよう。

彼はイタリアの超一流のデザイン工房ピニンファリーナでデザイナーとして活躍し、フェラーリのフラッグシップモデルをデザインしたことで知られる人である。

仕事の依頼が来てからデザインを考えるようでは遅い。仕事が来てから浮かぶアイデアにろくなものはない。それより、仕事が来るか来ないか分からない段階からアイデアというのは常に考えておくものだという。それだけの準備があって、始めて仕事に生かすことが出来るので、そのためには引き出しに出来るだけたくさん貯めておくことが重要だと言っていた。
全く同感である。私の20の引き出しも全く同じ発想だ。
ただし、彼の場合は毎日100のアイデアを出すことを自分に課しているというから驚きだ。

日本人は職場に仲間意識を持ち込み、仲良しクラブになりがちだが、本当のプロフェッショナルというのは、自分と同等な人か自分より優秀な人を部下に持つことで、お互いに刺激を受けて、結果として良い仕事ができるようになると主張する。
うーん、その通りだけれど、実際の企業でここまでやれる人は日本に何人いるかな。と言ってもコンサルティングファームでは当たり前のことではあるが・・。

職場が最高の学校である。
BCGは学校であると言っている内田にとってもは我が意を得たりである。

最後にほっとする話を一つ。彼のデザインした山形の鉄瓶が欧米で大変な人気で、NYのMOMA(近代美術館)に陳列されているそうだが、自動車では入りたくても入れなかったMOMAに鉄瓶であっけなく入れるのだから、人生よく分からないとコメントしていたのが印象に残った。

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2008年5月20日 (火)

地場産業発、世界行き

GW中にNHKクローズアップ現代で、おもしろい特集をやっていた(5/1放送)。
山形や岩手の企業が東京を飛び越えて、直接世界に羽ばたくという話だ。
しかも商品が、木工家具であり、自動車というところがおもしろい。
仕掛け人は、日本人デザイナーとしてイタリアの名車フェラーリの設計を行ったことで有名な奥山清行氏である。

日本に入ってくるブランド家具はカッシーナとかIKEAとか、いろいろあるが、日本の家具が世界で活躍しているという話はあまり聞かない。それを東京本社の家具メーカーではなく、山形地場の中小家具メーカーがやってしまうと言うのだから愉快ではないか。

奥山氏によれば、地場産業が一所懸命日本国内のフェアで頑張ったところで、それが世界にまで広がっていくケースはきわめてまれだという。それより、ちょっと敷居は高く感じるが、一足飛びにヨーロッパの展示会に持って行った方が、ものが良ければすぐビジネスになるので、結局は安くつくという。私には目から鱗の発想だった。
言い方が悪いが、「田舎の小メーカーがいきなりヨーロッパかよ」という感じである。日本の木工加工技術は素晴らしいものがあるので、優れたデザインに優れた技術が加われば必ず世界から支持されると言うことらしい。
番組では、螺旋状に組み合わせた木のランプや鉄瓶などが欧米で高い評価を受けていると紹介されていた。

もう一つは、奥山氏の本職の車作りである。これも岩手に本拠のある試作車メーカーが、奥山氏のデザインしたスーパーカーを生産し、世界で限定100台で販売するというプロジェクトだ。
この車も東京モーターショーではなく、ヨーロッパのジュネーブモーターショーに直接出品する。そのためにどんな苦労が行われたかが取り上げられていた。特に無垢のアルミをメインの素材に使っているのだが、それを板金で打ち出していくのが至難の業だったらしい。途中、どうしてもうまくいかずに、技術者が塗装でなんとか間に合わそうとしたときに、奥山氏がブランドを作ると言うことは、信念を貫き通すと言うことだから、どんなに苦しくてもたとえ締め切りに間に合わなくても、塗装なしで(板金のみで)輝きを出そうと言っていたのが印象に残った。

こうやってブランドが出来ていくのだなと言うことを実感した。成功して欲しいプロジェクトである。


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2008年2月 7日 (木)

プロを育てるプロ

ある会社で、プロフェッショナルはかくあるべしという講演をしてきた。

ただし、今日はその話をしたいわけではなく、プロを育てるプロはどうあるべきかという話である。もちろん、プロは自分で育つものであって、育てられるものではないという考えもあるが、育つべく仕向けてやるのが上司や先輩の大事な役割だと思っている。

今月の私の履歴書は日本サッカー協会の会長を務めている川淵三郎氏だ。と言うより、元Jリーグのチェアマンだった川淵氏といった方が分かりやすいかもしれない。彼の波瀾万丈の人生がつづられていて、それはそれでおもしろいが、私にはスポーツを通じて、プロフェッショナルとは何かとか、リーダーシップとは何かが学べる点が一番おもしろい。

今日は日本サッカーの父と言われているクラマーコーチの話だった。高校の頃からサッカーに興味を持っていた私には、当時のクラマーさんと言えば神のような存在だったのだが、彼が日本サッカー界にもたらした話がおもしろくつづられている。
それまでの日本のサッカーと言えば、ただやたらにボールを追いかけ回すだけだったのが、その彼が日本選手にサッカーの基本技術や正しい理屈を教えたというのだ。
例えば、こんなことが書いてある。「当時の日本人コーチは『正確に蹴れ』と怒鳴るけれど『では、どうしたら』を教えられる人はわずかだった。クラマーさんは理論と実践を同時に示せる人だった。」

この理論と実践を両方教えられるかどうかと言うのが、コンサルティングの場合はきわめて重要である。
いくらコーチングが上手でも、コンサルティングの技が一流でないと、なかなか信用してもらえず、また尊敬が得られないのである。このあたりが普通のサラリーマンとの大きな違いかもしれない。自分では出来ない種類の仕事があったとしても、リーダー(管理職)として指揮が執れれば、それは一流のサラリーマンと見なすことが出来る。
それに対して、コンサルティングの世界は、そもそもコンサルティングという一種類の仕事すなわち技能しかないこともあって、そのコンサルティングという仕事で自分の技が見せられなければ下はついてこないのである。あるいは下の仕事を上が肩代わりしたり、より上手にこなすことが出来なければ一流のコンサルタントとは見なされないのである。「それは俺の専門でないの出来ない、やらない」、「オペレーションは俺の仕事でない、俺の仕事はマネジメントだ」は通用しないのである。やや飛躍するが山登りのリーダーや消防士のリーダーにも通じるのではないかと思う。

こうしたこともコンサルティング業界がもっと発展して、大きくなり、機能分化が起きてくると変わってくるのかも知れない。
別の言い方をすると、"職人の技で行われる仕事"が"産業"に変わるときに、機能分化(分業)が発生するのかも知れない。
個人的には大変興味深いテーマである。

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2008年1月30日 (水)

プロフェッショナルの条件とは

昨日のイチローの記事に、Jさんから大変興味深いコメントが寄せられた。
詳細はコメント欄を見てもらうとして、それに触発されたのが今日のテーマだ。

Jさんのコメントを私なりに解釈すれば、イチローは一選手としては優秀かもしれないが、野球がチームプレーであることを忘れて個人主義に走りすぎているが故にアメリカのファンの間ではすごいな(impressive)とは思われても、尊敬(respect)はされないのだという。

なるほどと思う反面、それは悪いことなのかという疑問も浮かんできた。
日本を飛び出て海外で活躍した選手は多かれ少なかれ、似たタイプが多い。サッカーの中田英寿がそのタイプだし、古くは野茂もそうだったと思う。

以前私が書いた本の中に、これからの組織における働き方を銀行ギャング団方式として提唱したことがあった。少し長いが引用しよう。

実力がすべての銀行ギャング団方式
 プロフェッショナルの能力を活かし、やる気を育てる仕組みの一例として「銀行ギャング団方式」を提唱したい。
 銀行ギャングを成功させるためには、いくつかの条件がある。まずは特定分野の専門家を集めなければならない。例えば、金庫を開ける係、爆破係、運転手、セキュリティシステムの専門家、拳銃などの武器を使える人間などである。ボスになる人間は、これらの分野の専門家をどこからか集めてこなければならない。加えて、個性派の彼らを目的のために協力し合うようにし向けなければならない。
 もし金庫を開けることが、銀行ギャング成功のために最も重要であるならば、ボスより年上であろうが嫌なヤツであろうが、もっともスキルのある人間を選ばなければ成功の確率は下がる。目的を達成した場合には仕事の難しさや貢献度に応じて報酬を払わなければならない。そして銀行ギャングが成功した暁には、ボスではなく金庫を開けた人間が最高の報酬を受け取ることさえ十分あり得る。
 要するに与えられたミッション、あるいは自ら設定したミッションの遂行にふさわしいチームフォーメーションを取ることが重要であり、今までのような年功や地位でメンバーを選ぶよりも、スキルとプロ意識でメンバーを選ぶと言うことである。(内田和成「eエコノミーの企業戦略」、PHP社、2000)

要するに変わり者でも、組織のミッション達成のために必要な人間であれば、そいつを使いこなす必要があるし、リーダーにはそれだけの力量・度量が求められるという話だ。

イチローがマリナーズにとって果たしてそういう存在なのかどうかは私にはよく分からない。しかし、彼は私が上に定義したところの仕事請負人としては一流であることは間違いない。
しかし、日本ハムを一年で日本一に導いた新庄剛のような求心力がないことはJさんの言うとおりであろう。新庄は記録だけ取れば平凡であるが、何か人をその気にさせるものを持っているのだろう。しかし、それが人の上に立つリーダーに向いた資質かというとまた別のものであろう。

例えば、現役時代の落合は今のイチロー以上にチームプレーヤーではなかった。
ところが、その落合がリーダーとしては、きわめて成功しているのだから、人生は分からないというのが正直な感想だ。

少し脱線しましたが、真のプロとは、あるいはそのプロを束ねるチームプレイとは、あるいはそのリーダーの資質とはについて大いに考えさせられるJさんの投げかけでした。
皆さんの声をお聞かせください。

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自分との闘いの向こうにあるもの

昨晩遅くNHKで茂木健一郎さん司会のプロフェッショナルの特別版でMLBのイチローを取り上げていた回の再放送を見た。

その中でイチローがおもしろいことを言っていた。
イチローは昨シーズンの前までは、自信がないので自分との闘いと言っていたというのだ。それがようやく人と戦う自信が出来たので、2007年は人に勝つと決めたのだというのだ。
確かに以前のイチローはインタビューの度に、何を聞かれても「自分との闘いですから」と答えていたのは、私はたいした自信でかわいげのない奴だと思っていたのだが、実はそうではなくて人に勝つ自信がまだなかったので自分との闘いだと言い続けてきたそうだ。
人と戦うのは本当に大変で当時のイチローは自分がそこまでいっていなかったので、自分との闘いと言い続けてきた。でもようやく人と戦うところまで来たと確信できるようになったので、そう宣言するようになったそうだ。
だから、去年は相手に勝って首位打者を取りたかったのに、それが出来なかったのが悔し涙につながったのではないかと自己分析していた。

これまで、まず他人との戦いが先にあって、それに勝つためには最後は自分との闘いがあると思っていたのであるが、イチローの話を聞いて、その逆も十分あるのだなと思い直した次第である。すなわち、自分との闘いに勝てるようになって、初めて他人と勝負できるようになるという話である。
プロフェッショナルの真髄を見た気がする。

もちろん自分はコンサルタントのプロだ、だから顧客に最高の仕事を提供する自信もあるし、顧客の期待に応える自信もあった。しかし、自分が仕事に臨む際に、そこまで突き詰めて考えていたかというと自信はない。ただ、自分の仕事に絶対の自信を持っていたことは事実だし、そうでなければ顧客の命運がかかった提案をする資格がないと思う。もちろん自分で納得がいく仕事が出来なかったときにそれをやり直す勇気や、他人から批判されたときに謙虚に聞く耳を持たないと、自己満足に終わってしまう危険性もある。
自分でも何を言っているのか、はっきりしないところがあるが、一つだけ確かなことは、昨晩のテレビを見て私のプロ魂にも火がついたということだ。

ちなみにプロフェッショナルの司会をやっている住吉さんのブログにも、今回の放送へのコメントがたくさん書かれている。興味がある人は覗いてみたらどうだろうか。
http://www.nhk.or.jp/professional-blog/100/6636.html

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