商社のビジネスモデル
先月の16日に早稲田大学の井深大記念ホールで、リクルートイベントとして丸紅の朝田社長との対談を実施した。
その様子が先週の読売新聞に載ったので簡単に内容を紹介しておこう。
一言で言えば、商社は以前のような口銭を主体としたビジネスからビジネスモデルの変更を行い、自ら投資を行ってリスクを取る形の事業へ変貌を遂げたと言うことだ。
はやりの言葉を使えば、これまでは水平分業型の事業モデルで、メーカーや小売りの間に入って販売代理や斡旋の機能を果たしていた。それに対して、最近の商社は川上や川下に出て行くことでバリューチェーンの垂直統合を目指す形に変わりつつある。具体的には天然資源の鉱区を押さえたり、港の港湾施設を自前で持ったり、流通業のSCMを自らの設備を駆使して手伝ったりしているのがわかりやすい例であろう。
そうすることによって利幅は大きくなっているかも知れないが、リスクも大きくなっていることは言うまでもない。今後の商社はこのリスクをどうコントロールするかがきわめて重要であると朝田氏も強調していた。
もう一点、私が述べたのは商社に必要な人材はこれまでの営業マンからプロデューサーに変わってきている点である。すなわち、ものを右から左へ流す人でなく、新たなビジネスを生み出せる能力を持った人が求められていると言うことである
しかし、私が商社がすごいなと思うのは、私の大学時代から「商社冬の時代」とか「商社無用論」とか叫ばれており、何度となく同じようなことを言われながらも今日に業態として生き残っていることである。これほどまでにダメだダメだと言われながらも、依然として収益を上げ続け、就職戦線での人気もかげりを見せない、きわめて希有な存在である。そういう意味できわめて生命力の強い総合商社であるが、翻って考えてみれば、商社は人が唯一の財産であり、その人材が思う存分働ける限りは商社は輝き続けるのかも知れない。結局、商社のビジネスモデルとは、人につきるのではないか。
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