2014年4月16日 (水)

パラダイムの魔力 新装版

私のバイブルであり、コンサルタントの必読書であるジョエル・バーカー著の「パラダイムの魔力」が、装丁が新しくなって明日辺りから書店に並ぶようです。

Paradaigms

縁があって、私が序文を書かせてもらいました。是非皆さんに読んでもらいたい本です。
Paradigms2_2

取り上げられている事例がやや古かったりしますが、底に流れているメッセージは今日でも決して色あせない普遍的なものばかりです。
コンサルタントを目指す人はもちろんのこと、普通のビジネスパーソンでも新しいアイデアに困っている人、自分のビジネスが他社に脅かされる可能性がある業界の人、それぞれにきわめて役立つ実用書と言えます。

アマゾンでは下記のページになります。
パラダイムの魔力 新装版

さらに興味がある人は、以前私が書いたブログの記事をご覧ください。
パラダイムの魔力



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2008年8月 7日 (木)

インターネットの本質

ややタイミングが遅いが、私が読んだ本の中の中から、インターネットの本質を理解するための必読書を3冊紹介しておく。

1冊目は、クリス・アンダーソンの「ロングテール」である。これまでのリアルのビジネスとeビジネス(これも死語に近いが)の違いを具体的な例や数字をあげて紹介している。単なる事象の紹介にとどまらず、なぜそうしたことが起きるのか、あるいは今後どんなことが起きるのかを明確に示してくれる。ゼミの必読書にもしたくらいだ。
コンサルタント的ものの見方や分析手法などが参考になる。コンサルタントを目指す人にお勧めです。

Longtail

2冊目は定番となっている梅田望夫の「WEB進化論」である。これはもう読んだ人も多いと思うので、詳しくは紹介しないが、インターネットの第2段階をこちら側とあちら側という分かりやすい表現で紹介している。多少独善的なところはあるが、大いに参考になる本である。

Web

3冊目は佐々木俊尚の「グーグル Google」である。グーグルのすばらしさを紹介しながらも、グーグルの持つ危険性についてもか語られており、どちらかというとインターネットに警鐘を鳴らす本である。佐々木氏独特の鋭い切り込みで、グーグルの光と陰を語っており、大変興味深い。

Google

上記の本でもの足らず、かなり技術的なところを詳しく理解したい人は、これもやや古い本(と言っても2006年)であるが小川浩・後藤康成共著の「Web2.0 BOOK」がお薦め。
私はこの本を読んでから、インターネットの新しい技術やサービスに対する感度がぐっと上がった。

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2007年11月 5日 (月)

必ず売るための発想力30

私の持論は医者とコンサルタントは似ているというものであり、どちらも技術(スキル)に加えて患者・顧客の気持ちを理解する心がないといい医者あるいはコンサルタントになれないというものである。これを称して、コンサルタントには「技」と「心」の両方が必要であると言っている。

私自身は決して人の気持ちがすぐ分かるという感受性豊かな人間ではないが、それなりに患者すなわち顧客の気持ちが分かるようになったのは、一つにはたくさん失敗して痛い目にあったことと、もう一つには意識してそちらの方を勉強したことがあると思う。

私が初期の頃にいろいろ読んだ中でも特に勉強になったのがこの本である。ご多分に漏れず、私の好きなハウツーものの一つであるが、その第一号かも知れない。原三郎さんの「必ず売るための発想力30」という本である。

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損保の代理店のナンバーワンセールスマンがその売り方についての秘訣を伝授した本であるが、そこら中にラインマーカーが引いてある。今読み返しても勉強になる本である。営業とは「魅力学」である。ひたすらに自分を磨け!と帯の部分に書いてあるのが、この本の真髄かも知れない。

さわりだけを紹介しよう。
営業に行くと、「それはもう持っているからいらないよ」といった理由で断られるケースがよくありますが、相手の本心は「私は、あなたのことを魅力的に思わない。だから、あなたと話をしたくないし、契約もしたくないんだ」といっているに過ぎないのです。(p24)
どうです、思い当たる節はありませんか。だからこそセールスマンは、お客から「あ、福の神が来た」とか、「あ、おもしろそうな奴だな。たまたま暇だから、ちょっと会ってみようかな」と思わせることが大事だと説く。そして自分を魅力的な人間にするために投資を惜しむなと言う。

洞察力を磨く効果的トレーニングという節では、
「セールスをやる上で、もっとも重要な能力は何か」とたずねられたら、私は迷わず、洞察力と答えます。
お客さまが今何を考え、何を望んでいるのか、顔や目の表情、ちょっとした仕草から読み取る---これが洞察力です(p96)

後は現物を読んで感じ取ってください。

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2007年8月11日 (土)

プロ弁護士の思考術

夏休みに入って、更新が滞っています。ごめんなさい。
今日は、コンサルタントへのお薦めの本5冊目です。

ベテラン弁護士の書いた「プロ弁護士の思考術」という本である。読んでいて最初は自分の考えとちょっと違うなと思ったのだが、読んでいくうちに同じプロフェッショナルとして、参考になる考え方が多いなと思い直した本である。

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若手弁護士が陥りがちな例として、「だが、インターネットでサンプル契約などを集め、適当に取捨選択して契約を作る例が絶えない。自分の考えがない検索上手だが、考え下手の若手が激増しているようである。」をあげている。コンサルタントにもそのまま当てはまる文章である。

選択の自由は最大の自由という節では、
「弁護士の役目は、このような無数のオプションを提示し、効果を予測、比較検討する判断材料を提供することにある」と書いてあるが、これも経営コンサルタントの役割そのものである。

反対意見の重要性について、「批判に耳を貸すとき、思索は一段と深まる。反対意見を聞くのは、他人のデータベースにアクセスするようなものである。」うーんとうなる、素晴らしいフレーズだ。

学生と社会人の最大の違いは、社会に出たら教科書にない全く新しい問題に直面することである。新しい問題だから、解答も分からず、正解もない、とある。全く同感である。

思いつきで未来を台無しにするひとたちという節では、
思いつきで部下に指示を出して会社に損害を与えるトップの例が出ている。
「このようなタイプの上司は、物事を細かい手順に小分けして、具体的に考えることが出来ない。大きな課題を単純に考え、抽象的な支持を繰り返す。」ダメなプロジェクトリーダーそのものである。私も昔、こうしたタイプだったのでよく分かる。

中にはどうかなと思うような記述もあるが、おおむねコンサルタントの心構えや考え方に共通するものが多く、役に立つ1冊である。

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2007年7月23日 (月)

人間における勝負の研究

コンサルタントを目指す人へ贈る本の第4弾は、将棋棋士の米長邦雄さんの「人間における勝負の研究」である。

1982年に新書として発売された多少古い本であるが、現代においても通用する生き方・考え方、あるいは人生観が書かれた本である。
何がいいっていって、プロフェッショナルかくあるべしと言う言葉が随所にちりばめられていて、とても参考になる。
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私の手元にあるのはオリジナルの新書の方であるが、文庫本も出ているので、なんとか手に入るのではないかと思う。

たとえばこんな一文がある。
強い者は威張らないものです。威張る必要がないから威張らない。実力がなくなってしまうと、大きく見せたがる。(新書版ではp79)
うーん、気をつけなくては・・・。

「中学校を卒業するとすぐに、私はプロの初段になりました。どの世界でもそうでしょうが、プロの将棋の世界でも、段位以上の実力がないと出世できません。初段の者が初段の実力ですが、勝率は5割くらいになりますからパッとしません。初段で優秀な成績を残す者は、既に3、4段くらいの実力がある者なのです。それが初段を相手に指すから、連勝して2段に上ることが出来るのです。
いわば初段の肩書きで、3、4段の手をさせなければダメなのです。初段の肩書きで初段の実力では、後から来る人にどんどん追い抜かれていき、それっきりで終わってしまいます。」(同p36)
コンサルタントにも、「自分は実力があるのに、どうしてこのポジションのままなのだ。あの人は自分より仕事が出来ないのに、何であんなに給料をもらっているのだ」と文句を言う人がたまにいます。そういう人に限って、上のポジションに上がったときにそこで終わってしまいます。本当に上を目指す人や仕事が出来る人は、自分の実力の絶対値を上げることにエネルギーを使っていて、他人との比較などにうつつを抜かしていません。

米長氏は人間にとって一番大事なものはカンだと説く。そして、仮説思考を書いた私に対してのエールではないかというような一文を残している。(同p92)
「カンというのは、一つの仮説でしょう。あるいは仮説というのは、カンを基にして生まれるものでしょう。だから、仮説を立てられないようでは、仕事にしろ、何にしろ、新しいことは出来ないと考えていい。何か新しいものの創造が、偶然の幸運によって成されていると思ったら、これはとんでもない間違いです。」

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2007年7月 2日 (月)

勝者の思考法

コンサルタントを目指す人への3冊目は、二宮清純著「勝者の思考法」(PHP新書)である。一言で言えば、プロフェッショナルのなんたるかを教えてくれます。

この本にはスポーツに関する日本人の勘違いや感情をベースにした議論を木っ端みじんにしてくれる気持ちよさがある。そして、また人生のヒントにもあふれた本である。
日本人は弱者と敗者を同情的な視点で同一視しているが、これらは別物であり、弱者には理解と配慮が必要であり、敗者には復活のチャンスを与えるべきだと主張している。その通りである。日本人はつい敗者に同情しがちで時にそれを美化さえする。しかし、それは間違いであり、負けは負けであると認識するところから、真の進化が始まる。サッカーのワールドカップ出場を逃した試合を「ドーハの悲劇」と言っているのがよい例である。
一方で著者は弱者がどうしたら勝者になれるかについても考察している。「凡」から「非凡」を引き出す魔術といった思わず読んでみたくなるタイトルがついている。

さらに、5章の「勝者の思考法」のp181にはこんな一節がある。
FWとして大成するのは、例外なく強烈な構成を持った人材である。極端に言えば、「右向け右」と言われたときに左を向くような感性が、ゴールを決めるに際してイマジネーション豊富なプレにつながるのだ。(途中略)組織の中に乱気流を巻き起こすような存在。指揮官にすれば扱いにくい存在であるが、しかしそうした個性は強い組織作りに逆行するものではない。
あるいは別のところでこんなことも言っている。
サッカーのゴールについて、「予定通りのことをしていてもゴールは奪えない。ゴールを想定してディフェンスの練習をするのだから、当然のことである」。ではどうしたら、ゴールが奪えるのかと言えばアイデアと決断力だという。
私が大好きなコメントであり、コンサルタントもかくあるべしと思う。言われたことをこなすことが身についた人々には耳が痛い話だろう。

また、同じく5章のp202には、「勝負師とギャンブラーの違いがここにある。ギャンブラーは運を天に任せるが、勝負師は最後まで自分で運を仕切ろうとする人種のことを言う。」なんてしゃれた文章が載っている。この言葉を何人の経営者に贈ったことだろう。

そんな彼が、さんざん勝負に勝つ方法について語りながら、「ゲームの勝者が人生の勝者とは限らない」と言っているところがまたいい。
リーダーシップ論、コンサルタントの心構え、若手コンサルタントの育成方法について学べる名著である。

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2007年6月24日 (日)

偶然と必然

コンサルタントに勧める2冊目は、茂木健一郎さんの「脳」整理法である。
これは、ノウハウやスキルを書いた本ではなく、コンサルタントの立ち位置や価値について考えさせてくれる本である。ちくま新書として2005年に出版されている。
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p134に「自分」を離れて世界を眺めるという節があり、その中にこんな一文がある。
「科学的世界観とは、理想的には、あたかも「神の視点」に立ったかのように、自らの立場を離れて世界を見ることによって成り立っています。そのことを、科学者たちは、「ディタッチメント」を持って対象を観察する、と表現します。」
企業の問題点を整理することを「論点整理」と言うが、その際に当てはまる考え方であり、まさにコンサルタントが持つべきスタンスを表した言葉である。もっと分かりやすく言えば、コンサルタントの持っている岡目八目的要素の重要性を語っている。
茂木さんも、「ディタッチメントは、科学者に限らず、複雑な現代について自分の脳を整理し、活用していこうというすべての人にとって、大変参考になる考え方なのです。」と述べている。

p74にある「不確実性を楽しむという「生活知」は、そもそもこの世界の本質、とりわけ生の本質は「偶有的」なものであり、不確実性は避けられないものであるという認識のもと、「覚悟」を決めることによってこそ得られるものである。」という一節もまたコンサルタントの生き方を示唆している。

これ以外にも、偶然が幸運に出会う能力として、セレンディピティという言葉があるが、それを偶有性の視点で詳しく解説している箇所には、学ぶべき点が多い。

私がこの本で一番興味を持った部分は、世の中には必然でもなければ、かといっても偶然でもない、その中間の領域というのがあり、それを偶有性と呼ぶが、まだまだ解明されていない領域であり、だから人間なんだというところである。さらに、これは私の解釈であるが、偶有性は個人だけでなく、企業や戦略にも全く同じように使えるなということである。

学生時代に読んで大変感銘を受けたというより自分の生き方に大きな影響を与えた、ジャック・モノーの「偶然と必然」という名著も思い出した。当時の言葉を使えば、かぶれたといっても良いかもしれない。

最後におまけのひとこと。
茂木さんといえば、NHKテレビの『プロフェッショナル 仕事の流儀』のホスト役で活躍中であるが、この新書の裏表紙にある茂木さんの写真は、えらく痩せていてテレビで見る茂木さんとは別人のようである。それだけでも見る価値がある新書である(笑)。

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2007年6月 5日 (火)

パラダイムの魔力

自分が経営コンサルタントとして大変役に立った、あるいはバイブルとして使っていた本をこれから少しずつ紹介していくことにする。

栄えある1冊目はジョエル・バーカー著の「パラダイムの魔力」である。日経BP社から1995年に出ている。
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私なりに中身を要約すれば、同じパラダイムでも善玉の時は仕事に大変役に立つが、いったん環境に合わなくなると変革のじゃまをする悪玉になる。パラダイムチェンジを行うには、パラダイムシフトを発見する人と推進する人の両者が必要である。あるいはパラダイムシフトを起こすために、リーダーは何をすべきかなど、どれ一つ取ってみては企業変革やリーダーシップのあり方のヒント満載の書籍である。

おまけに、事例が豊富で分かりやすく、使える。私の20の引き出しの種本としても、大変役に立っている。
たとえば「峠の豚」、「バドワイザーの缶ビール」、「ソニーのCD]、「エアバッグと手榴弾」などはこの本が原点になっている。

気に入った箇所は何カ所もあるが、2-3節紹介しよう。
『新しいパラダイムは、古いパラダイムで生きているすべての人に、大きなリスクを負わせる。その人の地位が高いほど、リスクは大きくなる。現在のパラダイムに習熟しているほど、投資したものが大きいほど、パラダイムが変わって失うものは大きい。』
『人よりも早くパラダイムを変えようと思い立つ人は、頭でそう判断するのでなく、心で判断する。』
『管理はパラダイムの中でおこなうもの。パラダイムの間を導くのがリーダー。』

コンサルタントを目指す方、あるいは既にコンサルタントの方にとっての必読書である。だまされたと思って読んでみてください。
私がこの本を薦めたお蔭で、BCGのコンサルタントにもあるいは顧客にもこの本の愛読者は多い。たぶん20冊くらいは購入して、プレゼントしてきた。もちろん自分で買って読んでいる人も多い。

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