2009年10月21日 (水)

情の人 知識さん

今月の嶋口・内田研究会のゲストスピーカーは元カネボウ化粧品の社長でカネボウの再建に尽力した知識さんだった。ご承知の通り、カネボウは元々繊維の会社だったが、一時期に多角化経営を標榜し、食品や化粧品など様々な事業を展開していた。しかしながら、放漫経営で赤字が続いた上に、粉飾決算が発覚し、会社が事実上倒産し、産業再生機構の傘下で再建を果たした。そのうち化粧品事業を社長として担当したのが知識さんだった。社長に抜擢された当時、41歳と若かったことから大きな話題になったので、覚えている人も多いのではないかと思う。

あれだけのターンアラウンドをやった人なので、結構コンサルタント的切れ者かと思っていたら、実は情に厚い人間味あふれるリーダーでした。社内に対しては、そんな甘い改革案では機構の人が許してくれないからもっとバッサリやらないとダメだと情で諭し、一方で機構側にはそんな機械的なやり方で押していったら化粧品会社の資産である人が離反してしまうと理屈で説得し、両者の間のコミュニケーターになっていたようだ。

この知識さんは、ずいぶん前からカネボウ社内の教育などの機会に嶋口先生の指導を受けていて、目立っていたというのも、何かの縁だなと思いました。

 

今回の嶋口・内田研究会には100数十名の参加者が来てくれて、久しぶりの大盛況だった。これも知識さんという新しいタイプのリーダーに対する若い人たちの期待の表れなのでしょう。

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2009年7月25日 (土)

空想生活

皆さんは、こんな商品があったらいいなあるいは自分がデザインしたこんな商品を誰か作ってくれないかな、という夢を実現してくれるサービスがあるのをご存じですか?
エレファントデザインという会社が提供する空想生活というサイトです。

簡単に言うと、誰か言い出しっぺがこんな商品が欲しいと提案して、それに賛同する消費者が一定の数になると、エレファントデザインがそれを作ってくれるメーカーに交渉してくれます。そして、OKを取るとその商品が、あらかじめ申し込んだ人に販売されるということをやっています。

社長の西山浩平さんはまだ39歳の若さですが、この空想生活を10数年前に始めています。さらに二十歳になる前から大学も行かずに、オーダーメイドの革のバッグや財布を作成して稼いでいたというから、オーダーメイドのプロです。
実は昨日の嶋口研究会のゲストはその西山さんでした。

会うのは昨日が初めてだったのですが、実は10年ほど前に週刊誌にネット時代の経営みたいな連載をしているときに、インターネットの本質は消費者や零細企業に情報の主権が移る消費者主権主義の時代である。そうなると、これまでのように企業が作ったものの中から消費者が欲しいものを選ぶのではなく、消費者が欲しいものを企業が聞き入れて作る時代が来ると書いたことがあるのです。
その時に、実は既にそういうビジネスを空想生活というサイトでやっているのですが、うちを知っていて書いてくれたのですかとメールをくれたのが西山氏だったのです。全く知らずに、その記事を書いたのですが、世の中には私の思考の先を既に事業として実現して人がいるなと大変関心したのです。その彼に10年越しに会えたのは何かの縁だと感じました。

西山さんは経営者というよりは思想家という感じで、とても好感が持てました。何となく、ISLの野田智義さんに似た印象です。

デンマークの政府に頼まれて、デンマークの中小企業が世界中のBOPの人々に欲しいものを提供する仕組みを作ってくれと頼まれて、これからやるそうです。どう見ても金儲けには成りそうもありませんが、世の中の役に立ちたいからやるそうです。

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2009年7月14日 (火)

苦労人

先月の戦略とリーダーシップの講義にローソンの執行役員の河原さんが来てくれた。ローソンの中でローソンストア100を苦労して船出した話や、それがうまくいかなくて辞職を覚悟したことやショップ99の買収にかかわる話などをリアリティたっぷりに語ってくれた。

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彼の口から語られるとたいした苦労には聞こえないが、実際にとても苦労して今日までビジネスを持ってきたのだろうと想像に難くない。
受講生のみんなも、カリスマ型ではなく、自分たちに近い形のリーダーに親しみを覚えてくれたのではないかと思う。
実に多様なリーダーのスタイルや個性があることを感じ取ってもらえれば、私がリーダーシップの講義をやっている甲斐があるというものだ。

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2009年6月 2日 (火)

All About

5月の嶋口研究会のゲストスピーカーはオールアバウト(AllAbout)の江幡社長だった。
江幡氏はリクルートの新規事業としてオールアバウト事業を始め、ナスダックに上場するまで成功させた企業内創業社長である。立ち上げの時点でリクルートは退社したそうであるが、現在もリクルートが筆頭株主の会社である。一時はやった言葉を使えば、大企業から新規事業を別会社として立ち上げることを意味する「カーブアウト」に当たる。

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オールアバウトがどんなサイトかと言えば、日常生活の様々な分野について専門家が、ユーザーの参考になるような記事を多数紹介しているサイトである。実に細かく分類されているので、広告主としては自分のターゲットユーザーに見てもらえる可能性がとても高い、セグメントされたサイトといえる。江幡社長に言わせると、インターネット上の雑誌であり出版社であると語っていた。実際にどんなものかは実物を見てもらった方が分かると思うのでURLをあげておきます。
http://allabout.co.jp/

立ち上げから3年は予定通りに成果が上がらず、大変苦労したそうである。しかし今では200万人近いユーザーが利用する人気サイトで、広告収入で採算の取れるモデルになったと語っていた。
現在のビジネスモデルを思いついたきっかけはトイレに常備してあるアイデアノートに"人ネット"と書き込んだことだったという話がおもしろかった。

また、これは話を聞いていての私の印象であるが、江幡氏は多くの創業経営者に共通のポジティブシンキングの持ち主だと感じた。

会員に対するメーリングリストでしか案内していないにもかかわらず、最近の嶋口研究会は毎回席が足りなくなるくらいの大盛況である。上の写真を見ていただくとよくわかると思います。大変ありがたい話ではあるが、事務局を引き受けている私のゼミ生(社会人と学部生)は大変である。ご苦労様。

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2009年6月 1日 (月)

漆さん再び

先週の大隈塾「リーダーシップ論」には昨年度に引き続き、品川女子学院校長の漆紫穂子さんが来てくれました。

受講生も漆さんの企業経営者と変わらぬ、あるいはそれ以上の経営者ぶりに驚いたり、感心したりしていました。
企業改革にたとえれば、「自分は設備投資などのハードウエアに手を付けたわけでもなく、あるいは従業員のリストラや入れ替えをやったわけではなく、同じ器、同じ教師でこの改革を成し遂げたことを誇りに思っている」と語っていました。

前回書いたことの繰り返しになりますが、企業変革は組織の構成員のやる気のスイッチを如何に入れるかにかかっているという彼女の言葉は、組織変革のカギであると同時に、大隈塾で学ぶミドルクラスの人間にとってのリーダーシップの秘訣でもあります。

今回の新たな学びというか気づきは、人間にはプロセス型と結果型があるという話でした。彼女によると、結果型というのはまずゴールやビジョンから考える人間で、人に語るときも結論やゴールから入るそうである。もちろん漆さんはこのタイプだ。
それに対してプロセス型というのは、何かをやるときにまずどうやってやるかを考える人間で、この違いを理解してコミュニケーションしたり、マネジすることが大事だという話は、目から鱗でした。どうもありがとうございます。

漆さんは校長日記というブログを付けており、その中でも今回の訪問のことがちらっと触れられていました。ご紹介しておきます。
http://diary.shinagawajoshigakuin.jp/fromPrincipal/?m=200905

また、前回の講演内容に興味がある方は下記のブログを参考にしてください。
http://uchidak.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-63a4.html

これを見ると、今年から講義の教室がいかに良くなったかがよくわかると思います。

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2009年5月27日 (水)

大企業変革

先週の「戦略とリーダーシップ」のゲストは、DOWAホールディングスの会長・CEOの吉川廣和氏でした。
吉川氏は以前の当ブログでも紹介した「壁を壊す」の著者であり、100年の伝統を誇るDOWA(旧同和鉱業)を如何に近代的な企業へと変身させたかを、理路整然と語ってくれた。

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私が吉川氏の話で感心するのは、同和鉱業のような大変長い歴史を持ち、当然独自の文化を持った会社を数年にして変身させることが出来たそのリーダーシップの強さである。
彼の性格やスタイルを考えると、きっと様々な軋轢があったに違いないが、それを一つも愚痴らず、やるべきことをやっただけだと言い切る吉川さんに強い信念を感じたのは私だけではなかったはずだ。

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2009年5月21日 (木)

駅ナカ

先週の戦略とリーダーシップの講師はJR東日本の鎌田由美子さんだった。鎌田さんは現在は本社事業創造本部で企画を担当する部長さんであるが、昨年まではJR東日本の新しい小売り業態である「エキュート(ecute)」を展開するJR東日本ステーションリテイリングの社長さんだった人だ。

それまで、改札口の外ではルミネなどの駅ビル小売店を展開してきたが、駅構内ではKIOSKのような売店あるいは立ち食いそば屋・レストラン・コーヒーショップなどしか展開してこなかった。そのJRがまったく新しいタイプの小売店として、大宮、品川、立川などにエキュート(ecute)という大規模な構内小売店を展開しているが、それがまさに鎌田さんのやったことだ。私も何度か行ったことがあるが、女性に人気のあるテナントなどがたくさん入ったとてもおしゃれな店である。

JRのような伝統的大企業が従来にない新しいタイプの小売業を創り出していく過程を生々しく語ってくれた。男性中心の会社の中で30代だった彼女がどうやって、周囲を説得したり、部下を選んだり、あるいは育てていったかがよく分かる講演だった。

小売業では当然のことがJRの論理ではなかなか通用しない下りなどは、なるほどなるほどと頷きながら聞いていた。たとえば、小売業では顧客ターゲットを明確に定めることがよいとされているが、公共交通機関のJRでは万人にすべからく平等なサービスを提供するのをモットーにしており、それを説得するのが大変だったそうだ。

前回のゲストのリクルート出木場さんに負けず劣らず、熱い語り口でしゃべってくれたので、タイトルを「熱い女」にしようと思ったが、さすがに失礼かと思い表題に変えた。

彼女とそのチームの活躍については、その著書「ecute物語」(かんき出版)に詳しく描かれているので、興味のある人は是非一読してください。


Kamada

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2009年4月13日 (月)

熱い男

早稲田のビジネススクール(MBA)で2年ぶりの開講となる「戦略とリーダーシップ」が先週の水曜日8日よりスタートした。

トップバッターにはリクルートの旅行情報誌「じゃらん」のネット版を担当する出木場久征氏だった。知っての通りリクルートは古くから紙媒体による旅行情報誌たとえば海外向け旅行情報誌AB・ROAD(エイビーロード)を発行しており、じゃらんはその国内版である。
そうした中で、場合によっては紙媒体とかにバリぜーションを起こすかもしれないネットによる国内旅行情報サイトを立ち上げ、大成功させた立役者が今回登場の出木場氏であった。

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熱弁をふるう出木場さん

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出木場氏の話に聞き入る学生たち

詳細は当日の講義を聴いていた人のみのオフレコとしてこのブログでは紹介しないが、私の印象というか学びは出木場氏の現場力である。彼は27歳という若さで他の事業部門からじゃらんへ送り込まれ、その改革を成し遂げたわけであるが、彼の優れている点はその戦略立案能力もさることながら、現場を巻き込んでというは折伏しながら突き進む実行力にあると感じた。(受講生は戦略に感心していたと思う)

もちろんカンパニー長をはじめとするトップのサポートもあったからだとは思うが、あの若さであれだけの組織を引っ張っていくリーダーシップというか熱さに脱帽した第1回目の講義でした。

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2009年4月 2日 (木)

成毛流成功法

前回の嶋口研究会のゲストは元マイクロソフト日本法人社長の成毛真さんだった。現在はインスパイアという会社のファウンダー(要するにオーナー)である。

彼のマイクロソフト時代やそこに至るまでの話を紹介してくれたのだが、落語か漫談を聞いているようで大変おもしろかった。
しかし、そこは一流経営者であり、かつ現在もいろいろな事業を育てている成毛さんのこと、経営や人生のヒントが山盛りだった。ただし、当日の参加者がどれくらい彼の話からエッセンスを汲み取ることが出来たかは不明である(ちょっと心配)。

例によってさわりを紹介しよう。
「天才は作れない。天才は探すもの。」(ATOKの日本語変換ではなぜか、前者がテンサイになり、後者が転載になってしまった。変換精度の高いATOKでは珍しい誤変換だ。)
これはその通り。
「ベンチャーが成功するのには20年はかかる。数年で成果を求めるのは無理。」

今注目している業界は農業だそうだ。理由はみんなが注目している環境やエネルギーは競争が激しすぎるが、農業はまだ注目している人が少ないから今のうちから投資しておくのだそうだ。目の付け所が違うな。

「人間によって持っている運の量は決まっている。」これは私もそうかも知れないと思っている。
昔、スキーの仲間と「総量一定の法則」というのを作っておもしろがっていたことを思い出した。これは一人の人間が1回のスキー行で転ぶ量は一定であり、今日たくさん転べば明日はあまり転ばない。あるいはAさんがたくさん転べば、Bさんが転ばず、総量が一定になるという、極めてたわいのないものであったが、時々信じたくなる。

成毛さんは自分は運だけで生きてきたと言っているが、実はものの見方が非常にユニークで、人が見えないものを見えるのが彼の成功の秘訣ではないかと思っている。

成毛さんは大変な読書家で、自分の読んだ本を中心にしたブログを持っています。知っている方も多いと思いますが、念のために紹介しておきます。
成毛眞ブログ
当日も禅に関する本を2冊ほど持っていて、それらもこのブログで紹介されていました(3/25の項)

そういえば、10数年前に成毛さんと孫正義さん、さらに二人ほどの計5名で六本木の夜に繰り出したことを思い出したら、成毛さんも良く覚えていて、その時行ったおかまバーは自分がよく知っている店だと言っていた。そうだったんだ。

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2009年3月 8日 (日)

大器晩成?

ビジネススクール時代の友人に河原成昭氏がいる。
同じ嶋口ゼミで学んだ友人だが、当時はイトーヨーカ堂からの派遣でビジネススクールに来ていた。
現在はローソンで執行役員を務めている。かつ、最近躍進しているローソン100の責任者らしい。

その河原君がなぜか最近は脚光を浴びている。少し前には週刊東洋経済の特集(08年12月6日号)でローソン100の立役者として紹介され、昨日は朝日新聞の週末版beのトップページにフロントランナーとして大々的に取り上げられていた。

Kawahara

企業からビジネススクールに派遣されてくるくらいだから、将来を嘱望されていたのに、なぜか会社を辞めると言い出した。私始めみんなが止めるのも聞かずに、イトーヨーカ堂をやめてベンチャーの世界に行ったが、結局そこも辞めてボストンコンサルティンググループにやってきた。
そこである程度の経験を積んでから、セブンイレブンのライバルであるローソンに転職し、今日の活躍がある。ビジネススクールの同期の仲間として、うれしい限りである。

ちなみに朝日新聞の記事の端の方にある、彼のビジネススクール時代の恩師と同級生として写っている写真の左端が私です。私も若かったけれど、真ん中で写っているのが嶋口先生が若い。

明日のカンブリア宮殿参謀特集にも出るらしい(先週の予告編に顔が写っていた)。

ますますの活躍を期待しています。頑張れ河原!

(余談) 全くつまらないことを言うと、彼の名前は平成の成に昭和の昭であるが、私の名前も昭和の和に平成の成である。電話で説明するとき、分かりやすい。

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2009年2月14日 (土)

星野リゾート

大隈塾のゲストで紹介し忘れているのが、星野リゾート社長の星野佳路(よしはる)氏だ。星野氏は家業である軽井沢の星野温泉を近代的なリゾートに蘇らせることで有名になった人です。
星野リゾート
自社の再生で苦労したことは、客を呼んでくることではなく、人材を集めることだったという話が印象に残りました。

その後星野さんは日本各地でトラブルを抱えて立ちゆかなくなった温泉旅館やリゾートを次々と立ち直らせています。
その星野さんが語る温泉再生の話は企業再生の話に通じる大変実践的でためになるもので
たとえば

  • ソフトの再生を先にやる ハードの再生は金がかかるので利益出るようになってからやるのがよい
  • 再生のこつはコンセプト、それも正しさではなく、共感が大事
  • コンセプトを決めるとコストカットがやりやすい


なかでも、印象的だった話は青森の古牧温泉の再生です。
そもそも場所の割に大きすぎる容れ物を作ったのが問題だったそうですが、いざ引き受けて再生させようと思ったときに、前からいる従業員に売り物に出来る古牧温泉のいいところをあげてみろと言ったそうです。
当然のように、温泉、四季、山や湖などの景観、地元の食材、お祭りなどが上がったそうです。ところが、星野さんに言わせるとそれらは日本の特徴であって、青森の特徴ではない。別の言い方をすれば、みんな東京にある都市型ホテルのミニ版を作りたがる。そこに日本の温泉旅館の問題点があるというものでした。
これにはなるほどね、と感心しました。

そして古牧温泉の場合は、青森の方言を売り物にしたそうです。これなら他の地方にはない特徴です。

さらにアイデアマンでもあるようです。たとえば、あるスキー場の食堂では「美味しさ保証カレー」というのを打ち出し、おいしくなかったら返金しますとやったそうです。当然のように、みんなはそんなことをしたら、まずかったから返金しろという人が続出して商売にならないと反対したそうですが、やってみたら、実際には3日目にようやく一人まずいから返金しろと言ってきただけだそうです。
それも言いがかりではなく、「ご飯がべたついている」というもっともなクレームだったので、現場マネージャーは自分の判断で炊飯器買い換えたそうで、星野さんはそれがとてもうれしかったようです。

このように星野さんは、ビジョナリーであり戦略家ですが、同時にオペレーション(人材掌握)にも長けた優れた経営者だと思いました。

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2009年1月19日 (月)

やる気のスイッチ

先週の大隈塾のゲストスピーカーは品川女子学院校長の漆紫穂子さんだった。

漆さんは親が経営していた女子中高が存続の危機にあるのを見かねて、教員として赴任し、その後経営者兼任となって、同校の改革を成し遂げた立役者である。
彼女の学校改革については昨年11月にカンブリア宮殿で大々的に取り上げられたので知っている方も多いのではないかと思う。

あるいは日経ビジネスオンラインで連載をされていたので、そちらをご覧になった方も多いと思います。

日経ビジネスオンライン

漆さんの話を聞くと、学校改革と企業改革には何の違いもないのだと言うことがよく分かる。

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たくさんヒントをもらったが、全部はとても紹介しきれないので一部だけ紹介しよう。

改革が成し遂げられるかそうでないかははじめの一人がいるかどうかだと言い切る。
100校くらいから、改革の参考にと言って自分の学校を見学に来たが実際に実行して変わった学校はわずかしかないとも言っていた。

改革に必要な答は、ほとんど組織の中にある。それに気がつくかどうかだ。外部から持ってきた答はうまくいかない。

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人が動かない理由は4つ
①(やり方を)知らない
②責任取りたくない
③面倒くさい
④リーダーが嫌い

人にはやる気のスイッチがオンになるものとオフになるものがあって、オンにならないものはいくら強制してもうまくいかない。
それぞれの人のオンになることを見つけてやって、スイッチが入るようにしてやることが大事、そのためには相手をよく観察するそうだ。
例えば教師がスイッチはいることは、生徒が喜ぶことをすることだそうだ。なるほど。

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イヤー、とてもためになりました。

ご本人のブログも紹介しておきます。
校長日記

大隈塾のことも書いてあります。

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2008年12月17日 (水)

縮む陶器

先日、日経新聞の企画でTOTOの木瀬社長と対談をした。

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木瀬社長は海外経験もお持ちで、TOTOのグローバル化にも極めて熱心なので、対談の内容もそうした話が中心になった。詳細については本日16日付の日経新聞をご覧いただくとして、今日は木瀬社長との対談を通じて感じたことを一言。

会談後の雑談の中で、技術屋でもない木瀬社長が製造現場の話を目を輝かせて話していたのが印象的だった。そばにいた女性社員の方も頷いていたが、九州の工場で便器が焼き上がってくるのを見ているのは感動的だそうだ。
言われてみれば当たり前なのであるが、便器は陶器であるために窯で焼き上げる。そして焼き物であるために焼き上がるときに縮む。もちろん一律には縮まない。その縮み具合を計算して元を作ったり、温度が場所によって違う釜の中でたくさんの便器をどこにどのようにおくのかといったことをすべて計算して焼き上げる名人芸だそうだ。
そして、それが見事に焼き上がってくる場に立ち会うと感激するんですよという話に私も感動した。是非現場で見てみたいなと思った次第である。

私自身は航空会社、コンサルティング会社、大学とサービス業ばかりを経験しており、メーカーに勤めた経験がない。物作りに直接かかわることができるメーカーはいいなと感じた一日であった。

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2008年12月 7日 (日)

優れたリーダーは感情へ働きかける

11月始めの大隈塾のゲストスピーカーは伊藤忠会長の丹羽宇一郎氏だった。
丹羽氏は伊藤忠を立て直しただけでなく、日本のオピニオンリーダーとして多方面で活躍中だ。

その丹羽氏が早稲田ビジネススクールの学生たちにリーダーシップについて語ってくれたのであるが、学生にとっては至極の講演だったと思う。ただし、彼らがどこまでそれをくみ取ってくれたかは・・・。

丹羽さんの話の中で、いくつか印象に残った言葉を上げてみると、
今回のアメリカの金融危機は、金融機関の経営者が他人の言葉や情報を鵜呑みにして意思決定したのがいけない。経営者は一次情報に基づいて、自分の常識を働かせて判断しないといけないと言っていた。同感である。

阪神が巨人に13ゲーム差を逆転されたことを引き合いに出して、リーダーシップにおける精神や気力の重要性を説いていた。また、優れたリーダーは感情へ働きかけることで、共鳴の波長を創り出すことにあるとも言っていた。おもしろい。またノーベル賞を受賞した小柴さんの言葉を引用しながら、経営者は常に問題意識を持ち続けて、昼夜考え抜くことが大事で、そのためには昼間は知性と理性を働かせ、夜は感性と直感を働かせるのだそうだ。私がスパークする思考で言っていることに極めて近いので、驚いた。

さらにトップには自信がなくてはならないが、その自信は「狂いに似た確信」であると断定していた。

学生からのリーダーになるためには我々は何を学ぶべきか、あるいはどうしたらよいのかという学生からに質問には、
最初の10年で底力をつけ、次の10年で自分の仕事を徹底的に勉強し、最後の10年で人間を知ると答えていた。良いこと言うな。したがって最初の10年は死ぬ気で働くことが大事とも言っていたが、今時こう言うことをはっきり言ってくれる経営者は珍しいので、とてもうれしい。

丹羽さんは自社の経営以外にも政府の委員などをたくさんやっているが、それとは別にボランティアで世界食糧計画(WFP)を通じて恵まれない人々への食糧支援活動をサポートしている。

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2008年11月27日 (木)

時代の風を読む

昨日の嶋口研究会の講師はキッザニアを経営するキッズシティジャパンの住谷栄之資社長でした。以前にもテレビのカンブリア宮殿のゲストだったときにこのブログで紹介したり、雑誌の記事を読んだりして、キッザニアについてはそれなりに知っているつもりだったが生で話を聞くと、学びがたくさんあった。
詳しくは紹介できないが、さわりをいくつか。

キッザニアはオリジナルはアメリカではなくメキシコであるが、そのメキシコのキッザニアに来る子供たちと東京のキッザニアに来る子供たちを観察していると大きな違いがあるという。メキシコの子供たちは、最初に手持ちのお金(きっぞと言うキッザニアでしか使えない貨幣)を使って、それがなくなってしまってから働くそうである。一方で日本の子供たちは手元に多少のお金があっても、まず働いてお金を貯めてから使うそうである。遊んでから働くか、働いてから遊ぶか、まさに国民性の違いが誰も教えないのに現れているという。おもしろい。

また、キッザニアは来園客の6割が2回以上来ているリピーターだそうだが、彼らがまたやってくる理由はおもしろいからではなく、悔しいから来るそうだ。一回やってみた仕事・作業がうまくできなかった、周りを見たらうまくやっていた。もっとうまくできるはずだという気持ちが、また期待と思わせるそうだ。子供たちの向上心は素晴らしいな。

住谷氏の講演の中に「時代の風を読む」という話があった。キッザニアの話を友人から初めて聞いたときに、「これはおもしろうそうだ」彼の耳に引っ掛かったそうである。これは理屈ではなく、何となく感じることだそうだ。

住谷氏は、過去にもアメリカではやっている数多くのレストランを日本に持ってきて成功させている。たとえば、トニーローマ、ハードロックカフェ、スパーゴなどである。こうした話に加えて五感の重要性を訴えていたが、彼の鋭い勘は、私がスパークする思考で言うところの、ある現象が自分の問題意識に引っ掛かって化学反応を起こすのに近いのかも知れないと感じた。

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2008年11月17日 (月)

新浪剛史

前々回の大隈塾「リーダーシップ論」のゲストはローソン社長の新浪さんでした。

彼は三菱商事から若くしてローソンの社長として送り込まれたときに、セブンイレブンと同じ事をやればいいのではと思ったそうだ。ところが実際に言ってみたら、彼らはセブンイレブンと比較されることに疲れてしまって、そんなことで士気が上がる状態ではなかったという話だ。
そこで、セブンイレブンの真似をするのを止めて、違うコンビニエンスストアになろうと思ったそうだ。そして、ローソンの社員にプライドを持ってもらうために、おにぎりプロジェクトから始めたのだと言っていたのが印象に残った。

それ以外にもこれからの日本は、老壮青の三世代が知恵を合わせてやっていくべきだという華が印象に残っている。

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2008年10月18日 (土)

社長「木村剛」

やっと、11月に出す本の原稿のめどが立ちました。そして、ようやくブログを書く精神的余裕が生まれて、このコラムを書いています。通常の仕事で忙しいときは、多少眠る時間を削っても、何か書くことでストレスが解消されるのですが、さすがに原稿執筆中は、もう一文字も文章を書くのは嫌だという気分になります。ということで一週間ぶりのブログになりました。楽しみに待ったいてくれた人、ごめんなさい。

先週の大隈塾リーダーシップ論に登場のリーダーはフィナンシャルコンサルタントの木村剛氏でした。彼は小泉内閣時代に竹中平蔵氏と一緒に不良債権処理に当たったことで一躍有名になった人ですが、今回はリーダーシップ論の講義と言うことで、金融の話ではなく、自分の会社経営の話がメインでした。

日銀を辞めて、自分の会社を立ち上げて経営したときに、どんなに苦労したかの話を中心に語ってくれた。ビジネススクールで習うような戦略の話とか、大学で習う経済学などは何の役にも立たなかったという話が一番おもしろかった。
また外人のマネジメントとつきあうときの苦労話などは、若い人には参考になったのではないかと思う。

もちろん、質疑応答の中で、今回の金融危機についても本音を語ってくれたが、こちらは講義を聴いた人のみということで、紹介できませんので悪しからず。

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2008年8月20日 (水)

永守重信

ご存じ、M&Aで買収した会社を人員リストラせずに、次々に再建に成功している経営者である。
ずいぶん前に、日経新聞主催の世界経営者会議での講演を聴く機会があり、すごい経営者だなと思っていたが、その後テレビ東京のカンブリア宮殿などでも紹介されさらに興味を持っていました。

先日たまたま入った本屋で、彼の経営に関する言葉を収録した「情熱・熱意・執念の経営」という本が目に入り、購入した。簡単で読みやすい本なので、一気に読んでしまったが、平易な文章の中にいくつか経営に関する極意やヒントが述べられており、大変参考になった。

Nagamori

そこから、2-3紹介しよう。
「苦労こそ財産」
以来、私は「苦労こそ財産」と考えるようになりました。理由は、苦労には有形、無形の利子が付いてくるからで、完成した製品や身につけた技術力が有形の利子です。それよりも大きな利子は、情熱、熱意、執念さえあれば不可能を可能に出来るという無形の自信をつけたことでした。

「加点主義を貫く」
我が社は創業時代から加点主義を貫いてきました。怠けた結果の失敗は徹底した叱責の対象となりますが、評価が下がることはありません。(これは相当珍しいです)

「決断するまでのスピード」
私は会社の命運を左右しかねない大きな決断は月曜に下すと決めています。それは、日曜に丸一日かけてあらゆる角度から何度も検討することが出来るからです。
それに対して、通常の意思決定は一分以内を原則としています。

「トイレ掃除」
便器についた汚れを素手で洗い落とし、ピカピカに磨き上げる作業を1年間続けると、トイレを汚すものはいなくなります。
これが身につくと、放っておいても工場や事務所の整理整頓が行き届くようになってきます。これが「品質管理の基本」であり、徐々に見えるところだけではなく見えないところにも心配りが出来るようになれば本物です。

やや古いなとか、ちょっと違うなと思う点もありますが、彼の経営哲学がよく伝わってくる良い本だと思います。一読をお薦めします。

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2008年7月11日 (金)

私の師匠

イヤー、今週は仕事がテンパってしまって、ブログの更新が全くできませんでした。こんなことはここ1年半で初めてです。書きたいことは山ほどあるのに、その時間が作れないなんて、まだまだ未熟者だなと実感しました。

さて、今週の大隈塾のゲストスピーカーはドリームインキュベータ会長で、元BCG日本法人のトップだった堀紘一さんです。田原さんと堀さんは大変仲が良く、その関係で大隈塾にも来てくれたのだが、堀さんと私の関係はもっと古い。と言うのも、私もBCGに誘ってくれたのが堀さんだったのだ。初めて会ったのが、1984年だから20年以上の付き合いになる。
そうして、BCG入社後も数多くのプロジェクトを一緒にやり、コンサルタントしての基本を教えてくれたのが堀さんだ。

堀さんは、テレビなどにも良く出ているので、知っている人も多いと思うが、とにかく話がうまい。その堀さんが、いつもの熱い口調で、リーダーについて語ってくれた。堀さんに寄れば、リーダーとりわけ受講生のような若いリーダーにとって一番大事なことは「夢」と「挑戦」だと語っていた。
さらに、講演が終わった後の質疑応答も、田原さんとの掛け合いを含めて極めて熱の入ったものだった。

今年63歳になったそうだが、歳を全く感じさせない若々しい講演だった。

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2008年7月 2日 (水)

リーダーのあるべき姿

今回の大隈塾「リーダーシップ論」のゲストはキヤノン会長で日本経団連会長でもある御手洗冨士男氏だった。
テーマもそのものずばり、「リーダーのあるべき姿」で受講生には学ぶことが多かったのではないかと思う。
それにしても毎回これだけのゲストに来てもらって、リーダーとは何かを学ぶことの出来る学生たちは幸せだなと思う。

御手洗氏によると、リーダーに求められる条件は3つあるという。
①自分で経営目標を立てること
これを間違えると国も企業も滅びるからだそうだ。
②自分の考えを明確にする&責任のあり方をはっきりさせる
これはセットだそうだ。同感である。
自分の考えをはっきりさせるためには、繰り返しコミュニケーションすることが大事と述べていたが、これは多くの経営者が伝えるところと同じである。
③決断力
これも異論はないと思うが、新しいことを始める決断は難しくないが、何かから撤退する決断が難しいと述べていたのが印象に残っている。

個人的に一番気に入った言葉は「経営は合理的であるべき、しかし一様ではない」という言葉で、やたらアメリカのやり方をそのままグローバルスタンダードして当てはめている最近の風潮に警鐘を鳴らしたのではないかと受け取った。
御手洗氏によると、何が合理的かは時代や国によって異なるので、すべてに同じルール・基準を当てはめるのは実は合理的でないということになる。

クラスの学生からの質問の質がいつになく高かったのは、学生が進歩しているのか、御手洗さんだから張り切ったのか、それとも私の気のせいか?

過去の講義風景は下記の大隈塾「リーダーシップ論」URLを参照ください。
http://www.w-int.jp/education/okumajuku/info.html

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2008年6月30日 (月)

無印良品の魂

今月の嶋口研究会のゲストスピーカーは無印良品で知られる会社良品計画の社長を務める金井政明社長だった。創業当時から携わっていたと言うだけあって、無印良品に対する思い入れやこだわりの強さがびしびし伝わってくる講演だった。

日用品は価格優先である。そうだとすれば、本当に良いものかどうかはお客様の判断にゆだねた方が良い。あるいは使い方すらお客さまにまかせるべきである。したがって、無印良品というネーミングは、なるべく自らの個性を消して、判断をお客さんにゆだねるのが一番良いと言うことから来ているそうだ。
あるいはお店では買ってもらうために商品のパッケージは目立った方がよいが、家に帰ってくれば目立たない方がよいものも多いそうだ。たとえばティッシュペーパーがそうだと言われて、なるほどねと思った。

また、新しいデザインとは観察から生まれるというのは同感だ。
無印良品のベッドの背もたれは少し角度がついている。ベッドに座って本を読むときに、背もたれがいすのように少し傾いていた方が快適だからだそうだ。そういわれれば、市販されているベッドの背もたれというのはすべて直角だな。元々、壁に押しつけて収まりのの良いことを狙いにしているせいかも知れない。

無印良品の理由(わけ)というしゃれた小冊子を出していて、その中でそれぞれの商品のこだわりやポイントを解説している。

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Vol.01の17番の商品「落ちワタふきん」は内田ゼミ生の増田さんが商品開発を担当したそうだ。糸を作る工程で取り除かれた落ちワタを活用した商品だそうで、いかにも環境に優しそうな感じがしました。

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2008年6月22日 (日)

gabaのCOO

学部のゼミに最近急成長している英会話学校gabaの副社長でCOOの須原清貴さんが来てくれた。
須原さんは、商社やBCGでの経験を生かして、ベンチャー企業だったgabaにCFOとして就職し、東証マザーズ上場まで持って行くのに貢献した男だ。

学生を相手にベンチャー企業経営のおもしろさと苦労話を話してくれたのだが、ゼミ生がすっかり聞き入るほどの熱弁で、良い影響を与えてくれたのではないかと感謝している。コンサルタント時代はどちらかと言えば調子の良い感じもあったが、今や堂々たる経営者になって、とてもうれしかった。

講演の後はゼミ生との懇親会に須原さん以外にも同社の社員2人が参加してくれて、大いに盛り上がった。
そのとき二人で撮った写真である。

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須原さんのますますの活躍を祈っています。

彼のような実ビジネスを行っている経営者の話は、すぐには役に立たなくても、いつかゼミ生の社会生活に大きな影響を与えるのではないかと思って実施している。
幸いお願いした経営者やビジネスマンがみんな二つ返事で駆けつけてくれるのはとてもうれしいことだ。

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2008年6月12日 (木)

冨山和彦

昨日の大隈塾「リーダーシップ論」のゲストは、産業再生機構前COOの冨山和彦氏だった。

彼のリーダーシップ論は、自分がコンサルタント会社(CDI)を経営していた時の経験と産業再生機構で41件の企業の再生にかかわったことから学んだ社長の資質に関するもので、実体験に基づく分、極めて迫力がある話だった。

迫力があるだけでなく、分かりやすいたとえ話に学生もすっかり引き込まれていた。たとえば、経営者は言ったことややったことに責任を持つ与党だが、課長・部長までは何を言っても許される野党なので同じリーダーといえども立ち位置が全く違う。君らも社長になりたかったら、与党の立ち位置にならないとダメだよといった話は共感を呼んでいたようだ。

現在は自分の会社を立ち上げているが、政府の委員などにも引っ張りだこのようだ。
頑張って欲しい若手経営者の一人である。

実は冨山さんは元BCGのコンサルタントで、私の同僚でもあった人だ。

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2008年5月30日 (金)

人のやらないビジネス

昨日の嶋口研究会のゲストスピーカーは、スターマイカ社長の水永政志さんだった。
水永さんは、元BCGのコンサルタントで、その後ゴールドマン・サックス日本法人でプライベートバンキングビジネスの立ち上げを行い大成功した男だ。そこで培った人脈やノウハウをベースに現在の中古マンション売買ビジネスを立ち上げた。既に上場も果たしている。

一見地味な中古マンションの売買、それも1棟丸ごとではなく1室ずつ買い上げていくビジネスではあるが、競合がいないこともあった着実に成長しているようだ。ではどうやってもうけるのかというと、空室のマンションは市場価格で売りに出されるのに対して、賃貸中の物件は相場の2-3割安く売られているらしい。そこで、彼の会社は賃貸中の物件を安く買い、住んでる人が退室したら、それを高く売るという、聞いたらえらく単純なビジネスで利益を上げている。もちろん、その間の家賃も入る。拍子抜けするくらい簡単なビジネスモデルではあるが、競合がいないという。
マンションを1室買うだけなら、数千万円で買えるので誰でも出来そうだが、これが1000室ということになると数百億円の資金が必要で、そう簡単には手が出ないらしい。また大手の不動産会社が手がけるにはしょぼいビジネスに見えるようだ。

しかし、彼の話でおもしろかったのはこの部分ではない。創業の苦労話だ。実は私も知らなかったのだが、スターマイカを立ち上げる前にリートの会社を立ち上げて、辛酸をなめたことがあるらしい。そうした話を赤裸々に語ってくれたために、これから会社を立ち上げようという意欲満々のビジネススクールの学生にはたまらない話だったようだ。

講演の最後で、彼が若者へのメッセージとして語った、「頭で考えたビジネスはうまくいかない、実際に足で稼いでうまくいくようになってから大きくしろ」と言う彼の話は妙に説得力があった。

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2008年5月17日 (土)

出井節

田原さんと一緒にやっている大隈塾「リーダーシップ論」の今週のゲストは前ソニーCEOの出井伸之氏だった。

ソニーを辞めてだいぶ立つが、相変わらずの口達者で持論をぶちまくってくれた。話の内容をすべて紹介するわけにはいかないが、彼が言っていたことでいくつか気にいったことを書いておく。

一つは、一流を極めた人に違うことをやれと言うと嫌だと言うはずだ。たとえば、タイガーウッズに野球をやれと言っても嫌だというに違いない、何となればそこでは自分能力をめいっぱい発揮できないからだという。私は、受講生に何でも良いから一芸を極めろとアドバイスしていたと感じた。

また受講生から、ソニーのブランドについて聞かれたときに、「ブランドとは商品ではない。ブランドとは会社を挙げて戦っていく姿勢なのだ。」と答えていたのが印象に残った。結構、共感を覚えた。
となると、最近のソニーにはこの戦う姿勢はどこまであるのかなと、気になったがこれは聞かないでおいた。

受講生からの質問に答える姿勢は、結構手厳しく、受講生からは「さすが」とか「怖い」という声も上がっていたな。
いつまでもこの若さとやんちゃぶりを保っていて欲しいものだ。

この大隈塾についての詳細は以下のホームページをご覧ください。
http://www.w-ri.jp/education/okumajuku/index.html
ただし、この講義へ参加するにはスポンサー企業から派遣されるか、早稲田のビジネススクールの正規生になる必要がある。

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2008年4月17日 (木)

竹中氏の語るリーダー像

昨日より、ビジネススクール(夜間)でリーダーシップに関する新しい講義がスタートした。
早稲田大学OBでジャーナリストの田原総一朗氏と私のコラボレーションによる将来のリーダー育成講座である。通称は大隈塾「リーダーシップ講座」である。早稲田大学特命教授でもある田原氏がこれまで数年にわたって、日本橋でやってきた講座を正規科目に発展させたものである。

毎回、各界のリーダーをゲストに呼んで、前半の講演&質疑応答(90分)を田原総一朗さんが担当し、後半の受講生同士のディスカッション(90分)を内田が担当するという構成だ。

ゲストは田原総一朗さんのネットワークから選ばれているだけあって、経団連会長の御手洗さん、伊藤忠の丹羽会長、ソニー前会長の出井氏、ローソンの新浪社長など錚錚たるメンバーが並んでいる。

一回目のゲストスピーカーは小泉政権を支えたブレーンの一人で&郵政改革の実行役の竹中平蔵氏だった。
話の具体的な内容は紹介できないが、郵政民営化の内輪話や小泉前首相のリーダーシップの発揮の仕方、竹中さんの考えるリーダーの条件など様々な角度の話が飛び出し、受講生もみんな聞き入っていた。

竹中さんの考える小泉さんのすばらしいところはいろいろあるようだが、話の中で一番印象に残ったのが「ボーリングで言うところのセンターピンを見つけて、それを倒すやり方が秀逸だ」という話で、なるほどなと思った。

直後の質疑応答では、それだけすばらしい小泉さんがなぜ後継者選びには失敗したのかなどの手厳しい質問も飛んでいた。竹中さんがなんて答えていたかは内緒である。

実はこの講座は早稲田大学の中でも珍しい講座で、従来よりビジネススクールに通っている在校生(MBA生)とこの科目のみを履修する企業派遣生が同じ講義を受けるのである。
その構成はおおよそ半々であるが、どちらも30歳から40歳前後の企業経験が豊富なビジネスマンばかりであることから、活発な議論が展開されるのではないかと楽しみにしている。

1年間の長丁場であるので、彼らの進化?を時々報告していく。

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2008年4月 7日 (月)

ETPプログラム

EU(European Union:欧州連合)の欧州委員会と早稲田大学がジョイントで行っているプログラムにETPがある。ETPとは "The Executive Training Programme" の略で、日本市場で活躍するビジネスマンを養成するためのプログラムで、EUがスポンサーで日本でのプログラム運営を早稲田大学商学研究科が担っている。

講義科目には、ビジネススクール的な科目も多く、私もマーケティングの科目を2回担当している。その一回目が先週の金曜日に行われた。日本独特のプロモーションについて、事例を交えて語ったのであるが、学生の反応もよく、喜んでくれたのではないかと思う。

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そのときの講義風景である。

また、各科目とも企業の一線で活躍しているビジネスマンをゲストとして呼んでいるが、私が講義をした後のコマに登場したゲストが前ソニーCEOで現在ソニー生命の会長である安藤国威氏であった。
安藤さんとは久しぶりの再会だったので、講演を拝聴し、その後学生との懇親会にも一緒させていただいた。

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安藤さんの話に聞き入る受講生たち

安藤さんは、動の出井さん(前ソニー会長)に対して、静のイメージがあるが、実際は陽気でお話上手な動の経営者である。
当日の話のポイントは、ソニーというは創業当時から世の中にないものを作り出していくというDNAがあった会社だと言うことを、井深大氏(ソニーの創業者で、早稲田大学OB)がしたためた設立趣意書を紹介しながら語っていた。ソニーは日本の他のエレクトロニクス企業と違って、最初から社名に電気(電機)をつけなかった話なども興味深かった。

また以前のソニーはキーコンポーネントを自作することで、製品差別化を図れたのが、デジタル時代にはそれが難しくなった話とか、ソニーにはイノベーターズジレンマの事例がたくさんあると言う話をしていた。
具体的には、プレイステーション、トリニトロン、ウォークマンなどを紹介していた。

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講義終了後に、安藤さんを囲んで受講生と記念写真

イノベーターズジレンマについては、2007年9月7日付の「PS3とイノベーターズジレンマ」を参照してください。これ以外にもいくつかの記事がありますので、興味のある方は右の欄にある「サイト内検索」のボックス内に「イノベーターズジレンマ」と入れて検索するといくつか出てきます。

安藤さんの講演が終わった後は、大学そばのレストランで懇親会があったが、安藤さんが欧州からの参加者の質問にいつまでも熱心に楽しそうに答えているのが印象的だった。

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EUからの参加者と歓談する安藤さん

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左側の人物がこのETPプログラム全体を仕切っている、早稲田大学商学研究科准教授の池上重輔さん

ETPの詳細について、興味がある方は下記のサイトをご覧ください。
http://www.etp.org/

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2008年3月28日 (金)

25%ルール

1ヶ月ほど前の日経ビジネスの有訓無訓というコーナーに富士重工前社長の竹中さんがおもしろいことを書いていた。

経験や実績があるベテランほど、なかなか成功の記憶や過去の発想から抜けきれないと竹中氏は主張する。これ自体は別に目新しい話ではありませんが、それを防ぐための竹中氏の25%ルールというのがなかなかユニークである。
具体的には部署が移動したり、仕事が変わったときに過去の蓄積の25%を捨ててしまえという方法です。
竹中氏によれば、何かを捨てなければ新しいことを吸収できないそうである。
たとえば新しい車を開発するとき、10%捨ててもあまり大きな変化はない。そうした小さな変化では、お客が気づいても飛びつかない。それが25%の差があれば、顧客も飛びつくし、競合にもすぐ追いつかれないと言うことだそうです。

経営コンサルタントを20年以上やっていて、その蓄積を100%保持したまま、大学教員の仕事にチャレンジしている私には耳の痛い話です。
大学教員として新しいものを出して行くには、25%捨てる。うーん、「言うは易く行うは難し」だな。

竹中さんはお会いすると学者のような雰囲気を醸し出す方ですが、芯が強いというか実は激しい人なんだなと言うことがよく分かるコラムでした。
実際、トヨタ自動車との提携を決断したのも竹中氏です。

今日のブログは出張帰りの新幹線から、アップしました。

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2008年2月25日 (月)

サーバントリーダーシップ

先週の水曜日、早稲田大学の日本橋キャンパス(コレド日本橋内)で早稲田大学大隈塾ネクストリーダー・プログラムの2007年度11回目の講義が行われた。これは早稲田大学の特命教授である田原総一朗さんが中心になって過去数年にわたって開かれているもので、企業からの派遣生20数名を対象に1年間かけて将来のビジネスリーダーを養成しようというプログラムである。
毎回、各界のリーダーをゲストに招いて講演&質疑応答を行うのが1限目で、2限目はクラスディスカッションを行う。

今回のゲストは資生堂の前会長・社長の池田守男さんだった。池田氏は神学校の出身で資生堂という大企業のトップになったことで話題になった人だ。
彼の演題は「サーバントリーダーシップ」というユニークなもので、自分が資生堂のトップとして実践してきた「社員に奉仕する、あるいは組織を支える」スタイルのリーダーシップについて語っていただき、大変興味深かった。

池田氏の信条は"Service and Sacrifice"だそうで、日本語で言えば「忘己利他」と言うことになるそうだ。
池田氏に言わせれば、昨今の日本では、公の精神があまりになくなってしまって、個ばかりが目立つようになっているのが問題である。今後は個と公のバランスを追求していくことが大事と説く。同感である。

ところで、このネクストリーダープログラムは、少し形を変えて来年度(2008年度)からは早稲田大学ビジネススクール(夜間主)の正規科目「リーダーシップ論」となる。
田原総一朗氏と内田のコラボレーションでお届けするので、エキサイティングな科目になるのではないかと、今から楽しみにしている。

来年度のゲストスピーカーはまだ発表できないが、2007年度はソニー前会長の出井氏、伊藤忠の丹羽会長、星野リゾートの星野社長、前産業再生機構COOの富山氏、慶応大学の竹中平蔵教授、前三重県知事の北川氏など多士済々だった。さすが、田原総一朗氏である。

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2008年2月 1日 (金)

キョロキョロする好奇心

昨日、市ヶ谷の私学会館で日本マーケティング協会の新年賀詞交歓会があり、それに先だってマーケティング協会の新会長で花王の現会長でもある後藤卓也氏が「企業の成長を支えるマーケティング」と称して、講演を行った。
これまでこうした催しには参加したことはないのであるが、何しろ恩師の嶋口先生がマーケティング協会の理事長になったので、何はともあれ駆けつけなくてはと思って行ってきた。

花王の前会長の常盤氏とは一緒に本を書いたこともあるのでよく知っているのであるが、後藤氏については以前挨拶を交わした程度で人となりはあまり知らなかった。常盤さんは時々哲学っぽい話などが混じるが、話し好きで、愉快な人というイメージに対して、今日聞いた後藤さんの話は、彼の人柄を感じさせるまじめな花王らしい話だった。
何しろ、講演の締めの言葉が「凡を極めて、非凡に至る」だった。花王の企業文化そのものである。

その中で、あれこれって私に似ているなと思ったのが、「キョロキョロする好奇心」という言葉だった。彼は電車で通勤することが多いらしいのだが(これだけでも大企業のトップとしては珍しい)、その時に電車の中であれこれいろいろ見るのだという。たとえば電車の中吊りを見れば週刊誌の見出しから、世の中で何が今話題になっているかがおおよそ分かる。あるいは、みんながどんな格好をしているか、あるいは何をしているのかを観察するという。これをキョロキョロする好奇心と呼ぶそうである。
これは私が日頃やっていることとそっくりだ。ブログの読者は知っての通り、私の場合は観察に加えて、デジカメで写真を撮る。電車の広告だったり、駅のポスターだったり、人の流れだったりするわけである。

後藤氏の話に戻る。彼に言わせると電車の中で観察をしないで携帯をいじり、会社について始めて今日は消費者のことを調べるぞなんて言う社員には絶対消費者のことが分かるわけがないそうだ。花王の社員にもそう言っているとのことだ。全く同感である。
携帯やPCの画面をじーっと眺めていて、ビジネスや商品のアイデアが浮かぶほど世の中甘くはない。あるいは消費者に何が欲しいか聞いて、ダイレクトに商品化につながる答えが返ってくることもない。消費者の行動や言動を注意深く観察することで初めて、消費者自身も自覚していない潜在化ニーズを掘り起こすことが出来るのだ。

話は前回と前々回のプロフェッショナルの話に戻るが、こんなに反響があるのはテーマが良かったのか、イチローを取り上げたせいか、Jさんの投げかけが刺激的だったせいか、よく分かりませんが、いいディスカッションが続いていると思います。こういう時にブログをやっていた良かったなと思います。ただ読んでいてもらうだけでももちろんうれしいのですが、自分の意見が波紋を呼んで、議論が進化していくのが一番うれしいです。

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2008年1月25日 (金)

小泉政権の担い手たち

14日の成人の日に、中学高校の同窓会総会というのがあり、そこでパネルディスカッションの司会をやってきた。パネリストが3名いたが、一人は小泉政権時代の経済諮問会議メンバーで東大教授の吉川洋氏、同じく東大教授であるが当時は日銀の政策委員だった植田和男氏、加えて小泉首相の秘書官を5年以上もやっていた現経産省の情報政策局長の岡田秀一氏という豪華メンバーで小泉政権の評価と日本のリーダーについて語ってもらった。

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内容については、きわめてまじめな議論で、デフレ経済・ゼロ金利でどうやって金融政策を行うのかとか、なぜ不良債権処理を積極的に勧めたのか、あるいは下手をすると景気が冷え込む可能性のある財政改革にこだわった理由などの話が展開された。二人の専門家と一人の側近が、経済音痴の私にも内容が理解できる分かりやすい話し方で、会場の聴衆も大変喜んでいた。
一方で、小泉政権の中枢ないしは身近にいた3人の話だけに新聞やテレビからではうかがい知れない内輪の話も聞けて大変おもしろかった。

これだけならどうっていうことはないのであるが、実は3人とも私とは同窓だけでなく同期である。こんなすごい連中が高校の同期であることに誇りを感じた一日でもあった。

ちなみに私は高校時代はプラハラードのネクスト・マーケットすなわちBOP(Bottom of pyramid)で、彼らはTop of Pyramidであったことは伝えておいた方がよいかも知れない。(これはプラハラードが書いた本「ネクストマーケット」を読んだ方にはすぐ分かるジョークです。)

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2008年1月 8日 (火)

BEAMS遠藤恵司

年末に学部ゼミの企業訪問としてBEAMSのロジスティックスセンターを訪れた。地下鉄東陽町から徒歩10分のところにある巨大なセンターだ。40人近いゼミ生が参加した。
内容は前半が遠藤恵司副社長の講演、後半がロジスティックスセンターの見学だ。

副社長の遠藤氏が自ら語るBEAMSの話を聞く度にBEAMSという企業はファッションが好きで好きでたまらない人の集まりだなと感じる。
会社の方針、求める人材、ファッションビジネスのカギなど飽きの来ない内容で1時間熱弁をふるってくれて、学生たちも大満足である。

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その後は担当の方に案内してもらって、ロジスティクスの現場見学である。私自身は理屈よりも現場に興味があることもあり、今回のセンター訪問は勉強になった。
片方でコンピュータ制御による自動配送システムや店舗のPOSと連動した在庫管理システムが稼働し、一方で人間がミシンを踏むというローテクも存在する点に大変興味を覚えた。格好良い仕事の裏側で行われている地道な作業の重要性を再認識した。

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一方で学生たちにとってはロジスティックスのなんたるかを分かっていないこともあって、現場見学より遠藤さんの話の方が圧倒的におもしろかったらしい。彼にはやはり人を引きつけるものがあるようだ。

ちなみに遠藤氏とはJALの時一緒に働いて以来の友人で20数年のつきあいになる。彼は友人の設楽氏が経営するBEAMSが危機に瀕しているときに、意気に感じてJALを辞めて馳せ参じたという熱い男である。
ともに人生の半ばでJALをやめ、JALの将来をJALの社員並に心配しているという意味では同じ穴の狢かもしれない。
一方で、オーナーである設楽社長を助けるために、本来の自分の性格とは合わないかもしれない管理の仕事を役割と認識してきちんとこなしていることに、改めてたいした奴だと思ったりした。

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2007年12月21日 (金)

投資銀行宣言

昨日、みずほコーポレート銀行の齋藤宏頭取が早稲田大学に来て学部の学生向けに講演を行ってくれた。同僚の蛭田先生が担当している経営戦略の講義の一環として実施された。新装なった大隈小講堂でおよそ1時間の講演の後に、学生との質疑応答があり、その後私との対談に応じてくれた。

日本の経済や企業が向かうべき方向性についての講演だったが、学部生がどれだけ理解できたかは別として、私には示唆に富む話だった。

齋藤頭取とは結構前からのつきあいであるが、相変わらずフレンドリーにざっくばらんな対談をさせてもらった。また、学生が興味を持っていたみずほ銀行とみずほコーポレート銀行の違いや投資銀行宣言をしているみずほコーポレート銀行の求める人材像などについても話しをしてもらって学生も喜んでいた。しかし、銀行のことを十分知ってもらうには、残念ながら少し時間が足りなかったように思う。

齋藤氏はマーケットでは、楽天のTBS買収問題で仲介役を買って出るなど、辣腕ぶりが知られているが、終始にこやかに学生への質問や私の質問に答えてくれていた。

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2007年11月26日 (月)

大塚先生

今月の嶋口研究会のゲストスピーカーは青梅慶友病院の創業者で理事長の大塚宣夫先生だった。大塚先生は高齢化社会が叫ばれる遙か前の1985年に青梅に老人病院を開院し、これまで大成功を遂げてきたお医者さんです。
慶應ビジネスクールで嶋口先生(現
法政ビジネススクール教授)に教わったことのある人には、必ず一度はやったことのある青梅慶友病院のケースの主人公と言った方が早いかも知れない。

私も大塚先生ご自身の話を聞くのは、3度目くらいであるが、毎回とても深い学びがある
珠玉の講演である。

老人病院というと、暗くて話題にしたくないようだったものを、豊かな老後を過ごせるようにあるいは自分の親を安心して預けられる病院をというコンセプトの下に、病院を抜本的に考え直したという話は以前にも聞いていたが、改めて大塚先生の先見性に頭が下がる思いでした。

大塚先生は病院の役割を1)医療再考、2)生活再構築、3)質の豊かな生活、4)大往生の実現、5)社会への提言の5つと定めて、それに向かって様々な施策を実施している。
たとえば、2番目の生活再構築については、普通の老人病院では手間もかかるし、人手も足りないためにわざと寝たきりになっている患者が多いのを、極力自分でやるように仕向けるそうで、それにより人間が尊厳を取り戻していく話などがあった。
さらに3番目の質の豊かな生活については、食事・アルコールの持ち込みが自由と聞いたときには驚きを通り越して、ウーン、普通の病院って何なんだろうかと考え込んでしまった。

先生のところでは、究極のサービス業を目指すと言うことで「あなたのための一食」というオーダーメイド食事をプロのシェフが作るサービスをやっているそうだが、もう死期が近い人にそれをやってあげると大変喜んで、次は2週間後だよと言うと、とても持ちそうもない人まで2週間生き延びて食事を食べるそうである。いい話といえばいい話だし、人間の生命力ってすごいなと言ってしまえば、そうも言える話である。

また、今話題になっている介護の問題については、「やはり自分の親は自分で面倒を見なくては」という素人考えが患者、介護者の両方に悲劇をもたらすという話も大塚先生の口から聞くとそうだろうなと思ってしまった。先生に言わせれば、介護には「知識」、「技術」、「道具」、「仕組み」の4つが必要なのに、普通の人はどれ一つ備わっていないという。仰るとおりである。自分の浅はかな知恵を反省した。

大塚先生、これからも日本の高齢化社会を豊かにするために、よろしくお願いします。

 

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2007年11月21日 (水)

ドトールコーヒー 鳥羽博道氏

今週のカンブリア宮殿はおもしろかった。ドトールコーヒーの創業者で、現名誉会長の鳥羽博道氏(とりばと読む)がゲストである。

私自身ドトールコーヒーの愛用者であるが、それ以上にビジネススクールでスターバックスのケーススタディをやるときに必ず対比させるのがドトールである。そのドトールに対する理解がさらに深まったがうれしい。

価格を先に150円に決めてからドトールを始めたとか、今でも直火焙煎にこだわり備長炭を使っているとか、ジャーマンドッグをつくるために最適のソーセージを探して羊の腸にたどり着いたとかいろいろおいしい話が満載だった。ちなみに私もジャーマンドッグがおいしいと思っていたのだが、今回でなるほどねと思ってしまった。
しかし、実は一番おもしろかったのは司会の村上龍が、みんなが同じものを見てどうして鳥羽さんだけがそれに気がついたのですかという質問とその答えだった。

1971年に業界の人間30人くらいでヨーロッパ視察に出かけたときに、パリのカフェでおもしろい現象を発見したそうである。それは、店内にテーブル席があるのに、そちらはがらがらで、一方カウンターの横でコーヒーを立ち飲みしている人が山ほどいた。不思議に思って聞いてみると、テーブル席よりカウンター席のコーヒーの方が半値で済むそうである。朝の忙しい時間帯では、テーブルに座ってゆっくりコーヒーを飲むより、カウンターで飲んでそのまま会社に向かう方が効率的なことにも気がついたそうである。そうして、「これだ!日本でカウンター式でセルフサービスのコーヒーを毎日飲んでも懐に響かない価格で提供しよう」と思ったそうである。
そして、日本に戻ってからドトールコーヒーを始めて大成功したわけであるが、村上氏の質問に答えて「それは危機感のある人とない人の違いでしょう。関心があれば見えるものが、関心がないと見えていても気がつかないのでは。」と答えていた。素晴らしい。全く同感である。

なぜ鳥羽さんが危機感を持っていたかというと、彼は元々喫茶店にコーヒー豆を卸す商売をやっていた。そして喫茶店ブームとも相まって、コーヒー豆の価格が上がり、喫茶店のコーヒーの値段も上がっていった。同業者はこうした状況が当たり前と思ったり、特に危機感を抱かなかったのに対して、鳥羽氏はこれではいつか消費者が払える価格を超えてしまう。そんなビジネスは長続きしないと思ったそうである。

以前直にお会いしたときには十分話す時間もなかったこともあるが、こんなにすごい人とは全く気がつかずに、ごく普通の経営者に見てしまった。
「同じものを見ても意識している人には見えるが、ただ見ている人には気づかない」とは私のことだったんだ・・・。私の眼力のなさを痛感してしまった。

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2007年11月14日 (水)

日本ジェノス 上野善久

BCGの元コンサルタントの上野善久さんが代表取締役(COO)を務める会社が日本ジェノスだ。簡単に言えば、江戸時代から続く酒問屋2社が合併して出来た会社であるが、単に合併しただけでなく古い流通構造が今も残るお酒の流通を改革していくという志を持った会社だ。今まだ決して大きくはないが、これから注目してもらいたい会社の一つである。私も個人的に応援している。

上野さん自身は、大学を出た後三菱総合研究所に務め、英国に留学した後BCGに移ってきた。しかし、最終的には実家を次ぐために、BCGをずいぶん以前に辞めた。その後、いろいろ苦労しながら、あるいは楽しみながら、家業だった酒卸の業界に改革を起こそうという野心を抱き、同じ志を持つ老舗イセトーの代表取締役だった伊藤哲也氏(現ジェノスCEO)と組み、現ジェノスを創業して、現在に至っている。
そのあたりの詳細については、下記のサイトを見ていただくとよいかも知れません。
http://gakusei.enjapan.com/2008/top_view/2415/1

その上野さんから、彼の会社が今週金曜(10月16日)夜10時にMXテレビで放映される「FC東京ホットライン」という番組の中で紹介されるという連絡をもらった。
日本ジェノスはサッカーJ1のFC東京の経営にかかわっており、その関係でサッカー番組に出るそうである。わずか1分ほどということであるが、日本ジェノスの会社紹介が内容で、上野さん自身も出演するという。
サッカーに興味のない方も、BCGに関係ない方も、是非ごらんになって感想をお寄せください。実際に放映される時間は22時10分過ぎのようだ。
私も楽しみにしています。

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2007年7月20日 (金)

孤高のプロフェッショナル

早稲田のMBA、リーダーシップの講義の最終回に登場してもらったリーダーは三菱UFJ証券の取締役投資銀行本部長の中村昌義氏である。彼は元々三菱銀行を飛び出して、リーマン・ブラザーズやモルガンスタンレーでやり手のM&Aバンカーとして業界に名を馳せた、知る人ぞ知るM&Aの専門家である。
その彼が、どういう訳か昨年から古巣の三菱UFJ銀行グループに戻って、和製投資銀行のトップとして頑張っている。

その中村さんに日本のM&Aの現状と将来展望について語ってもらった。この話自体も、もちろんおもしろかったが、さらに興味深かったのが実際にM&Aに20年以上携わってきた経験から来る彼のプロフェッショナルとしての迫力と哲学の部分だった。

たとえば、「どんなM&AがよいM&Aで、どんなM&Aが悪いM&Aか?」という質問に「M&Aに良いも悪いもない、M&Aが成立したかしないかしかない。売る側には売る側の理屈があり、買う側には買う側の理屈・事情がある、それを第三者が良い悪いを言うのはおかしな話だ。M&Aが成功だったか、失敗だったかは歴史が証明してくれるだろう。」と答えていた。うーん、なるほど。しかし、普通ここまで言うか・・・。

また、日本の社会が持つ変革への抵抗、あるいは法律の規制などの苦労を身にしみて感じてきたものだけが持つ、独特の雰囲気を漂わせていた。
今後は伝統的日本企業でもこうしたタイプの経営者が増えてくるのだろうか。

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2007年7月17日 (火)

異色のJR役員

先週のリーダーはJR東日本の見並常務だった。現在は、鉄道事業本部の副本部長で営業担当という要職にあるが、元々はJALで営業や旅行代理店業を担当していたという一風変わった経歴の持ち主である。

JRに移ってからは、元々の特技を生かして旅行業の推進などを担当していたが、その後はビューカードなどのクレジットカード事業などを推進してきた。一時、ITないしはSuica事業なども担当していたと記憶している。

見並氏はJRというどちらという堅いイメージの企業では、かなり標準偏差の外に位置している方であろう。とにかく物言いがストレートで、歯に衣着せぬ言い方をする。財閥系企業やJRのような由緒のある企業ではユニークなタイプのリーダである。

しかし、今回早稲田にきてもらって、旅行需要の拡大策について彼がやってきたことや今後JRが目指していることが聞きながら、結構戦略的かつ地道にやっているなと改めて彼を見直した。

ということで、一見豪放磊落に見えながらも、実は結構戦略的にものを考え、かつ人を動かすコツをよく知っている繊細な一面もある見並さんだからこそ、JRの役員が務まるのだなと改めて感じた。

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2007年7月 9日 (月)

プロデューサーは経営者?

先週登場のリーダーはフジテレビの常務で映画事業局長の亀山千広氏である。氏は、経営者としてよりもテレビや映画の辣腕プロデューサーとしてよく知られている。テレビでは月曜9時に放映されることから月9と呼ばれた時間帯で「あすなろ白書」、「ロングバケーション」などの30%を超えるヒットを連発し、映画では踊る大捜査線をヒットさせたことで知られている。

プロデューサー論をお願いしたが、私の持論で経営者とプロデューサーには共通項が多いからである。
それは、組織の共通の目標を設定し、それを達成するために必要な経営資源、すなわち人・物・金を調達し、期日までに完成するようにプロジェクトをマネジしていく。ときには夢を語り、時には現実をふまえ、時には励まし、時には叱る、なだめる、謝る。権限があるようで、ない。メンバーに頑張ってもらわないと自分では何一つ生み出せない。といって、必要ないかと言えば、リーダーやプロデューサー無しには全く前に進まない。すごく似ていると思う。

彼の講演の中では、他人の言葉ながら「人の琴線に触れることは金銭になる*」というのが印象に残っている。というのも、彼はテレビドラマや映画を芸術作品ではなく、ビジネスとして捉えているからである。
ところで、脱線であるが、ビジネススクールのカリキュラムというのは、「人の琴線に触れると言うより理性に働きかけるので、お金にならない」というのがよく分かった。こんなことを書くと大学の方から、教育の理念が分かっていないとか怒られるのだろうな。

注*「人の琴線に触れることは金銭になる」という文章が私が使っている日本語変換ソフトATOKでは一発で変換できた。偉い!

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2007年6月29日 (金)

事業が化ける

今週登場してもらったリーダーはリプラスの創業社長の姜裕文(かんひろふみ)社長だ。創業わずか4年で売上100億円、経常利益25億円の会社を作り上げた。既に上場もしている。これがITとかモバイルならよくある話かもしれないが、不動産の家賃回収代行とういう地味なローテクのビジネスである。しかも本人はまだ36歳である。

彼の言葉の中で印象に残ったのは「事業が化ける」話と「ビジョンを見切る」という2つの話というより単語だった。

彼はBCGやドリームインキュベータ時代に数多くのコンサルティング経験を持っているわけであるが、その中で「これはうまくいく」とか「そこそこいく」とかいう事業はたくさん見てきたが、これは化けると思った事業は今やっている家賃回収代行事業が初めてだったという。彼が言う「化ける」というのは、これまでにない新しい事業であり、しかも100億円ー200億円の事業になるのではなく1000億円を超えるような規模になる事業という意味だと解釈した。そうした事業に巡り会えた自分は運が良かったと謙遜していたが、彼でなければ掘り当てられない事業だった思うし、組み立てることが出来なかったろうと思う。但し、いったんビジネスモデルが出来てしまった後は、他の人でも出来たかもしれない。

もう一つの「見切ったビジョン」というのも、化けるとやや似た話ではあるが、事業のビジネスモデル、市場環境、競争相手、競合優位性などを考察したときに、「これは行ける、しかも誰にも負けない」と見切ったそうである。本人も傲慢といえば傲慢かもしれないがと語っていたが、すごい読みと自信である。
ビジネスモデルの斬新さだけで世の中を変えてきた企業はそうは多くない。例えばフェデックスとかセコムなどがそれに当たる。リプラスも成功すれば、その範疇に入るのであろう。

恒例のQ&Aのところで、会社の規模が大きくなると創業者の想いをみんなで共有するのが難しくなるのではないかという質問に対して、「誤解を恐れずに言えば、想いなんか共有できててなくてもいい、戦略・ビジョンが共有出来ていればいい」と言い切ったところに彼のすごさを感じた。

彼のように頭も良くて、実行力もある若い経営者がこれからもどんどん出てくるのだろうなという予感がした講演でした。

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2007年6月27日 (水)

出井伸之の二面性

昨日、前ソニーCEOの出井伸之さんが作った新しい会社に遊びに行ってきた。クオンタムリープというユニークな名前の会社だ。クオンタムリープというのは量子力学で質量がエネルギーを得るとある段階で劇的に変化することを意味するらしいが、ここではたぶん飛躍的進歩ないしは飛躍的進化という意味で社名に使っているのだと思う。

久しぶりに会った出井さんは、相変わらず若々しくて、日本の現状の問題点、あるいは自分が目指すべきことをエネルギッシュに語ってくれた。元々文系なのに(こういう区分自体が古くさいが)、ITや技術のこととなると話が止まらないくらい饒舌になるのは相変わらずだ。

さて、出井さんの会社が何をやっているのかを一言で言うのは難しい。難しく言えば、日本に地殻変動を起こすような仕掛け・仕組み作りにチャレンジしている。そこに知恵・経験とエネルギーのかけ算、技術と経営の融合、日本とアジアの架け橋などの要素があるようだが、もし興味がある方は是非ホームページをご覧ください。
http://www.qxl.jp/

しかし、私が感じた出井さんの狙いは、彼が持っている二面性、既存社会すなわち保守本流の世界とのネットワークとこれから生まれてくる未知なるものへの好奇心、あるいは応援したいと思う気持ちをミックスさせようとしているように感じた。
もう少し具体的に言えば、『エスタブリッシュメントの経験・ブランド・資金』と『エネルギーとアイデア以外に経営資源のない若者』を出井さん自身あるいは彼の会社が触媒となって、融合させて何かを生み出したい。そして出来れば核爆発を起こして、日本あるいは世界を変えたいと考えているのではないだろうか?
出井さん、間違ってたらごめんなさい。

ベンチャー企業の経営者をサポートする仕組みとして、鯉のぼりの会などを組織化しているようなので、志のあるベンチャー企業の経営者は門を叩いてみたらどうだろうか?
内田のブログを見たと言えば、優遇されるか冷遇されるかは分かりませんが・・・。

ちなみに出井さんは早稲田大学の評議員会の議長だか委員長を務めており、大学にとっても大事な方だ。しかし、私の日々の活動と評議員会の関わりについては全く分からないというのが正直なところだ。関わりがあれば、いろいろなことを頼めるのに(・・・なんてことはつゆほども思っていません)。

功成り、名を遂げたので今さら汗水流して働かなくても、あるいはあえてリスクを取らなくてもと思うのだが、それが出井さんの生き様なんだろうかと感心した昨日でした。私も頑張らなくては・・・。

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2007年6月22日 (金)

low-key

以前にこのブログでも紹介した、前ダイエー社長で現在マイクロソフト(日本)のCOOである樋口泰行さんに早稲田大学に来てもらって、リーダー論を語ってもらった。

樋口さん本人は大阪大学→松下電器→ハーバードビジネススクールとエリートコースを歩んできたわけであるが、松下電器時代に溶接などの現場を経験し、実は現場が大好きで気取らないリーダーである。

ダイエーの社長時代の話が数多く出てきたが、その中では全店舗の店長に秘書を通さず、自分で直接電話したとか、閉鎖店舗が50店以上あったそうだが、全店に閉鎖直前に人を連れずに自分で乗り込んだとか、随所に彼が現場を大切にしていたことの証となる話があった。

実はこの話を聞いて思いだしたのが、CoCo壱番屋というカレーショップの創業者である宗次徳二さんの話である。彼は、自分のカレーチェーン店を日本全国、覆面で見て回って、実際に食べてみて、サービスを見て、必要に応じてフィードバックをしていたそうである。同業の経営者が毎日高級な食事をしているのに対して、自分はカレーを毎日食べ続けたという話を思い出した。そうすることで、チェーン店全体の味の質やサービスのレベルを維持してきたのだと思う。そうしたことに積み重ねが全国で1000店を越えるビジネスへとつながっているのに違いない。地味であるが、そう簡単にまねの出来ないことである。樋口さんの現場重視も、これに似たものがあると感じた。

これ以外に、記憶に残ったコメントが2つあった。
一つは「日本の課題は頭がいい人が現場でなく本社などの間接部門に行きすぎることだ」。ビジネススクールの学生に「現場を経験してこそ、人としての厚みが出てきて良いリーダーになれるから、現場に行きなさい」と勧めていた。
次に、彼はコンパックでの事業責任者、HPとダイエーでの社長を経験して、「直感的に、この人には下に2-3人しかつけられない、この人なら50人は大丈夫、この人は500人つけられると分かるようになった」と語る。すごいことだ。

決して人を威圧するタイプのカリスマではないが、じわりじわりと自分の考えを押し通せる強い信念を持ったリーダーである。英語で 言うと、"low-key" タイプのリーダーである。

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2007年6月18日 (月)

スノーピーカー

仕事で新潟に行ってきた。そこで素晴らしい経営者に出会った。新潟県三条市に本社を置くスノーピーク(SnowPeak)というテントやクッキングテーブルなどのアウトドア用品メーカーの山井太(とおる)社長だ。パネルディスカッションを一緒に行った。事前に会社案内をいただいたのであらかじめ目を通したのだが、会社案内だけでわくわくする感じ伝わってきた。そこでこれはもしかしたらと思い、実際お会いしたらすばらしい経営者だったというわけだ。

不勉強でスノーピークという会社のことを知らなかったのだが、アウトドア愛好家の間では熱烈なファンが多いことで知られているそうで、彼らは『スノーピーカー』と呼ばれるらしい。山井社長自ら、スノーピーカーは宗教だとよそで揶揄されると苦笑していた。それくらいの固定客がいると言うことは素晴らしいことだ。

パネルディスカッションのテーマはステークホルダーマネジメントだったが、山井氏は顧客を満足させることがスノーピークの優先順位ナンバーワンで、決して株主ではない。しかし良い製品を作って、顧客から支持されれば結果として利益につながり、株主を満足させることが出来ると言っていた。実際、極めて高い利益率らしい。

何が素晴らしいかと言えば、自分たちがユーザーとしてこんなものがあったらいいなというものを作っており、しかも品質のためにはコストにこだわらない。最高の材料を探してきて、それで安全で優れた製品を作るのだという。だから内の製品は高いと自信を持って自慢している。
当日もスノーピークの環境に対する取り組みについて聞かれたときに、さりげなく内は永久保証ですから商品がゴミになりません。それが環境対策ですと言い切ったところにすごさを感じた。
要するにポリシーがしっかりしている。それを山井さんは心意気と称していた。こうした考えはきっと社員にも徹底しているのだろう。

ミッションステートメントは一日に百万回繰り返すと言ったから、その言葉からも徹底度がわかる。

年間に自社製品のユーザー5000人に会うと言っていた。世界広しといえども社長でそこまでやっているのは自分くらいだろうと言っていたが、すごいことだ。それを通じて顧客の声をつかまえて次の商品開発に活かすそうだ。社長の義務としてやっているのか、楽しみでやっているのかと聞いたら、後者だと明快に答えてくれたのもうれしい。

東京に帰ってきてから、バイクに乗る娘に聞いたらスノーピークのことを良く知っていた。まさに知る人ぞ知るらしい。

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2007年6月15日 (金)

教育と訓練の違い

今週のリーダーはユニチャームの若き経営者高原豪久社長だ。本人は若いと言われることを嫌うと思うが、父上が創業し、女性用生理用品や子供用紙オムツで日本一にした会社を39歳の若さで引き継ぎ、さらに発展させている。現在45歳の働き盛りである。

ユニ・チャームという会社の名前は知っていても、実態を知らない人も多いのではないかと想像する。東証一部上場と言っても、売上で言えばたかだか3000億円程度の会社でたいした規模の会社ではない。ところが、この会社が日本市場では世界一のトイレタリーメーカーのP&Gや日本でも有数のマーケティングエクセレントカンパニーである花王を向こうに回して十分に戦うどころか、彼らをやっつけてしまっているというから驚きである。まさに小さな巨人である。
最近は日本だけでなく、アジアを中心にした世界戦略を推進しており、アジアの多くのマーケットで後発でありながら、リーダーのP&Gを逆転して、シェアNO.1を獲得している。

ユニチャームの特徴は一見地味で目立たないが、実は会社の戦略やビジョンが明確で軸がぶれないことに加えて、実行力があることすなわち足腰がしっかりしていることである。高原社長の話の端々に、なるほどそうなのかという、気づきがあった。

たとえば、スローガンを大事にしていると言っていた。そして、それを社員に分かりやすい形で示す。たとえばグローバル10という形で、世界シェア10%を目指そうとか、あるいはアジアで成功するためにはユニ・チャームの「勝ちパターン」を作ることが大事で、それが出来たら枠にはめていく作業に移るそうだ。
勝ちパターンの例をあげると、既にある程度立ち上がった市場を狙うとか、ローエンドではなく、プレミアムで勝負するとか。分かりやすい。
さらにプレミアムすなわちブランド力で勝負するに当たって、それを定量化するという。ブランド価値を定量化と聞くと、一瞬すごく難しいことをやっているのかと思ったら、利益が出ている商品はプレミアムで売れていると定義しているそうで、わかりやすい。

要するに大変プラクティカル(実践的)なのである。日本では低価格品として位置づけられる商品についているマミーポコという商品名をアジアではプレミアム商品用のブランドとして売る。なぜかと言えば、アジアでは「Mammy Poko」と言う音感が高級品の響きがするからと言い切る。別に日本のエコノミークラスの商品を高級品として売っているわけではなく、ブランド名を転用しているだけとのこと。ブランドコンサルティングの会社が聞いたら、統一性のなさに怒るだろうな。

あるいは、急成長している市場で大事なことはSCMすなわちロジスティクスをきちんとやることであると言われると、意表を突かれる。しかし正論である、実にしぶい。

最後に一番印象に残った言葉は「教育と訓練は違う」という言葉だ。知らないことを教えるのが教育、知っていることを体で覚えてもらうのが訓練。ユニチャームは訓練を重視している。すごくよく分かる。頭でっかちな社員を作るのではなく、頭に見合った足腰を持った社員を作る。トヨタを始めとして強い会社というのは、こういう足腰の強さを持っている。


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2007年6月 8日 (金)

MBOの本質

今週はコバレントマテリアルの香山晋社長に来てもらって、MBOについて話をしてもらった。コバレントマテリアルと聞いてもなじみのない人がほとんどだと思うが、この6月1日に東芝セラミックスから社名変更したばかりである。というのもMBOという手法を使って、東芝の子会社ではない独立した会社となったために社名に東芝の名前が残っているのがふさわしくないからである。1千億円の売上があり、かつ儲かっている会社を東芝が手放したというので話題になり、昨年10月に日経新聞の一面を飾る大きな記事が出たので、記憶に残っている人も多いと思う。

MBOとは、知っている人も多いと思うがManagment Buy Out の略で、経営陣による企業買収のことを指す。通常のM&Aが第三者による買収であることが多いのに対して、現経営陣が大株主から株を取得して独立することからmanagement buy out と呼ばれれている。

このMBOを決断し、実行したのが、元東芝の常務で2004年より東芝セラミックスの社長についていた香山氏である。

香山さんの言葉で印象的だったのは、大企業の子会社でいる限りあるいは上場企業である限り、いくら成長戦略を描いて見せても、それが投資を伴うものである限り、evidence(証拠)を見せろと迫られるが、それを見せて説得するのは至難の業であるという話だった。1位や2位の企業ならともかく、3位以下の企業が投資を伴う成長戦略を示しても信用してもらえない。そうなると、せっかくのチャンスをみすみす逃すことになる。しかし、投資しなければやがてジリ貧になり、座して死を待つことになる。なんとかして、その状況から脱して資金を確保するためには、投資をサポートしてくれる資本家を捜す必要があったがそれが今回出資してくれた2つのファンドだったそうである。一方で香山さんたち経営陣も、投資家に対して逃げ出さずに最後までやり抜くというコミットメントを見せなければ投資は約束してもらえないことになる。

一言で言えば、東芝の子会社である限り、成功を100%約束出来ない投資を親会社から引き出すことは難しかったし、上場企業であることも投資家に対してそれだけの投資を正当化することが難しかったという。
そのどちらの制約からも脱する唯一の解がMBO&非上場化だった言うのが香山さんの信念である。世の中にはいろいろなタイプのMBOがあり、その理由も様々であるが、これが真のMBOであるという彼の信念と将来へのこだわりが感じられた今回のレクチャーであった。

氏は大学時代サッカー部のフォワードでならしただけあって、攻撃型の経営を行って東芝セラミックス社の再建を果たし、同時に同社を東芝から離脱独立させることに成功したのかもしれない。
がんばれ、香山さん!

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2007年5月31日 (木)

日本一のチョコレート・ブランドはなぜ誕生したか?

今週のリーダーはネスレコンフェクショナリー株式会社社長の高岡浩三氏だ。ネスレコンフェクショナリーと聞いてもなじみがないかもしれないが、日本で一番売れているチョコレート「キットカット」の会社だと言えば、ぴんと来るかもしれない。

高岡氏は2001年にマーケティング本部長に就任して以来、キットカットの売上を伸ばし続けてついにNO.1ブランドまで持ってきたという実績を持つ。ちなみにNO.2はポッキーだそうだ。またチョコレートの商品数は1900アイテムもあるというから驚きではないか。この中にはいわゆるパティシエなどで作られている生チョコレートの類は入っていないとのことだ。チョコレートが大好きなので、少し脱線してしまいました。

しかも驚くべきことに、この間TV広告量を1/5まで減らした上で大幅な売上増を実現したそうである。TV広告をやらないとCVSの棚に並べてもらえないというのが最近のマーケティングの常識であることと、キットカットが主に売れるのがCVSをはじめとする、小規模小売店であることを考え併せれば、彼のやったことが当時はいかに非常識だったかがよく分かるのではないだろうか。

それでは、この成果をどうして実現したのかといえば、口コミ効果あるいはかっこよく言えばViral Marketingである。

2002年ころに、鹿児島のほうで1-2月になるとスーパーでキットカットがよく売れるのでPOPを作ってくれないかという依頼が九州の営業に入ったそうである。不思議に思ったので、なぜ売れるのかと聞いたところ、「きっと勝つ」に似た語感なので、受験のお守りに使われるという答えだったそうである。これを聞いた高岡氏は、ひらめくところがあり、全国の営業に問い合わせてみると同じような話が結構ある。そこで、これをマーケティングに使おうと決心した。そこでユニークだったのは、ネスレからは一切この情報を出さないと決めたことである。それはメーカーから発信した情報は消費者は信用しないという彼の信念から来ているようだ。そこで、人々の話題にあがるような仕掛け、イベント、ニュースへの情報提供など、これでもこれでもかというアイデアを次々に実現し、ここまで来たというからたいしたものだ。

質疑応答の最後に、結局企業は人と違うことをやり続けないと競争には勝てないですよねと語っていたのが印象に残ったお話でした。

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2007年5月22日 (火)

ストラディバリウス

昨日は、パソナ社長の南部靖之さんに招かれてストラディバリウスの・サミット・コンサートなるものに行ってきた。ストラディバリウスの楽器がどれくらい素晴らしいのかは、素人の私にはよく分からないが、12台の弦楽器が奏でる調べはとても優雅で、心和むひとときだった。
演奏会のプログラムが終了してから、3回もアンコール曲演奏があったのは、我々に対するサービス&感謝もあっただろうが、それ以上に演奏者たちがこの楽器を演奏することを心から楽しんでいるようで、これも印象に残った。
演奏会終了後に、たまたま出会った某経営者と一緒にピザをつまんだ店で、店長らしい人から聞いたのであるが、今回の楽器11台にかけられた保険金は90億円ということでさらにびっくりすることになった。ここで、たかが楽器に90億と言ってしまうと、音楽愛好家の方から総スカンを食うんでしょうね、私は。

ところで、私と南部さんの出会いは今からちょうど20年前の1987年にさかのぼる。ニューヨークから日本に戻ってくる飛行機の中でたまたま隣り私と同年配の若者が座っていた。その当時JALの機内では主に外人向けにはっぴを無料で配っていたのであるが、それを「これはなかなか良いですよ。あなたももらいなさい」と私の分までもらってくれたのが南部さんとの最初の出会いであった。初対面でいきなりそんなことを言う人は珍しいので、当然強烈な印象を持った。互いに自己紹介をすると、彼はパソナ(当時はテンポラリーセンターと呼んでいたのではないかと記憶する)の創業者だったわけである。もちろん、雑誌などで名前はよく知っていたが、実際に会うのは初めてであった。
私はまだ、駆け出しのコンサルタントであったがたまたま私の得意分野のコンピュータ、それも当時の日本ではまだ珍しかったマッキントッシュの話をしたので、彼の記憶に残っていたのかもしれない。後日手紙をいただき、そこからおつきあいが始まった。仕事の関係は全くなしの友人としての付き合いである。

南部氏を知っている人はみんな同じ印象を持つのではないかと思うが、彼はやんちゃないたずらっ子がそのまま大人になってしまったような人物で誰からも好かれている。これであれだけの企業のトップがつとまるのかと心配することもあるが、そう思わせて周りの人が協力せざるを得ないように持って行くのが彼の天性なのかもしれない。何となく、漢王朝の創始者の劉邦を思わせる性格といったらほめ過ぎであろうか。
一見、天衣無縫でいい加減な性格に見えるが、実は細やかな気配りの持ち主で、私もいろいろなところでお世話になっている。歯医者さんも紹介してもらった。
まだまだ若いので、これからもますます新しい事業に挑戦して、後に続く若者に夢を与え続けて欲しい存在である。

南部さん、昨日はどうもありがとうございました。

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2007年5月17日 (木)

リクルート社を再び成長軌道に乗せた男

今週のリーダー登場は、リクルートの柏木社長でした。

4年前に社長に就任したときは、それまで2期連続で減収減益だったそうだ。その時点で、手堅く既存のビジネスモデルをキープしながら減収増益を狙うのか、新しい事業や市場にも進出して成長を目指すのかという2つの選択肢があったときに、リスクがあるのは分かっていたが、社員のモチベーションのためにも後者の選択肢を選んだという話が、まず印象に残った。

経営トップの役割をいくつか述べていたが、その中でやめる決断、組み替える決断はトップでないとやりにくいという話が特に記憶に残った。事業を推進している人間はどうしても「後少しやらせてください、そうすれば・・・」ということになるので、やめる決断こそトップがすべきという話で、安比高原のリゾート事業からの撤退、リクルートコスモスの売却などをその例に挙げていた。さらに求人誌や住宅情報誌の無料化というのも、最後はトップでないと決断できないと言っていたのも、すごくよく分かる。というのも、リクルートの屋台骨を支えてきたであろう週刊住宅情報やFromAのような雑誌を無料化するのは大きなリスクを伴うものだったに違いない。

社長就任後4年経ち、会社の業績もきわめて順調に推移しているようで、当初の成長路線選択が正しかったのであろうことが良く理解できた。そのために経営にも将来の見通しにも自信を持った話しぶりだった。そうかと言って傲慢な印象は全くなく、受講生からの細かい質問にも丁寧にかつ真摯に答えていた。

その他にも、カンパニー制を徹底することで遠心力を働かせて社員のやる気を出す経営を心がけている中で、社員のやる気を損ねることなく本社がどのような役割を果たすべきかなどの話題にも触れていた。そうした話題を通じて、社員や人を大事にしている様子が伝わってくるプレゼンテーションならびに質疑応答でした。まだ49歳と若い経営者なので、さらなる飛躍を楽しみにしている。

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2007年4月26日 (木)

BCG日本代表

早稲田ビジネススクールの「戦略とリーダーシップ」の昨日のゲストはボストン・コンサルティング・グループ日本代表の御立尚資(みたちたかし)氏でした。ちなみに彼はテレビ東京のワールドビジネスサテライト(なぜか略すと早稲田ビジネススクールと同じWBSになる)のコメンテーターとしても有名である。

Mitachi

盛りだくさんの内容でしたが、南極点到達一番乗りのアムンゼンと、二番手に終わった上に帰路に遭難死したスコットの比較がおもしろかった。御立氏によれば両者の成否を分けたのは戦略でも装備でもなく、意思の差が大きかったという。彼によればリーダーに必要な条件は3つあり、①Tenacity(しつこさ)、②Holistic View(全体観)、③Optimism(楽観)とのことだ。アムンゼンは犬ぞりに徹底的にこだわったのに対し、スコットは犬ぞりだけでなく、馬のそりや雪上車まで用意したという。ところがそれらが3つとも機能せず、最後は人が引く羽目になったという。さらに楽観・悲観については、スコットが南極点について「ここは本当に恐ろしいところだ」と書き記したのに対し、アムンゼンは南極点を目指す当日に「さあそろそろ行こうか」と行った明るいのりで出発したという。

講演の最後に出た質問がおもしろかった。日本の経営者はどうも引き際が悪いのではないか、それもリーダーシップの大事な条件にあげて欲しいという質問だったが、御立さんの答えが振るっていた。日本人の経営者の何十倍もの報酬をもらって、後顧の憂いのないはずのアメリカの経営者も往生際の悪さでは負けていない。日本の経営者が今の何倍かの報酬をもらうようになったら、アメリカの経営者よりよほどきれいにやめるのではないかという意見で、教室の笑いを誘っていた。

聴講していた先生のコメントによれば、非常に親しみを感じる兄貴分のようなリーダーだったと言うことだ。

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2007年4月19日 (木)

7人の侍

早稲田ビジネスクール「戦略とリーダーシップ」論に登場の今週のリーダーはNTTドコモの常務取締役辻村清行さんだった。

辻村さんは現在プロダクト&サービス本部の本部長をしており、ドコモのi-mode、音楽配信などのサービス並びに新しい携帯電話の開発・マーケティングなどを担当している部門の責任者だ。

講演の内容は、ドコモがこれまでやってきたことの足跡をたどると同時に今後のモバイルが目指していく世界について、単なる一企業の枠を超えて、世の中を変えていくのだという強い自負と共に話してもらった。
ドコモが携帯電話でナンバーワンになれたのは運が良かったという世間の見方があるが、実はそうではなくて彼らが携帯の市場を創り出し、ユーザーに新しい使い方を提案し実現していったイノベータでありパイオニアであったということがよく分かるプレゼンテーションだった。
辻村さんは実はドコモ創業時からのメンバーで、当初の社員(と言ってもNTTの一部門だったが)は7人しかいなかったそうである。と言うわけで私は勝手に7人の侍と呼んでいる。
講演が終わった後の質疑応答もたくさん出たのであるが、最後の質問が大変印象に残った。それは、創業当時の熱い思いをどうやって現在の大勢の社員に伝承するのかという質問だった。辻村さんもそれが今の課題であり、何とかしたいと思っているのでコミュニケーションに努めていると答えていた。しかしそれだけで解決するのは少し難しいのではないかとも感じた。と言うのも多くのベンチャー企業で似たような悩みを抱えており、なかなか有効な解決策が見つかっていないからである。豊かな家に生まれた子供に親が貧乏だったときのことを思い出させるような難しさがあるためだ。同じような悩みを持ちながら、昔のカルチャーをそれなり維持しているホンダとDNAの継承に苦しんでいるソニーの両方がある。ドコモはどちらになるのであろう。私としては是非成功してもらいたいと思っている企業であり友人である。

先日も別のところで触れたが、辻村さんはドコモの取締役で本部長という要職にありながら、東工大で先日博士号(PhD)を取ったばかりという勉強家でもある。

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2007年4月12日 (木)

経営者中田宏

今週から早稲田大学の春学期の講義がスタートした。夜間のビジネススクール(プロフェッショナルコース:MBA)では「リーダーシップ」の科目を担当している。企業経営者に来てもらってリーダーシップについて語ってもらってディスカッションをするという講義である。社会人学生にはもちろん学問・知識も大事であるが、最先端で活躍する生身の経営者の話を聞くこともまた刺激になると思って始めた講義である。そのトップバッターに私の尊敬する経営者の中田宏横浜市長に来てもらって、社会人学生80名あまりに講義をしてもらった。
なぜ政治家と書かずに経営者と書いたかと言えば、彼は経営破綻していた大企業横浜市のトップに就任して、その再建に日々奮闘しているからである。彼の経営哲学(もちろん正しくは政治哲学)を聞いていると、下手な経営者よりよほど経営者らしい。

中田宏さんは政治家としてももちろん優秀であるが、個人的には政治家にしておくのがもったいない、経営者にしたら相当な企業の経営者になれるだろうなと思う。もちろん、国家的には一企業の経営者というよりは、地域や国のトップとして活躍してもらった方が意味があるのだろうが、ほんとに政治家にしておくのがもったいない男である。

いつもながらの迫力ある話に、学生もシーンとして聞き耳を立てていた。
聴講していた日産に勤めている学生がカルロス・ゴーンのやり方とそっくりであると感心していた。

中田さん、どうもありがとうございました。

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2007年4月 8日 (日)

たった三行で会社は変わる

JAL時代の私の同僚が私と同じ頃会社を辞めて、奥さんのお父さんの会社を継いだ。そのことは記憶していたのだが、その後20年どうなったか知らずにいたが最近久しぶりの再会を果たした。東証一部上場企業で12期連続で増配しているサトーという会社の会長兼CEOの藤田東久夫(とくお)さんである。彼は上場企業のトップを務めながら早稲田ビジネススクールで昨年博士号を取ったそうで、それだけでもすごいことである。NTTドコモの辻村常務も東工大からこの3月に博士号を取得したというから、忙しくて勉強できないというのは言い訳にならないのかもしれない。
さて、今日はその藤田氏の話である。彼は自分の経営者としての経験と早稲田大学のビジネススクールでの研究の成果を元にして「たった三行で会社は変わる」というタイトルの本を今年初めにダイヤモンド社から出版した。

Tatta3gyou
その中にいくつかユニークなフレーズがあるので紹介しよう。p45に次のような文章がある、少し長いが引用する。『例えば何か社内に周知徹底しなくてはならないことがあるとする。中間経営層やサラリーマン経営者は、周知すべき対象者全員にそのことを伝える。むろん隈なく、そして詳しく伝えるだろう。だがその後は同じ話をくり返さない。なぜなら、「一度言えば分かる。分からなければ分からない奴が悪い、自分は周知徹底の仕事を遂行した」と考えるからである。「あ、また言っている」と思われるのを恥ずかしいとさえ思っている。企業家は違う。同じことを何度でもくり返す。一度言ったくらいで分かるはずがない。末端まで伝わったかどうか証拠が上がってくるまで執効にくり返す。相手が理解し、周知徹底がなされたかどうかが問題なのであって、自分が言ったかどうかは問題ではないからである。自分を賭けているのではなく、会社を賭けているからなのだ。』名文である。

BCGでも会社の中で何かを伝えようと思ったら、その対象となる人数の平方根(ルート)の数だけ、同じ話を繰り返さないと伝わらないという経験則をよく取り上げている。たとえば、10人の部下に自分の意図を浸透させようと思ったら、√10すなわち、3回はコミュニケーションを繰り返さないといけない。これがもし100人の組織習う√100=10になるので、10回コミュニケーションをすべきということになる。この場合はもちろん毎回全員に同じ話をするというわけではなく、100人の人に新しいことを浸透させようと思ったら、いろいろな機会を捕まえて、10回は同じ話をいろいろな人にことあるごとに伝える必要あるということになる。いずれにしても、経営者に必要なスキルの一つがしつこさであることは間違いないだろう。

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2007年3月21日 (水)

佐治信忠さん

私が非常勤で監査役をやっている会社サントリーのリーダーが佐治信忠さんである。
彼は非常に豪快で、本人が明るいだけでなく、周りを明るくする資質を持っている。結果として、サントリーという会社は活気にあふれて、みんなが前向きな会社である。ややポジティブシンキング過ぎるところが気になると言えば、気になるが・・・。
佐治さんの素晴らしいところは、一見豪放磊落で物事をあまり考えていないように見えるが、実は物事を深く考えていることにある。また、一本筋が通っていて、経営の軸がぶれていない。

ずいぶん前に「経営者は自分が分からない事業は経営すべきでない」と申し上げたことがあるが、すぐ分かってくれた数少ない経営者である。
経営者の中には、自分は○○部門出身なので、研究開発のことはよく分からないとか、為替がこんな風になることは予測できなかったとか、言い訳する人が結構多い。たとえば半導体の好不況で大きく会社の業績がぶれたときに、ここまで半導体の価格が下落するとは思わなかったとか、技術の世代交代が進むと思わなかったとか、環境のせいにする経営者がいたがそれは経営者失格だと思う。経営者である以上、自分の会社の業績にはすべて責任を持つべきである。といっても、マスコミが言う責任を取ること=辞職というのも全く見当違いの批判でそんなことを言っているからいつまでも日本の経営者は思いきったことが出来ないのである。すいません、佐治さんの話から少し脱線してしまいました。

ところで、今週発売の日経ビジネスはサントリー特集です。その中の編集長インタビューにも佐治社長の特徴がよく現れてる。
たとえば、サントリーが非上場なことについて、編集長が株式市場の声を聞き、株主の声に耳を傾けるのがよい経営という考えもあるが、という質問をしている。
そこでの佐治さんの答えがふるっている。『市場の声を聞けばうまくいくというのなら、誰にでも出来る。(省略)・・・経営者にとって一番大事なのは勘ですよ、勘。この勘が働くかどうか。』
やっぱり勘って大事なんですね。【経営は勘(2月17日、28日)の項を参照】

また、コンプライアンスについても、こう答えている。
『人間がやるんだから、間違いは起こり得る。起こったときにいかに早く正しく対処できるかが大事だと言っているんですよ。』
私も全く同感である。コンプライアンス室を作ったり、ルールやマニュアルを整備することがコンプライアンス対策だと思っている企業が多い。しかし、私は人間である以上必ず間違いは起こる、それをゼロにすることは不可能であり、問題はそれが起きたとき企業としてどう対処するかという判断を社員一人一人が出来る仕組みを作ることが本質だと思っている。

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2007年3月18日 (日)

私の恩師

昨日、都内某所で私のビジネススクールの恩師で、人生の師である慶應義塾大学嶋口充輝先生の教授退任記念&名誉教授就任のお祝いの会がありました。

Shimaguchi01_3 嶋口先生と奥様・ご子息です

嶋口充輝先生は慶應義塾大学経営管理研究科(通称:慶應ビジネススクール)の教授を長いこと務められて、このたび慶應大学を定年で退官されて法政大学のビジネススクーに教授として移られることになりました。そのお祝いの会だったのです。

嶋口先生は日本を代表するマーケティングの大家で、昨日のパーティーにも神戸大学の石井教授や早稲田大学の恩蔵教授を始めとする大勢の学者の方もいらっしゃっていました。
教え子と先生の学者仲間にのみ声をおかけした内輪の会でしたが、200名に及ぶ参加者が集う盛大な会になりました。またパーティーの雰囲気も嶋口先生の人柄を反映して和気藹々とした会でした。

Shimaguchi02_1 不肖の弟子の私も幹事代表として挨拶をしました。

私にとっての嶋口先生は単なる学校の恩師を超えた存在です。個人的に私淑していると言っても過言ではないくらい、尊敬していますし、いつも教えを乞うています。
一つには学問的に学ぶことが多いからですが、もう一つには彼の素晴らしい人柄です。とても仕事が出来る人なのに全く偉ぶりません。いつも腰を低くされ、かつ怒ったことを見たことがないくらい温厚でかつ沈着冷静です。

ビジネススクールを卒業以来、学問的にも人間的にも先生を見習ってきましたが、まだまだ足元にも及びません。結局追いつくことはないような気がしますが、私にとって嶋口先生という Role Model が身近にあったのは大変な幸運でした。

嶋口先生、これからもお元気で、また引き続きご指導よろしくお願いいたします。

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2007年2月 8日 (木)

樋口泰行さん

私の大好きな経営者に、前ダイエー社長の樋口泰行さんがいる。
彼の魅力を一言で言えば、現場の気持ちが分かる男である。彼は自分が経営する会社では、現場に入り込んで、現場の従業員の気持ちを理解しようとする。現場を重視するが故に、ゆっくりした意思決定に見えることもあるが、それが彼のスタイルであり、やがてきちんと結果を出す経営者である。
かつて勤めていたコンパックでもそうやって、PC事業を成功させていた。だからこそ、被買収会社の幹部というハンディがありながらも買収会社日本HPの社長になることが出来たのだと思う。この間まで社長をやっていたダイエーでも、そうやって中堅幹部の気持ちをつかんでいたようだ。

樋口さんとのつきあいは10数年に及ぶが、彼がまだ若い頃、何人かで一緒に飲みに行ったことがある。そのとき、初めての街で誰もどの飲み屋さんが安心して飲める店か分からず、困ってしまったことがあった。そのときである、樋口さんがとある店にすーっと入って行き、ニコニコこして店から戻ってきた。そして、「経営者と交渉して、一人1万円ぽっきりでお願いしましたから大丈夫です」と、真顔で言うのでみんなでその店に入り、楽しいひとときを過ごしたことがあった。
それ以来、私はすっかり樋口ファンになりました。ちなみに彼は私がこの話をするのをいやがります。こんなところに書いてしまってごめんなさい。
もちろん、これが理由で樋口さんを買っているわけではなく、経営者としての樋口さんを買っているので誤解のないようにお願いします。

現在は次の仕事を目指して浪人中であるが、きっとまたどこかの経営者になって成功するだろうと思っています。

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2007年1月29日 (月)

花田 敬さんへのエール

イーエフピー(eFP)という会社の社長をやっている花田敬さんは10年近く経つ知り合いですが、私の著作「仮説思考」やブログをいろいろなところに紹介してくれています。また、このブログに一番たくさんコメントを書き込んでもらってます。どうもありがとうございます。
ごく簡単に紹介すると、日本の保険業界を変えるのだという意気込みで、自ら会社を作ってもう10年くらいになるのではないかと思います。とても活動的でそこかしこに出没し、日本中に熱烈なファンがいるようです。

営業に関しては、自分の保険会社の営業マン時代の経験もふまえて一家言ある方です。
そうした自分の意見から日常的なことまで含めて、自ら社長ブログというのを公開していますので是非覗いてみてください。
http://blog.goo.ne.jp/e-fp/

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