2015年1月12日 (月)

ゲームチェンジャーの競争戦略発売

久しぶりの新刊が発売されます。
日本経済新聞出版社からでる「ゲームチェンジャーの競争戦略」という単行本で1月23日頃から書店に並ぶ予定です。


http://ecx.images-amazon.com/images/I/41HlNA7R9fL._AA160_.jpg

既にアマゾンでは予約が始まっていますので、申し込んでいただけるとうれしいです。

アマゾンへのリンクを張っておきます。
ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ―ルール、相手、土俵を変える

 

今回は、早稲田大学ビジネススクール(WBS)の内田ゼミ卒業生との共著です。
10名のOB・OGが執筆に参加してくれています。全体の三分の一を私が書いて、三分の二をゼミ生が書いてくれています。

テーマは5年ほど前に出した「異業種競争戦略」の続編とも言える内容ですが、ますます激化する新しいタイプの競争を取り上げ、それらを4つのタイプに分類した上で、その特徴や戦い方を描いています。
その4つとは
A プロセス改革
B 市場創造
C 秩序破壊
D ビジネス創造
です。

また、新しい敵の分析だけでなく、既存企業がどのように防衛したら良いかについても1章を割いて考察しています。
ちなみにこの章の内容を中心に行う講演が、今月23日に慶應丸の内キャンパスで実施する夕学五十講の講演

「既存事業の防衛戦略―新たな挑戦者にどう対応すべきか―」

の中身です。
こちらの講演については下記のURLを参照してください。
https://www.sekigaku.net/Sekigaku/Default/Schedule/LectureList.aspx

話が脱線しましたが、是非皆さんに私の新刊を読んでいただきたくお願いすると同時に、感想を寄せていただければ幸いです。

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2011年5月31日 (火)

業界地図が塗り変わる旅行業界

5月30日付けでダイヤモンドオンライン「日本を元気にする新経営学教室」第5回目の原稿として、
気がついたら競争ルールが変わっていた
-なぜ旅行業界で新興勢力が台頭したのか-
というテーマで新しい記事を寄稿しました。

最近2010年度の旅行代理店の取扱高が発表されたのですが、ちょっとして異変が起こりました。
1位 JTB
2位 近畿日本ツーリスト
3位 日本旅行
4位 阪急交通社
ここまでは皆さんの想像の範囲だと思います。
そして、5位がHISで、6位が楽天トラベルです。これもそんなものだろうなという感じでしょうか?

これだけだとたいしたニュースではないのですが、取扱高を国内と海外に分けると異変がクリアになります。国内の取扱高ではJTBの次に楽天トラベルが2位になったのです。一方で、海外については既にHISが2位につけています。
ということで、1位のJTBは不動の地位(といっても今のところですが)ですが、2位にそれぞれ新興旅行代理店が入りました。

今までの総合旅行代理店という業種が危機に瀕しているのです。

それがなぜで、どういうインパクトをもたらしたかは
是非以下の記事をクリックして本文をお読みください。
Daimondonlineimage

 

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2011年1月12日 (水)

異業種競争戦略 in 台湾

暮れのブログで私の著書「異業種競争戦略」と「論点思考」が韓国語訳になって出版された話を紹介したが、今度は「異業種競争戦略」の中国語訳が完成した。ただし、中国語訳といっても繁体字とよばれる台湾語である。

こちらも2006年に発売した「仮説思考」が4年たってようやく2010年7月に発売になったのに比べれば、わずか1年で訳書が出たと言うことはかなりのスピードである。これも素直にうれしい。

Taiwan

左側が2010年7月発売の「仮説思考」、右側が2010年12月27日発売の「異業種競争戦略」である。韓国のハングル文字に比べると遙かにわかりやすい(といっても意味が分かるわけではなく、どちらの本かがすぐ分かるだけであるが)。

Taiwan001
ちなみにこれはカメラ業界を例に事業連鎖を描き、そこでは置き換えや省略が起きていると言うことを説明したページですが、結構読める漢字が多いです。

後は韓国でも台湾でもどれだけ売れるかであるが、こればかりは皆目見当もつかない。じわじわでも良いから、少しでも多くのビジネスマンに読んで欲しいものだ。

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2010年12月17日 (金)

韓国語版

私の著書「異業種競争戦略」と「論点思考」が同時に韓国語版として発売になりました。特に論点思考は今年出した本ですから、その早さにびっくりです。

Korean

どちらが異業種競争戦略でどちらが論点思考か分かりますか?
私はハングルが全く読めないので、最初は全く分かりませんでした。開いてみると図表があるので、答えが分かりました。

左が「論点思考」で右が「異業種競争戦略」です。どちらも売れて欲しいですが、果たして韓国の方にはどちらが受けるのでしょうか?
何となく異業種の方な気がしますが、こればかりは実際の売れ行きを見ないと分かりません。といっても海外の出版社が売れ行きを教えてくれることはまれなので、結局分からないのかも知れません。

ちなみに韓国語になったのは仮説思考に次いで2冊目と3冊目です。
いずれにしても私が書いた本が次々といろいろな国の言葉に訳されて、海外の人にも呼んでもらえるということはうれしい限りです。著者冥利に尽きます。

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2010年5月24日 (月)

プロほどあきらめが早い

今日のカンブリア宮殿のゲストはアビーという中小企業のトップ大和田氏。この会社は年商は小さいが、細胞を生きたまま凍結できるという画期的な技術を持っている。セル・アライブ・システム、通称CAS(キャス)と呼ばれるそうだ。肉や魚を冷凍しても、水分が凍るときに細胞を破壊してしまう現象を防ぐことが出来、かつ解凍時にドリップが出ないという。

どうしてこうしたことが可能になるかと言えば、水分の持つ過冷却の性質を使うそうであるが、その説明は長くなるので省く。しかし、おもしろいのはその過冷却を実現するために弱い磁気を使って水の分子を振動させ続けて過冷却を実現するという点だ。
そして、こうした新しい発想を導き出すためには素人の発想が大事なのではないかと言っている点が、今晩の最大の収穫だった。

大和田氏曰く、
開発は技術的裏付けを持たない素人の方が、自由な発想や視野で開発できるので斬新な発明につながるのではないか。
プロほどあきらめが早い、素人は何とかやってみようと最後まで努力する。

この二つの発言は、技術開発だけでなく、ビジネス全般にも通用する大事なことだと思う。とりわけ、まったく新しいタイプの競争が起きる時代には、不可欠な要素だと思う。

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2010年3月31日 (水)

異業種格闘技on日経ビジネス特別編集版

今週の日経ビジネスに同梱されて一部の読者に届けられた日経ビジネス特別編集版というのがある。
そちらで私の異業種競争戦略を取り上げてもらっている。総ページが8ページにも及ぶ取り上げ方である。Nb20100329001 Nb20100329002 Nb20100329003
非売品なようで、どこで手に入れられるのかは分からないが、こうした私のコンセプトを大々的に取り扱ってくれるのはとてもありがたい。

「論点思考」が思考法やものの考え方なのに対して、こちらの「異業種競争戦略」は自分の専門分野である戦略に関するものなので、私としてはより力が入っている本であり、コンセプトである。

この特集では事例を最小限に抑えることで、私が本で言いたかったことを非常にコンパクトにまとめてくれている。
この特集と昨年末の日経経済教室があれば、あなたも異業種競争戦略を語る語り部になれるでしょう。

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2010年3月 6日 (土)

夕学五十講

今日は公開セミナーの宣伝です。
昨年11月に日本経済新聞出版社から出版した「異業種競争戦略」もおかげさまで、5刷りを重ねるまでになりました。

そんな折、慶應義塾の関連組織である慶應学術事業会から頼まれて、新年度早々の4月12日(月)夜に慶應丸の内キャンパスで異業種競争戦略に関する講演会をやることになりました。

講演タイトルは「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争-昨日の友は今日の敵-~」です。興味がある方は是非ご参加ください。

夕学五十講の詳細については下記のサイトをご覧ください。
http://www.sekigaku.net/

論点思考についても、近いうちにセミナーがある予定です。こちらも別途お知らせします。

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2009年12月22日 (火)

君はコロプラを知っているか

先日、日経ビジネスの取材を受けた中で、異業種競争戦略について話した内容が、日経ビジネスオンラインで取り上げられたので紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091217/211712/?P=1

しかし、今日言いたいことはこのことではなく、この記事の中で筆者の井上さんが語っている新しい広告の在り方、あるいは販売促進の在り方の話だ。
この件については私も日頃から言っているので、ごく簡単に紹介しておくと、Googleの台頭でインターネット広告がテレビ広告や新聞広告を奪ったという説があるがそうではない。Googleが生み出した広告需要は、これまで情報弱者であるが故に、マス広告など打てなかった中小企業や零細企業がGoogleの広告需要をもたらしているという考えだ。
それを実際に物語る事例として、井上さんが紹介している事例がきわめて興味深かった。それは「コロプラ」だ。携帯電話を使った位置情報ゲームというものだそうだが、仮想空間とリアルの店舗がうまく結びついて、リアルの旅行や商品の購買につながっているという話だ。

簡単に言えば、そのゲームさえやらなければ、旅行などしなかった人が旅行したり、今まであまり人が行かなかった場所に人が訪れるという、リアルの需要がバーチャルから生まれているという話です。
詳しく知りたい方は、上記のサイトを読み進めていただくと、なるほどと思うのではないか。

ウーン、知らないところで、世の中は進んでいるな。

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2009年12月18日 (金)

うれしいニュース

先日発売した[異業種競争戦略]ですが、著名なブックレビューのブログで推薦してもらったと言うことで、アマゾンの売り上げ急上昇中です。
先ほど見たときは、なんと総合ランキングで15位、ビジネス書(ビジネス・経済・キャリア)では4位にランクインしていました。

土井さんという方がやっている「ビジネスブックマラソン」というメルマガですが、こんなに影響力があるとは知りませんでした。クリス・アンダーソンの最近のベストセラー「フリー」と並んで、読むべきビジネスモデルの3部作の1冊として推薦いただきました。土井さん、紹介していただいて、どうもありがとうございます。

また、この情報を教えてくれた、植野さん、どうもありがとう。

最近ブログの更新が滞っているのは、次の本の原稿ではなく、ビジネススクールの修士論文の指導に明け暮れているためです。いや、12名もゼミ生がいると本当に大変です…(涙)。
ちなみに年内に出すと宣言していたもう一冊の本「論点思考」は少し遅れて、何とか1月には出版できそうです。

ブログで紹介してもらった内容を土井さんの許可を得て一部転載します。
ご興味があれば、ご覧ください。

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ビジネスブックマラソン Vol.1977
    『異業種競争戦略』

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■〔1〕本日の一冊

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『異業種競争戦略』日本経済新聞出版社 内田和成・著

こんにちは、土井英司です。

『フリー』、『新・プラットフォーム思考』と来たら、次に読むべ
き一冊は、間違いなくこれ。

「ビジネスモデル構築3点セット」の最後を飾るのは、早稲田大学
ビジネススクール教授の内田和成さんが書いた、『異業種競争戦略』です。

※参考:『フリー<無料>からお金を生みだす新戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814047/businessbookm-22/ref=nosim

※参考:『新・プラットフォーム思考』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023304778/businessbookm-22/ref=nosim

最近は、セブン-イレブンやイオンが銀行をやったり、コンピュータ
ー・メーカーのアップルがネット上で音楽配信を始めたり、さまざ
まな業界で、異業種からの参入が相次いでいます。

著者はこれを「異業種格闘技」と名付け、本書で異業種格闘技時代
の競争戦略について述べているのです。

では、この「異業種格闘技」の本質とは何か。

著者はこれをひと言でこう言い表わしています。

「ビジネスモデルとビジネスモデルの戦い」

かつて「業界」というものが信じられていた時代には、すべての企
業が同じビジネスモデルで戦い、どれだけ努力するか、工夫するか
で競争優位性が決まっていました。

しかし、異業種格闘技時代には、ビジネスモデル自体が違う企業同
士が戦うことになる。

ここで求められるのは、どこでオセロをひっくり返すかという、ビ
ジネスモデル構築のセンスです。

本書では、このビジネスモデル構築のヒントや、異業種格闘技時代
の戦い方、どこから競合が出てくるのかを予想するヒントなど、さ
まざまな競争上のヒントが示されています。

これからの時代、競争優位性は経営者のアタマが作る。

勉強しない人には、チャンスのない時代が到来する、ということです。

気がついたら時代遅れのビジネスモデル、とならないよう、ぜひ読
んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ひょっとしたら、10年後にトヨタがパナソニックと電気自動車で戦
うといった、これまでなら考えられなかった競争が起きているかも
しれません

異業種格闘技とは、
1.異なる事業構造を持つ企業が
2.異なるルールで
3.同じ顧客や市場を奪い合う競争である

アップルはもともとコンピューター・メーカーですが、いまではア
イチューンズ・ストアという、ネット上の楽曲販売も自ら手がけて
います。結果、アイチューンズ・ストアのシェアを増してくると、
アップルが価格支配権を持つようになります。そうすると、どんど
ん楽曲は売れるけれども、儲かるのはアップルばかりになります

アプリケーション・ソフトがおまけの会社と、アプリケーション・
ソフトの販売が目的の会社とで戦い方が違ってくるのは当然

携帯電話のカメラは、純粋にデジタルカメラに置き換わるというよ
りは、「メモ代わりに写真を撮る」といった、これまでのカメラに
はなかった使い方を生み出した

◆変化をとらえる5つの視点
1.置き換え 2.省略 3.束ねる 4.選択肢の広がり 5.追加

◆ビジネスモデルの3要素
1.顧客に提供する価値
2.儲けの仕組み
3.競争優位性の持続

競争相手の儲けの仕組みをきちんと把握しておくことは、戦いに勝
つうえで非常に大事なポイント

「顧客が何に価値を感じているか」「それは、どのように提供され
ているか」が大きなカギ

1.顧客に「同じ価値」を「同じ手段」で提供する
2.顧客に「同じ価値」を「異なる手段」で提供する
3.顧客に「異なる価値」を提供する

テレビとテレビゲームは「時間を奪い合う競争」をしている

顧客起点で潜在ニーズに目をつける

異なる手段を用いることで、どんな価値を付加できるか

◆儲ける仕組みの4類型
1.トールゲート(料金所)
2.イネーブラー(撒き餌)
3.エンラージメント(周辺分野へ広げる)
4.ブロックプレイ(敵のトールゲートを無力化)

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『異業種競争戦略』日本経済新聞出版社 内田和成・著
以上引用終わり

ここまで書いてもらうと本が売れないのではないかと思うのは素人で、おかげでたくさん売れるのだから、さすがプロです。

ビジネスブックマラソンについては下記リンクを参照してください。
http://eliesbook.co.jp/bbm

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2009年12月10日 (木)

経済教室

本日(12月10日)付けの日経経済新聞27面経済教室欄に私の論文が掲載されました。
テーマはリーマンショック以降の不況の中で、企業が中長期戦略をどう考えるべきかというものですが、一言で言えば事業連鎖を活用して活路を見いだそうというものです。

Nikkei20091210_2

事業連鎖は異業種競争戦略の中で提唱している新しいコンセプトですが、これによりピンチだけでなく、どこにチャンスがあるかを見いだすことが可能になるという主張です。

下手をすると、市場が縮小していると考えて、すぐコストダウンやリストラに走る企業が多い中で、市場は縮小しているのではなくシフトしているのだと捉えるべきであり、それで初めてチャンスが生まれるというのが根底にあります。

マイケル・ポーターの5フォース分析はここでは通用しないみたいなことまで言ってしまっているので、反響があるのではと楽しみにしています。

詳細については、本日の日経新聞をご覧ください。もっと詳しく知りたい方は、もちろん「異業種競争戦略」を読んでください。

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