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2010年8月

2010年8月18日 (水)

フェルマーの最終定理

夏休みに入って読んだ本の中で、気に入った一冊がこれである。17世紀フランスの数学者ピエール・ド・フェルマーが残した数論の命題x³+y³=z³を満たす整数解はないという仮説(予想)をフェルマーの最終定理と呼ぶが、それを解き明かした数学者とフェルマーにまつわる数学者達が主人公のドキュメンタリーである。
(内田注:実際は三乗ではなくn乗であるが、記号が入力できなかったので三乗で代替してある)

Fermat_2

x²+y²=z²と言う式は直角三角形の直角をなす2辺の二乗の和は斜辺の二乗に等しいという有名なピタゴラスの定理であるが、それを3乗あるいはそれ以上になるとこの式を満たす整数解はないというのがフェルマーの最終定理である。
フェルマーはこの定理を提示したものの証明がついていなかった。そのため、その後300年にわたってこの定理を証明しようと数々の学者が挑戦したが誰も成し遂げなかった。

それを1900年代後半も後半1993年になって、フランス人のアンドリュー・ワイルズがついに証明を成し遂げた。それをイギリス人のサイモン・シンがドキュメンタリーに仕立てたのが本書である。

ギリシャ時代のピタゴラスの定理はもちろんのこと、インドのゼロの発見や、決闘で命を落としたフランスの若き数学者ガロアの話まで登場して、飽きることがない。
道中、日本人の数学者谷山氏と志村氏が出てくるが、彼らの仮説がきわめて重要な役割を担っているくだりは読んでいてわくわくする。

文中には、コンサルタントや学者に必要な資質についての示唆も多く、勉強になった。一例だけ紹介する。
問題解決のエキスパートは、相矛盾する二つの資質を備えていなければならない-たえまなく湧きあがる想像力と、じっくり考えるしぶとさである。ハワード・W・イーヴズ(p319)

しかしながら、読み物としておもしろいので、この夏のお薦めである。

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2010年8月 7日 (土)

学部と社会人のゼミ

先月、恒例の早稲田MBA生と学部ゼミ生の合同ゼミを行った。これまでは、一日だけのゼミだったが、今回は土日を使って泊まりがけで実施。

初日はまず、大学の教室を使って社会人ゼミ生によるプレゼンテーション。MBA1年生が、自分のキャリアや勤めている企業についての紹介を行い。その後質疑応答。自分の企業の紹介をする人間もいれば、自分のやってきた仕事や、仕事観を説明する人間もおり、様々。

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JAの藤田さんのプレゼン

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キヤノン花岡さんのプレゼン

学部生からみると、将来つとめるかもしれない企業の実情や、社会人の実態がわかるので、例年大好評のセッションであり、いろいろな質問が飛んでいた。

少し間を開けて、夕刻より本郷の旅館で懇親会を開催。こちらは昼間、すでに仲良くなったこともあり、最初からいい雰囲気。

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学部生企画のゲーム大会は、テレビでよく見る、一人ずつ一筆書いてキャラクターを完成させ、それを知らない回答者が答えるクイズ。
あるチームの回答は以下の通り、とても人間業とは思えない。

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ちなみに答えは、上からドラえもん、クレヨンしんちゃん、サザエさん、千と千尋の神隠しのハク(だと思うけれど、自信なし)。

このクイズの優勝チームは①チームの面々。もちろん上の絵を描いたチームではありません。

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さらに、当日はMBA1年生の武山んの誕生日ということで、サプライズのお祝いがあり、そのときにMBA1年生でとった記念写真。

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翌日は、今度は学生のプレゼンテーションを社会人が評価する番。
学部生が、サブゼミの研究課題として4月からやっていた企業研究の中間報告をプレゼン。例年、学部生の優秀な出来に、社会人が驚く顔が楽しみ。

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JINSというメガネ屋を研究したチームの発表風景

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学部生のプレゼンに見入るゼミ生たち

お昼で本郷の旅館でのプレゼンテーションは終了した。
旅館の前で、全員集合の記念写真。
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しかし、自分ではまず泊まることことのない、なかなか古めかしい旅館でした。

そこで、いったん解散し、その後大多数の人間は、高田馬場に戻ってボーリング大会。私も何年かぶりにやりましたが、全く思うように投げられず散々な成績でした。

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宇田川君のフォームはなかなか決まっていました。

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ガーター4連発!

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ボーリング大会を制したのは志賀さんチーム(ただし、スコアではなく人生ゲーム風すごろくでした)。

丸2日にわたった、学部生と社会人ゼミ生の合同合宿は無事終了。異常なほどに盛り上がったので、来年以降の定例行事化を検討

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2010年8月 2日 (月)

売れる営業の基本

友人の経営者、花田敬さんが書いた新刊「できる人はやっている『売れる営業』の基本」読了。おもしろかったです。

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営業のノウハウ本というと、顧客ニーズをどのように把握するか、そしてそれを元にした提案、最後はクロージングというプロセスを解説したものが多いのですが、花田さんの本はちょっと違います。

この本で主張していることは、最初の見込み客をどのようにして増やすのかという発想です。そしてそのためには、潜在顧客を広げておくことが大事だという思想で全編が貫かれています。

元々は生命保険を売ることから始まった営業法ですが、提案営業が必要な全ての業種に当てはまるというか、役に立つ情報が満載です。

私が気に入ったフレーズをいくつか紹介すると、

  • 『安ければ買うよ』とお客様が言うのは、皆さんが、価格以外の情報をちゃんと提供していない証拠です。
  • こうしてお客さまの呼吸を理解していくことで、優秀な営業マンは、偶然のようなタイミングを、必然のものにしていくのです。
  • 言葉は多くない方が、人格が高く見られます。ゆっくり話す方が、落ち着きがあると見られます。→反省!
  • お客さまにとってより楽なのは、考えさせることではなくて、選択をすればいいようになっていることです。

営業に関連した仕事に就いている方は読んで損はないと思います。オススメです。

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