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2010年1月12日 (火)

女性誌の付録

最近女性誌の付録合戦が凄まじい。今月上旬に発売され現在店頭に並んでいる女性誌だけでも十誌以上にに付録がついている。少し大きめの書店に行ってみると実感できる。

Marcjacobs
実際に雑誌についていた付録のバッグ

上の写真はゼミ生の高橋が持っていたMarc by Marc Jacobsのバッグ。600円くらいの雑誌の付録らしいが、言われなければ私には単品で数千円のバッグに見えます。
私のメガネはMarc Jacobsなのだが、全部で5万円くらいした記憶がある。いくらセカンドライン(ちょっと安めで若者向けに設定してあるブランド)とはいえ、同じブランドのバッグが1000円しない雑誌の付録になってしまうとは・・・。 

実はこうした女性の付録が大流行という話は、夏休み前に学部ゼミ生の織田に教えてもらうまで、まったく知らなかった。
彼女がたまたま女性誌の付録を卒業論文のテーマに選んだことから、今まで知った気になっていた女性誌の世界が大きく変貌を遂げていることに気づかされたわけだ。

一方、これは偶然だが、去年の卒業生武藤が書いたコラボレーション商品の卒業論文に関心を持ってくれたのが、実はこの付録付き雑誌に先鞭をつけた宝島社で広報を担当としている桜田圭子さんだ。彼女からも同じく雑誌とブランドのコラボレーションが今ブームで、特に宝島社がうまくやっているという話を教えてもらった。ちなみに桜田氏は早稲田大学ビジネススクールの卒業生だ。

このあたり、なぜ宝島社が付録で成功したかについては、桜田氏に教えてもらった下記のサイトに詳しく出ている。女性誌の競争について興味のある方は是非ご覧ください。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090616/1027067/?P=12


Mini001
Mini002
今店頭に並んでいる雑誌の例。
正直、X-girlというのがどんなブランドなのか、どれくらいのプライスレンジで売られているのかも分からないが、たぶん若い女性には人気があるのだろう。

同時期に同じ宝島社のsteadyという雑誌はBEAMSのトートバッグを付録につけていた。miniより年齢層が高い世代を相手にしているようだ。こちらも定価はわずか590円。これで雑誌以外にBEAMSのバッグがついてくるのだから、お買い得なのだろう。
でもこうした雑誌が何十万部も売れると言うことは、みんな同じバッグを持っていると言うことだし、かぶっても彼女たちは平気なのだろうか?
あるいはBEAMSのブランドは劣化しないのであろうか?
おじさんの疑問は続く・・・。

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コメント

たろさんへ

元々は宝島社の専売特許みたいだったブランドを付録につける戦略が、模倣する雑誌が続出して、毎月ブランド品が10以上も何十万単位で世に出回るというのは長続きしないのではないかと心配になります。

でも私が子供の頃の少年誌というのはまったく同じように付録目当てでみんなが買っていたことを突然思い出しました。

投稿: 内田和成 | 2010年2月11日 (木) 01時18分

単価を下げ、なおかつ付録を充実させる。
当初、常識とは真逆の戦略を取っているように感じました。

それだけ利益率も低下しているだろうと。

しかし、スケールメリットが効くため、さほど利益は減少していない、という記事がありました。
(出版社は財務情報を出していないため、factはありませんが)

雑誌の売上を飛躍的に高めることに繋がったこの戦略は、雑誌の売上が減少する中、大変なご苦労で練りだされたモノだと思います。

しかし、これによって読者の購買決定要因は「付録の内容」が大きく左右するようになっているようです。

ビックリマンチョコ(古い)ではありませんが、主従が逆転してしまった訳で、今後のファッション雑誌は新しいあり方を常に模索しなければならないフェーズになったのだと感じました。

投稿: たろ | 2010年1月26日 (火) 23時10分

内田先生

早速のご返信ありがとうございます。
楽しみにしております。よろしくお願いします。

投稿: 桜田圭子 | 2010年1月18日 (月) 11時14分

桜田さんへ

早速見つけられてしまいましたね。
卒業生の武藤からもなかなか良いコメントをもらいました。
機会があれば、彼女を交えて、一度話をしましょう。

投稿: 内田和成 | 2010年1月16日 (土) 01時23分

内田先生

こんにちは。宝島社の桜田です。
弊社の取り組みをブログでご紹介頂きありがとうございます♪

ファッションブランドにとって、新規の顧客を増やすというのはなかなか難しく、かなり時間がかかることのようなのですが、全国で販売されている雑誌で、オリジナルのアイテムまで付けてブランドのPRができるということは、ブランドさんにとって”ブランドの劣化”というより、むしろ”ブランドPRの場”として魅力を感じて頂いているようです。
実際、「雑誌の発売以降、ショップにお客さんが増えている」という反響も多く、今ではブランドさんからのオファーもかなり増えています。

ここから派生したもので、現在『ブランドムック』という商品も出しています。こちらは、1ブランドだけを特集した雑誌+そのブランドのアイテム(バッグやポーチなど)をセットにした商品で、イヴ・サンローランなどは初版100万部をひと月足らずで完売しました。

これらは広告ビジネスではなく、完全に編集主導の企画なので、お金を頂いていない分、よりユーザー(読者)のニーズに合った商品をご提供できているのでは…と社内では分析しております。

長くなってしまいましたが、一度先生のご意見もお伺いできると嬉しいです。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

投稿: 桜田圭子 | 2010年1月15日 (金) 15時23分

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