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2009年12月

2009年12月22日 (火)

君はコロプラを知っているか

先日、日経ビジネスの取材を受けた中で、異業種競争戦略について話した内容が、日経ビジネスオンラインで取り上げられたので紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091217/211712/?P=1

しかし、今日言いたいことはこのことではなく、この記事の中で筆者の井上さんが語っている新しい広告の在り方、あるいは販売促進の在り方の話だ。
この件については私も日頃から言っているので、ごく簡単に紹介しておくと、Googleの台頭でインターネット広告がテレビ広告や新聞広告を奪ったという説があるがそうではない。Googleが生み出した広告需要は、これまで情報弱者であるが故に、マス広告など打てなかった中小企業や零細企業がGoogleの広告需要をもたらしているという考えだ。
それを実際に物語る事例として、井上さんが紹介している事例がきわめて興味深かった。それは「コロプラ」だ。携帯電話を使った位置情報ゲームというものだそうだが、仮想空間とリアルの店舗がうまく結びついて、リアルの旅行や商品の購買につながっているという話だ。

簡単に言えば、そのゲームさえやらなければ、旅行などしなかった人が旅行したり、今まであまり人が行かなかった場所に人が訪れるという、リアルの需要がバーチャルから生まれているという話です。
詳しく知りたい方は、上記のサイトを読み進めていただくと、なるほどと思うのではないか。

ウーン、知らないところで、世の中は進んでいるな。

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2009年12月20日 (日)

大隈塾同窓会

先日、昨年の大隈塾リーダーシップ論を取った企業派遣生・早稲田ビジネススクール卒業生合同の忘年会が行われ、私と村田さん(田原さんのスタッフで大隈塾を一緒に担当しているナイスガイ)で参加してきた。

20091220ookuma

私にとっては一期生であるが、大隈塾としては4期生に当たる人々だ。総勢15-6名が参加していたので、三分の一以上の出席率である。特に企業派遣の人が大勢来ていた。
昨年の連中は合宿(田植え、稲刈り)を共にしたり、MRJプロジェクト(共同研究)を一緒にしたせいで仲が良いようで、まるで同じ企業の同期の集まりようだ。とはいえ、仕事上のつながりがあるわけではないので、好き勝手を言い合える仲なようで、それもまた良い友達付き合いになっているようだ。

大隈塾リーダーシップ論には企業から相当優秀な人が派遣されているので、学生同士の交流が、将来彼らが企業幹部となったときの大きな財産になるのは間違いない。一方でMBA生と企業派遣生という二つの異なるバックグラウンドの企業人が一緒に勉強するというユニークさもある。こちらの交流も盛んだ。

今年の大隈塾の受講生も、来年はこんな具合になるのだろうか?
こうして、私が指導した企業人達がどんどん増えて、社会で活躍してくれるのが、教師としてはもっともうれしいことだ。

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2009年12月18日 (金)

うれしいニュース

先日発売した[異業種競争戦略]ですが、著名なブックレビューのブログで推薦してもらったと言うことで、アマゾンの売り上げ急上昇中です。
先ほど見たときは、なんと総合ランキングで15位、ビジネス書(ビジネス・経済・キャリア)では4位にランクインしていました。

土井さんという方がやっている「ビジネスブックマラソン」というメルマガですが、こんなに影響力があるとは知りませんでした。クリス・アンダーソンの最近のベストセラー「フリー」と並んで、読むべきビジネスモデルの3部作の1冊として推薦いただきました。土井さん、紹介していただいて、どうもありがとうございます。

また、この情報を教えてくれた、植野さん、どうもありがとう。

最近ブログの更新が滞っているのは、次の本の原稿ではなく、ビジネススクールの修士論文の指導に明け暮れているためです。いや、12名もゼミ生がいると本当に大変です…(涙)。
ちなみに年内に出すと宣言していたもう一冊の本「論点思考」は少し遅れて、何とか1月には出版できそうです。

ブログで紹介してもらった内容を土井さんの許可を得て一部転載します。
ご興味があれば、ご覧ください。

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ビジネスブックマラソン Vol.1977
    『異業種競争戦略』

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■〔1〕本日の一冊

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『異業種競争戦略』日本経済新聞出版社 内田和成・著

こんにちは、土井英司です。

『フリー』、『新・プラットフォーム思考』と来たら、次に読むべ
き一冊は、間違いなくこれ。

「ビジネスモデル構築3点セット」の最後を飾るのは、早稲田大学
ビジネススクール教授の内田和成さんが書いた、『異業種競争戦略』です。

※参考:『フリー<無料>からお金を生みだす新戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814047/businessbookm-22/ref=nosim

※参考:『新・プラットフォーム思考』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023304778/businessbookm-22/ref=nosim

最近は、セブン-イレブンやイオンが銀行をやったり、コンピュータ
ー・メーカーのアップルがネット上で音楽配信を始めたり、さまざ
まな業界で、異業種からの参入が相次いでいます。

著者はこれを「異業種格闘技」と名付け、本書で異業種格闘技時代
の競争戦略について述べているのです。

では、この「異業種格闘技」の本質とは何か。

著者はこれをひと言でこう言い表わしています。

「ビジネスモデルとビジネスモデルの戦い」

かつて「業界」というものが信じられていた時代には、すべての企
業が同じビジネスモデルで戦い、どれだけ努力するか、工夫するか
で競争優位性が決まっていました。

しかし、異業種格闘技時代には、ビジネスモデル自体が違う企業同
士が戦うことになる。

ここで求められるのは、どこでオセロをひっくり返すかという、ビ
ジネスモデル構築のセンスです。

本書では、このビジネスモデル構築のヒントや、異業種格闘技時代
の戦い方、どこから競合が出てくるのかを予想するヒントなど、さ
まざまな競争上のヒントが示されています。

これからの時代、競争優位性は経営者のアタマが作る。

勉強しない人には、チャンスのない時代が到来する、ということです。

気がついたら時代遅れのビジネスモデル、とならないよう、ぜひ読
んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ひょっとしたら、10年後にトヨタがパナソニックと電気自動車で戦
うといった、これまでなら考えられなかった競争が起きているかも
しれません

異業種格闘技とは、
1.異なる事業構造を持つ企業が
2.異なるルールで
3.同じ顧客や市場を奪い合う競争である

アップルはもともとコンピューター・メーカーですが、いまではア
イチューンズ・ストアという、ネット上の楽曲販売も自ら手がけて
います。結果、アイチューンズ・ストアのシェアを増してくると、
アップルが価格支配権を持つようになります。そうすると、どんど
ん楽曲は売れるけれども、儲かるのはアップルばかりになります

アプリケーション・ソフトがおまけの会社と、アプリケーション・
ソフトの販売が目的の会社とで戦い方が違ってくるのは当然

携帯電話のカメラは、純粋にデジタルカメラに置き換わるというよ
りは、「メモ代わりに写真を撮る」といった、これまでのカメラに
はなかった使い方を生み出した

◆変化をとらえる5つの視点
1.置き換え 2.省略 3.束ねる 4.選択肢の広がり 5.追加

◆ビジネスモデルの3要素
1.顧客に提供する価値
2.儲けの仕組み
3.競争優位性の持続

競争相手の儲けの仕組みをきちんと把握しておくことは、戦いに勝
つうえで非常に大事なポイント

「顧客が何に価値を感じているか」「それは、どのように提供され
ているか」が大きなカギ

1.顧客に「同じ価値」を「同じ手段」で提供する
2.顧客に「同じ価値」を「異なる手段」で提供する
3.顧客に「異なる価値」を提供する

テレビとテレビゲームは「時間を奪い合う競争」をしている

顧客起点で潜在ニーズに目をつける

異なる手段を用いることで、どんな価値を付加できるか

◆儲ける仕組みの4類型
1.トールゲート(料金所)
2.イネーブラー(撒き餌)
3.エンラージメント(周辺分野へ広げる)
4.ブロックプレイ(敵のトールゲートを無力化)

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『異業種競争戦略』日本経済新聞出版社 内田和成・著
以上引用終わり

ここまで書いてもらうと本が売れないのではないかと思うのは素人で、おかげでたくさん売れるのだから、さすがプロです。

ビジネスブックマラソンについては下記リンクを参照してください。
http://eliesbook.co.jp/bbm

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2009年12月10日 (木)

経済教室

本日(12月10日)付けの日経経済新聞27面経済教室欄に私の論文が掲載されました。
テーマはリーマンショック以降の不況の中で、企業が中長期戦略をどう考えるべきかというものですが、一言で言えば事業連鎖を活用して活路を見いだそうというものです。

Nikkei20091210_2

事業連鎖は異業種競争戦略の中で提唱している新しいコンセプトですが、これによりピンチだけでなく、どこにチャンスがあるかを見いだすことが可能になるという主張です。

下手をすると、市場が縮小していると考えて、すぐコストダウンやリストラに走る企業が多い中で、市場は縮小しているのではなくシフトしているのだと捉えるべきであり、それで初めてチャンスが生まれるというのが根底にあります。

マイケル・ポーターの5フォース分析はここでは通用しないみたいなことまで言ってしまっているので、反響があるのではと楽しみにしています。

詳細については、本日の日経新聞をご覧ください。もっと詳しく知りたい方は、もちろん「異業種競争戦略」を読んでください。

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2009年12月 7日 (月)

将軍に学ぶリーダーシップ

以前に読んだ本だが、最近読み直してやはりリーダーシップに役立つなと思った本が松村劭(「つとむ」と読むらしいが初めて見た漢字だ)さんの「名将たちの指揮と戦略」PHP新書だ。
自衛隊で参謀をやっていた人らしく、古今の軍事や戦争に関する本や文献の中からリーダーシップにかかわる名言や金言を抜き出して、それを組み立てただけで本にしたというユニークな構成だ。

20091207meishotachi

その中で、いくつか印象に残った言葉を紹介しておく。まずはナポレオンから、
「戦闘において、ほんの少しの機動が決定的な効果を上げて勝利に結びつく瞬間がある。それはコップに一滴のしずくをたらせば、コップから水が溢れ出す瞬間に似ている。」
このくだりには著者の解説がついていて、勝敗の分かれ道は前線にいないとつかむことが出来ないと言った上で、こうも言っている。「逆に、勝敗分岐点が見えずに押し切られたときは全滅である。過去の人生に敗北の経験のないお坊ちゃま指揮官やエリート指揮官は、敗北する勝敗分岐点を見切ることが出来ずに全滅するのが歴史のシナリオである。」出来る指揮官は、勝敗分岐点を感じたら、速やかに撤退するそうである。
昔の武士でも、竹刀で練習しかしたことのないものと、実際に人を切ったことがあるものの違いを読んだことがあるが、同じような話だな。
ビジネススクール出身者はこうならないように気をつけないと・・・。 

次に、アメリカ陸軍のオマール・ブラッドレイ大将の言葉
「部下の生命の価値を無視するか、逆に損害の試練に苦しむ人は指揮官不適である。人命を死地に投入することには慎重でなければならないが、指揮官は作戦の終わりまで発生する損害を少なくする知識と、積み重なる損害を直視して耐える鋼鉄の神経を持っていなければならない。指揮官は損害によって戦略目標を見失う危険に常に曝されている。戦略目標を見失えば、戦争は長引き、いっそう多くの損害が発生するのだ。」
何となく、古巣のJALの再建問題のアドバイスを聞いているような・・・。

忠誠(Loyalty)というタイトルの項で、英国のバジル・ハート退役大尉の言葉
「優れた将校は、自分の直上指揮官に対する忠誠よりも、もっと高いところに忠誠でなければならない。それは軍全体であり、国家である。国家は政権と軍隊と国民から成り立つが、政権はしばしば権力抗争で変動するので、注意していないと軍隊を権力抗争のために私物化しようとする傾向がある。それゆえ、将校は政権に対して忠誠である必要はさらさらなく、冷静かつ客観的に観察しておけばよい。国家に対する将校の忠誠とは、軍全体と国民に対する忠誠である。」
軍と国家を企業、国民を社員、そして政権を経営者、将校を自分に置き換えると企業人としてのあり方を示唆しているように思えるが、現実には貫き通すのが難しいだろうなと思う。

リーダーの育成についても、英国の元帥だったアーチバルト・ウェーベルのこんな言葉が載っている。
「平時における最良の将校は、戦時における最良の将校である必要性はない。それどころか平時において戦時向きの性格は邪魔なのだ。さらに平時において、どの人材が戦時向きかを見分けることは難しい。兵舎において全く面倒な男が、ときどき戦時での真珠になる。」
これも現在の日本の企業が直面している課題を言い当てている。これまで、順調に来た企業ほど、危機に強いあるいは改革の出来るリーダーを育ててきていないのだ。あるいはどうやって育てたらよいか分からないと言った方が適切かも知れない。なぜなら平時のリーダーが戦時のリーダーを手なりで育てられると考える方が不自然である。

リーダーの資質については前述ハート退役大尉も、
「"実行の可能性についてのセンス"つまり戦術的、兵站支援的に実行可能なことと不可能なことをはっきりと見分ける能力が必要である」と語っている。
私も経営者に大事な資質が、解のある問題を解くことであり、解けない問題を解くのは学者に任せておけばいいと言うのが持論であるから、大いに頷ける。

ということで、軍事に関する本でありながら、リーダーについて学ぶことが出来る有意義な本です。問題意識を持って読めば学ぶところの多い本ですが、読み物としておもしろいかと言われればノーです。

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2009年12月 6日 (日)

学生向けの講演会

来週木曜日(17日)に早稲田大学の大隈小講堂で、早稲田大学と日経新聞共催でリクルーティングイベントが行われる。
タイトルは

「自立する個性・創造力が生み出す価値」

日本ヒューレット・パッカードが応援している"SHUKATSU It's ME.応援委員会"が協賛している。

そこで、私が簡単な講演をするのだが、メインイベントは私とユニ・チャームの高原社長の対談だ。ユニ・チャームは社名の割に、その強さがあまり知られていない会社だが、日本でもアジアでも参入分野では強敵の花王やP&Gを押さえてNo.1の会社である。
その成功の秘訣を、高原社長から直接引き出せれば学生の参考になるのではないかと思って引き受けた。

Title_university

参加資格は大学生のみですが、該当していて興味ある方は上記サイトから申し込んではいかがでしょうか。

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2009年12月 5日 (土)

ドバイの風

先週土曜日の日経新聞にアラブ首長国連邦のドバイの資金繰りが悪化し、それが世界的株安を引き起こしたという記事が載っていた。その後一週間でその影響は世界中に伝播している。リーマンショックの時もそうだが、崩壊まではじわじわと進んでなかなか倒れないくせに、いったんダメになった後の影響はあっという間に他に伝染する。

実は1年ちょっと前にドバイを訪問したときに既にバブルは崩壊し始めていた。それを肌で感じたし、どうして現地の人はこの繁栄がずっと続くと信じているのだろうと不思議に思った。それは以前のブログ「ドバイの不思議を見て頂くとよく分かる。
しかし、それが実際に経済危機に発展するまで1年以上かかったことは、大変興味深い。バブルの輪の中にいると、ついついもう少し大丈夫と思ってしまうのであろう。20年前の日本のバブルの時には、私自身が日本にいたためにその崩壊を予測できなかった。正確に言えば、いつか来るかも知れないが、今ではないと思い続けてしまったのである。
岡目八目とは言い得て妙である。

今回の日経の記事では相変わらずショッピングセンターでは人手が多く賑わっていると書いてある。一方で、投資はストップし、不動産開発は中断しているともある。日本のバブルが崩壊したときと同じ現象だ。
当時日本にやってきた外人の友人たちが、六本木や渋谷を訪問しては、私にどこが不景気なんだと問い詰めたのを思い出す。庶民は強い。あるいは実需は底堅いと言うことであろう。

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