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2009年10月

2009年10月30日 (金)

変わり者の薦め

先週発売になった雑誌Think!は特集が「閉塞を打ち破る起死回生のアイデア発想法」だ。

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この中で、私は「パラダイムチェンジを起こす思考法」というインタビューに基づく記事を書いている。私はコンサルタント時代から、発想がユニークなことで社内外で有名で、お客さんから変わったアイデアを聞きたいときには内田さんでなくてはと言われることも多い。また社内のコンサルタント仲間からアイデアに行き詰まったときに応援を頼まれることも多い。

こうした、いざというとき「内田に聞いてみよう」と思われるようにするためにはどうしたらいいのかという視点で、内田流の発想を書いたのが今回の記事だ。
ポイントはロングリスト・ショートリスト・実行の3ステップで考えることと、日頃から脳みそにレ点を打ち、直感を大切にした上で恥をかくのを恐れないことだと言うことになる。

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皆さんの中でも会社の中から、何か新しいアイデアを出せと言われていたり、どうしていつも平凡な案しか出てこないんだと言われている人は、この記事を是非読んで欲しい。必ず参考になると思います。

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2009年10月29日 (木)

新しいおもちゃ

Kindle買いました。アマゾンが米国で2-3年前から売り出している電子ブック専用端末です。
これまでは米国内専用だったのですが、日本でも使えるインターナショナルバージョンがようやく先週発売になりました。予約しておいたら、発売後すぐ22日に自宅に届きました。

Kindle

少し使いこなしてからレポートしようかと思ったのですが、とりあえずファーストインプレッションだけ記しておきます。
一言で言えば、薄い(軽い)&簡単 の二言につきます。誰ですか、一言で言っていないなんて茶々を入れているのは。

どれくらい簡単かと言えば、アマゾンを通じて買うと最初から私のアカウントがインストールされています。写真を拡大してみると分かると思いますが、左上に Kaz's Kindle と名前が入っているのが見えると思いますが、購入時点で既に登録済みです。そしてネットワークへの接続などもすべて自動でやってくれますし、新たにアカウントを作成したり、クレジットカード番号を入れたりする必要がありません。あまりに簡単に本や新聞が購入できるので、落としたら大変だなと変な心配が先に来るくらいでした。特に新聞は月極で買えば紙の新聞より遙かに安いです。NewYork Times で月30ドル弱です。

それから持ってみた感じが、薄いだけでなくとても軽く、単行本を持つのと変わらないか場合によっては軽いくらいの印象です。これなら、たとえば電車に乗ったとき本を読むのと変わらないくらいの感じですし、新聞よりは明らかにスペースをとりません。

視認性もよく、明るいところでもとても読みやすいです。フォントも疲れないようなフォントを使っているようです。また、文字サイズもかなり自由に変更できます。ただし、あまり大きな字にすると1ページに入る情報量が減ってしまうので、そこは痛し痒しです。

ここまで書くといいことづくめですが、実は問題もあります。
最大の問題は、日本語に対応してないことです。日本のネットワークには対応しているので、日本で使えるのですが、買えるものは英語のコンテンツすなわちアマゾンの米国サイトからです。それから、すべての本が電子ブック対応になっているわけではなく、ちょっと見た感じでは新しいベストセラーはなっているものの方が少ないようです。

次に新聞を読む場合の一覧性です。個別の記事を読むのにはいいのですが、全体を見るのが苦手です。このあたりはiPhoneを使った産経新聞の方が良くできていると思います。

取り急ぎ、1週間時点での簡単な報告です。もう少し使いこなしてから、プロとして本当に使えるものかどうか報告したいと思います。

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2009年10月28日 (水)

うれしい便り

モンゴルに行ったときにお世話になった日本語ガイドさんのAzaaさんからカードが届きました。

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文面には
[内田さん お父さんへ
モンゴルのアザーです。
お誕生日おめでとうございます。」
以下省略
と書かれています。私の誕生日を祝ってくれるカードです。

彼女はモンゴル人ですが、とても賢い上に日本語が上手で、我々のツアーは大いに助けられました。我々が訪問する直前に家族に不幸があって、普通なら仕事など出来ないときにもかかわらず明るく、我々の面倒を見てくれました。一緒に行ったメンツはみんな彼女のファンになりました。

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チンギス・ハーンの巨像の前で一緒にとった記念撮影
 

私は彼女から日本のお父さんと呼ばれていますが、日本の空から彼女の活躍と成長を見守ってあげると約束してきました。
いつか彼女が日本に来たときには、モンゴルに一緒に行った連中と大騒ぎをして歓迎したいと思っています。

私はこうした、ありふれてるかも知れないが、忘れがたい人と人との出会いが好きです。

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2009年10月27日 (火)

経営者の意思決定

今月の私の履歴書は、帝人の元社長の安居祥策さんだ。
本日(10月26日)の話は経営者を長くやっていると、下からの情報が上がってこなくなるから危険だという話でした。そのため彼は、役員会でみんなに意見を言わせたり、アドバイザリーボードを作ったりしたと書いてありました。
でも私の話したい話はこれではありません。
社長になると話が入ってこなくなるというくだりで、彼はこう書いてました。
「経営者は情報量が3割しかない段階で決断しなければならない。5割になるのを待っていたら遅い」
これがまさに経営の本質あるいはもっといえば経営者の孤独な意思決定の本質です。
私も常々、情報が揃うまで待って意思決定したのでは遅い。今ある情報で、どれだけ優れた意思決定が出来るかが経営者に求められる要素であり、これは訓練で高めることが出来ると言っています。全く同じ話を安居さんがしているのを読んでうれしくなりました。
ただし、安居さんはだから独りよがりにならないように、人の意見を聞こうと続けます。私はそうではなくて、3割の情報でも企業(組織)にとって、優れた意思決定が出来るためには仮説思考が大事であるとつなげます。
でも、本質は同じだと思っています。みんながなるほどと納得するような案は既に”Too late”です。だからといって、未来のことはどうせ分からないのだからと、当てずっぽうに物事を決めるのも経営者失格です。どうやって、意思決定の質を高めるか、これこそが良いリーダーになるためのカギでしょう。

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2009年10月22日 (木)

惜しくも2位

本日の日経新聞本紙に通ってみたいビジネススクールランキングが掲載されていた。早稲田大学ビジネススクール(夜間コース)は他校と同率ながら、2位にランクインしていた。一位は慶應ビジネスクールであるから順当な結果とも言えるが、最近の我が校の受験者数(200数十名)を考えると1位になってもおかしくないので、ちょっぴり残念である。

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ちなみに今日の記事に小さく載っているビジネススクールの講義風景は私の講義である。と言われなければ、誰も気がつかないくらいの小さな写真である。
また、同じページの下段には恩師の嶋口先生がバンダイナムコの社長と対談する就活セミナーの告知広告が載っている。これは偶然の一致?。

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2009年10月21日 (水)

情の人 知識さん

今月の嶋口・内田研究会のゲストスピーカーは元カネボウ化粧品の社長でカネボウの再建に尽力した知識さんだった。ご承知の通り、カネボウは元々繊維の会社だったが、一時期に多角化経営を標榜し、食品や化粧品など様々な事業を展開していた。しかしながら、放漫経営で赤字が続いた上に、粉飾決算が発覚し、会社が事実上倒産し、産業再生機構の傘下で再建を果たした。そのうち化粧品事業を社長として担当したのが知識さんだった。社長に抜擢された当時、41歳と若かったことから大きな話題になったので、覚えている人も多いのではないかと思う。

あれだけのターンアラウンドをやった人なので、結構コンサルタント的切れ者かと思っていたら、実は情に厚い人間味あふれるリーダーでした。社内に対しては、そんな甘い改革案では機構の人が許してくれないからもっとバッサリやらないとダメだと情で諭し、一方で機構側にはそんな機械的なやり方で押していったら化粧品会社の資産である人が離反してしまうと理屈で説得し、両者の間のコミュニケーターになっていたようだ。

この知識さんは、ずいぶん前からカネボウ社内の教育などの機会に嶋口先生の指導を受けていて、目立っていたというのも、何かの縁だなと思いました。

 

今回の嶋口・内田研究会には100数十名の参加者が来てくれて、久しぶりの大盛況だった。これも知識さんという新しいタイプのリーダーに対する若い人たちの期待の表れなのでしょう。

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2009年10月20日 (火)

座右の銘

前回清水エスパルスが首位に躍り出た話を書いたが、あっという間に4位に転落した。土曜日に試合がなかったエスパルスは、上位チームの星のつぶし合いや引き分けもあり、日曜日に勝てば首位安泰の状況だった。

ところが、ところが最下位の大分にまさかの逆転負け、絵に描いたような転落劇である。これまで13試合負けなしだったのに、よりによって最下位チームに負けるとはエスパルスらしい話だ。

私の大好きな言葉に、得意澹然・失意泰然がある。中国の明時代の六然という文章の中に登場する言葉であるが、リーダーたるもの絶頂期にあってもおごらずゆったりとしていることが大事で、一方でうまくいかない失意の時でも変にどたばたせずに悠々としていることが大切といったような意味だ。私がBCGのリーダーになったときに義父が贈ってくれた言葉で、それ以来座右の銘としている。

別にエスパルスが首位に立って驕ったとは思わないが、何となく情けない三日天下のリーダーだったな。

実は「得意澹然・失意泰然」という言葉を求められて時にこの字を書きたいのだが、澹の字が難しくて、いつも躊躇してしまう(我ながら情けない)。

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2009年10月14日 (水)

日経ジャック

先週金曜日の日経新聞広告企画に私のインタビュー記事が載りました。ご覧になった方も多いかと思います。
実は同じ日に発売になった日経ビジネスにも同様の記事が載っています。
私も何度となく、日経新聞や日経ビジネスに取り上げてもらっていますが、同日に載ったのはこれが初めてです。しかもほぼ同じ内容です。これは日経新聞社と日経BP社が共同で、ネットも含めたキャンペーンをやったからです。

日経新聞や日経ビジネスの記事はこちらに載せられませんが、同様な記事というか少し長めのインタビュー記事がネットで見られますので、興味がある方はそちらをどうぞ。
http://www.nikkei.co.jp/value/vol2/1-1.html


最近、ちょっと悲しいことがありました、少し落ち込んでいます。

でも、今日1冊目の本の原稿が私の手元離れました。11月上旬発売です。また、詳しく紹介するので、是非読んでみてください。



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2009年10月 6日 (火)

清水エスパルス1位浮上

本を書くのに忙しくて、サッカーのテレビ中継を見る時間もない間に、なぜか我が清水エスパルスがJリーグの1位になりました。これも首位を独走していた鹿島アントラーズが4連敗したためですが、エスパルスもここ10試合くらい引き分けはあっても負けがありません。サッカーでは負けないチームは強いのです。
でもこのまま最後まで行くとは思っていないので、きっと優勝できないのではと弱気になっています。(自分のこととなると強気なくせに、応援するチームのことになると弱気です)

さて、先週の土曜日に来年度の早稲田大学ビジネススクールの夜間とMOTの入試説明会が行われましたが、なんと250名もの人が来てくれました。7月のWBSフェアは昼・夜併せてですが400名を超える人が来てくれたので、WBS人気も本物だなと感じました。もちろんふたを開けないと、どれだけの人が実際に受験してくれるかは分かりませんが、大いに楽しみです。

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2009年10月 1日 (木)

初めての教科書

今週の月曜日(9月28日)に大学の学部生向けに書かれた戦略の教科書「1からの戦略論」が発売されました。出版社は碩学社、発売元は中央経済社です。

Ichikara

私の恩師の嶋口先生、友人の黒岩先生との3名による編著で、全部で16名の先生方による力作です。大学の学部レベルでは、マーケティング分野では教科書も充実しているのですが、戦略となるとあまり適当な本がないので、いっそ新しく作ったら売れるのではないかと、陰の編集者である明治大学の竹村先生が仕掛けたものです。

大学によって多少異なりますが、一学期がだいたい12-15回の講義で構成されることを、初めから考えて15章立てになっています。すなわち1章が、1回分の講義に相当します。そして各章には必ず、ケースあるいは事例が入っていて、その回のテーマを理解するのを助けるようになっています。

私はこれまで、単著・共著・1章だけ担当などを含めると20冊くらいの本が出ているかと思いますが、実は教科書は初めてです。
私の書く本はどちらかというと時流の最先端をおいたがるきらいがあり、教科書とは対極でした。なぜなら、新しいものやはやりものは陳腐化するからです。ところが教科書は、既に理論として確立したものを取り上げたり、今後何年間かは通用するコンセプトを書かなければなりません。そういう意味で、今回は良い勉強になりました。

私のブログの読者を想定した本ではありませんし、自分で読むことを前提にした本でもありません。しかし、興味がある方がいたら手に取ってみてください。

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