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2009年2月16日 (月)

似て非なるもの

私は電気製品を買うのが大好きなので、よく家電量販店に行く。
そこで製品を購入したときに必ず勧められるサービスが小売店独自の3年間保証制度である。価格の3-5%を払えばメーカー保証(通常1年間)に加えて3年までの故障・損傷・盗難などの際に無料で修理ないし交換に応じてもらえるというものである。

「現在ポイント15%までつけているので、そのうち5%を使うだけで現金での支払いは必要ありませんから、入っておいた方がお得ですよ。」あるいは、「電気製品は最初の1年くらいはほとんど故障しないので、実際に修理が必要なのは2年目以降ですよ」といった、店員の巧みなセールストークもあって加入する人も多いようであるが、本当であろうか。

そこでメーカー保証と小売店の保証の違いを比較してみよう。

メーカーが販売した商品に不良があったり、故障したときは1年間に限りメーカー負担で修理となるが、これはメーカーの持ち出し以外の何者でもない。多ければ多いほど損をする。仮に無償修理期間が終了した後であっても、手間やコストがかかる割にたいした金額を得られるわけではないので、決して儲かるとは言い難い。

一方で、小売店の3年保証はどうであろう。少しレンズを引いて考えてみれば分かるが、今時の電気製品はあまり故障しない。たぶん3年以内に故障する製品は100台に2-3台であろう。しかも、全損することはほとんどあり得ない。部品を交換すればすむような故障が大半である。しかも小売店は自分で修理するわけではない、メーカーの修理センターに出すだけである。そうなると、それに要するコストはせいぜい1%がいいところだろう。となると5%の保証料はほとんど丸儲けである。

ということでメーカーにとっての1年保証はメーカーとしての責務でありコストであるが、小売店の3年保証は儲けの源泉なのである。同じ製品保証でも両者には天と地ほどの違いがある。

実はこうしたビジネス上の「似て非なるもの」のサンプルをいろいろ集めている。機会があればいくつか紹介したいが、たとえば

  • ニューヨークのホテル 対 ラスベガスのホテル
  • 地上波テレビの映画放送 対 スターチャネルの映画放送
  • カメラ用フイルム 対 カメラ用メモリーカード

等が上げられる

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コメント

内田先生
これからたくさんの著書読めそうですね、嬉しいことです♪楽しみにします。
先生に挨拶して日本を出発してあっという間に1年間になります。「日日新」を実践して人生をexploreする1年間でした。日本は私にとってアジア文化圏の中のものでれば、米国は全く違う考え方で、原点に戻って考えさせられます。この年で、遅!とも思いますが、Better late than neverということで^^inputをたくさん貰いました、これからoutputをしないと。
寒いMassachusettsとバイバイして暖かいFloridaで少し暖めて3月に上海に戻ります。もう少し大きくなったら先生に再会してご報告したいですね^^

投稿: リンリン | 2009年2月24日 (火) 23時30分

某商学部生さんへ

竿だけの話は詳しくは知りませんが、確か別のものを売るのが本業で1本千円の竿だけでは儲からないというような話でしたっけ?

投稿: 内田和成 | 2009年2月24日 (火) 01時16分

いつも拝読させてもらっております。
ラスベガスのお話や先生の著書を拝読してから少し時間が経ってしまいましたが、
この間家から「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(私が商学部に入る前に読んだものです)を発見して、これもそうか!と思いました。

投稿: 某商学部生 | 2009年2月23日 (月) 20時13分

スパークFさんへ
確かに顧客が買っているものが何かというのは大事な視点ですね。
安いが壊れやすい商品でも、だから買わないという人と保証がついていれば買うという2種類の人がいそうです。
ベンツを欲しがる人で、値引き額を自慢している人はあまりいませんね。

投稿: 内田和成 | 2009年2月21日 (土) 00時34分

リンリンへ
久しぶり。まだ、アメリカですか?

ラスベガス、残念だったね。ちゃんと金もってそうな格好で行きましたか?

たとえばの部分は、そのうち本になるからそうしたら見てください。

投稿: 内田和成 | 2009年2月21日 (土) 00時30分

そういう視点に立つとすると、プライスも「一律ポイント5%分」というのではない方がよいかもしれませんね。
偏見かもしれませんが、日本のトップメーカーと低価格が売りの中国メーカーの製品とでは故障頻度も違うでしょうから。購入する人はブランドという形で既にその部分のコストを支払っているので、「信頼がおけるが高い東芝の製品を買ってさらに3年保証もつける」という人はよほど心配性な人でしょうし、「名前も知らない安い中国製の製品を買ったが心配なので、5%使う」と言う人は10%でも保証を付ける気がします。
実際はどうか一度Studyしてみたいですね。

投稿: スパークF | 2009年2月18日 (水) 11時46分

にいはう♪内田先生
メーカーの保証と小売の保証を拝読しました。内田先生の授業に出る感じを蘇らせます~すっきり爽快気分~。しかし・・・例えばの部分が気になります・・・
・地上波テレビの映画放送 対 スターチャネルの映画放送
について授業でお聞きしたと思います。ご教授頂いた「隘路」という言葉を思い出しました^^
・ニューヨークのホテル 対 ラスベガスのホテル
について・・・恐らく一般的宿泊代で設けるNYCのホテルのビジネスモデルと比べて、Vegasは部屋代そのものではなく、casinoで儲けを出しているということを指しておられるでしょうか。両親と一緒にVegasで宿泊したホテルは☆☆☆☆☆にも拘らずボロボロでinternetも$10or$20?の別途料金がchargeされることになっていました。「部屋に居るな、ここでネットなんか使うもんじゃない、速く一階のcasinoに行け」という声が聞こえそうでした。部屋の汚い絨毯&窓が一つなく昼夜を判断できないcasinoが強く印象に残っています。
・カメラ用フイルム 対 カメラ用メモリーカード
についてピント来ません・・・guess中・・・

投稿: リンリン | 2009年2月17日 (火) 16時31分

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