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2008年6月

2008年6月30日 (月)

無印良品の魂

今月の嶋口研究会のゲストスピーカーは無印良品で知られる会社良品計画の社長を務める金井政明社長だった。創業当時から携わっていたと言うだけあって、無印良品に対する思い入れやこだわりの強さがびしびし伝わってくる講演だった。

日用品は価格優先である。そうだとすれば、本当に良いものかどうかはお客様の判断にゆだねた方が良い。あるいは使い方すらお客さまにまかせるべきである。したがって、無印良品というネーミングは、なるべく自らの個性を消して、判断をお客さんにゆだねるのが一番良いと言うことから来ているそうだ。
あるいはお店では買ってもらうために商品のパッケージは目立った方がよいが、家に帰ってくれば目立たない方がよいものも多いそうだ。たとえばティッシュペーパーがそうだと言われて、なるほどねと思った。

また、新しいデザインとは観察から生まれるというのは同感だ。
無印良品のベッドの背もたれは少し角度がついている。ベッドに座って本を読むときに、背もたれがいすのように少し傾いていた方が快適だからだそうだ。そういわれれば、市販されているベッドの背もたれというのはすべて直角だな。元々、壁に押しつけて収まりのの良いことを狙いにしているせいかも知れない。

無印良品の理由(わけ)というしゃれた小冊子を出していて、その中でそれぞれの商品のこだわりやポイントを解説している。

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Vol.01の17番の商品「落ちワタふきん」は内田ゼミ生の増田さんが商品開発を担当したそうだ。糸を作る工程で取り除かれた落ちワタを活用した商品だそうで、いかにも環境に優しそうな感じがしました。

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2008年6月27日 (金)

マイクロペイメント

大学の近所に天丼屋チェーンの「てんや」の店ががある。ごく普通のてんやだ。ただ、その店の前に置かれるている人形がユニークだ。要するに宣伝のPOPなのだが、なんとJR東日本のSuicaの人形(と言うより風船)だ。

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Suica自体も珍しくない。しかし、それが天丼屋でも使えるとなると、電子マネーとして普及しつつあるというか、デファクトを取りそうだなという感じが強くする。
電子マネーには他にもampmを中心に全国たくさんの店で使えるEdyがあるが、こちらは正直伸び悩んでいる感じだ。

なぜEdyが苦戦し、Suicaが善戦しているのかと言えば、Suicaは電子乗車券という本来の目的があり、そちらでシステムコストをまかなっているために、電子マネーのコストは低くて済む。そのために積極展開できる。それに対して、Edyは電子マネー以外に稼ぐ手段がなく、単独で収益を上げる必要があるのだが、そう簡単に収益が上がらないために投資ができないのだ。。
と言うのも電子マネーの支払いはもっぱら1000円以下の小銭的支払いに使われるからである。皆さんがコンビニや駅の売店でものを買う時を考えれば、わかると思うが1000円以上はまれで、たいがいが数百円止まりである。こうした細かい支払いのことをマイクロペイメントという。
一回の支払いが数千円から数万円に使われるクレジットカードなら数百円単位の手数料を取ることが可能だが、一回の支払いが数百円の電子マネーでは小売店から手数料を100円も取るわけにはいかず、せいぜい10-20円しかもらえない。ところがシステム的には数千円の支払いも数百円の支払いもコストは変わらない。これでは電子マネーの胴元が元を取るのが極めて難しい。したがってEdyは収益性に難点があり、なかなか積極展開が難しいと言うことになる。

同様な理由でコンビニ電子マネーのnanaco(セブンイレブン)やwaon(イオングループ)も単独での収益化は難しいと思われるが、小銭のやりとりがなくなることでレジの合理化が図れれば、そちらで採算が取れるかも知れない。すなわち、レジの合理化手段としての電子マネーと言うことになる。
しかし、小売りチェーン毎に別の電子マネーで他では使えないというのはユーザー不在も甚だしい。

一方で、携帯に搭載された電子マネーは結構有望である。一つにはSuica同様に、インフラの費用は通信事業の方でもとを取ることができるために限界的費用は極めて低い。さらに、携帯は誰もが外出時に必ず持参する。そうなると、それに電子マネーが積んであれば、新たにカードを持つ必要がないというメリットがある。後は、セキュリティ上の理由(落としやすい、しら沼に使われてしまうなど)がどれだじぇ発展の障害となるかであろう。

いずれにしても、各社がバラバラの電子マネーを展開するのは、ユーザー視点の欠如と言うことになるので、そのうち全部が相互乗り入れになると思われる。

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2008年6月26日 (木)

現役と卒業生

先週の土曜日に早稲田大学ビジネススクールの内田ゼミ生(正式には市場強戦略モジュール専修の学生)の懇親会があった。
今年の3月に卒業した1期生とこの4月に入学した2期生の連中である。
1期生は6名中5名、2期生は12名中11名が参加と高い参加率だった。場所は高田馬場駅そばのちゃんこ鍋屋で、何となく30年くらい昔にタイムスリップしたような作りと雰囲気の店だったが、幸い貸し切り状態で大いに盛り上がった。

私は常々ビジネススクールで学べる最大の財産は同級生とのネットワークだと言っているので、そのネットワークが同級生を超えて同窓生まで広がることは喜び以上の何ものでもない。あんまり気分が良くて、当日の写真を取り忘れたのが私としては残念だ。

さらにこのネットワークがビジネススクールの学生だけでなく、学部の学生や卒業生ともつながっていくことを大いに期待している。これこそ教師の醍醐味ではないかと思う。

今回の懇親会は現役生の増田さんが仕切ってくれた。彼女は良品計画で商品企画を担当としている。どうもありがとう。
実は1期生については、私のブログでゼミ生紹介と言うことで全員を紹介したが、現在のゼミ生についても本人たちの了解が取れればやる予定です。いろいろなバックグラウンドの人たちが来ているので、多士済々でおもしろいゼミだ。

話は飛ぶが、来年度の早稲田大学ビジネススクールの説明会は8月の上旬に行われる予定だ。その際にはプログラムの詳細がはっきり公表できるのであるが、来年度も私のモジュールを募集する。これまでは一年おきだったのであるが、今後は毎年開講出来たら良いなと思っている。
現在はっきりしていることは下記の大学院商学研究科のホームページに載っています。

http://www.waseda.jp/gradcom/pro/2009_01.html
来年度は興味深いモジュールが10個揃いました。楽しみです。
詳細については、入試の説明会に来ていただくか、募集要項を見ていただくのが一番であるが、アドバンスでお知らせしておきます。

やる予定だ。

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2008年6月24日 (火)

デザインの引き出し

昨日のカンブリア宮殿(TV東京)は以前にこのブログで取り上げたデザイナーの奥山清行さんがゲストだったが、NHK以上に生の声というか本音トークが多く、断然こちらがおもしろかった。と言うか、同じような主旨のテーマが5月にNHK、6月に民放の両方で放映されるのは珍しいなと思った。
いくつか印象に残った言葉を紹介しよう。

彼はイタリアの超一流のデザイン工房ピニンファリーナでデザイナーとして活躍し、フェラーリのフラッグシップモデルをデザインしたことで知られる人である。

仕事の依頼が来てからデザインを考えるようでは遅い。仕事が来てから浮かぶアイデアにろくなものはない。それより、仕事が来るか来ないか分からない段階からアイデアというのは常に考えておくものだという。それだけの準備があって、始めて仕事に生かすことが出来るので、そのためには引き出しに出来るだけたくさん貯めておくことが重要だと言っていた。
全く同感である。私の20の引き出しも全く同じ発想だ。
ただし、彼の場合は毎日100のアイデアを出すことを自分に課しているというから驚きだ。

日本人は職場に仲間意識を持ち込み、仲良しクラブになりがちだが、本当のプロフェッショナルというのは、自分と同等な人か自分より優秀な人を部下に持つことで、お互いに刺激を受けて、結果として良い仕事ができるようになると主張する。
うーん、その通りだけれど、実際の企業でここまでやれる人は日本に何人いるかな。と言ってもコンサルティングファームでは当たり前のことではあるが・・。

職場が最高の学校である。
BCGは学校であると言っている内田にとってもは我が意を得たりである。

最後にほっとする話を一つ。彼のデザインした山形の鉄瓶が欧米で大変な人気で、NYのMOMA(近代美術館)に陳列されているそうだが、自動車では入りたくても入れなかったMOMAに鉄瓶であっけなく入れるのだから、人生よく分からないとコメントしていたのが印象に残った。

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2008年6月23日 (月)

ネスカフェ侮れず

ネスカフェで有名なネスレの知り合いから、ネスレの作っているレギュラーコーヒーのパックをいただいた。一つの袋から一杯分のレギュラーコーヒーを抽出するパック式のドリップコーヒーである。

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正直、インスタントコーヒーのネスカフェが出しているレギュラーコーヒーで、かつパック式のコーヒーカップ一杯分を入れるという安直な方式であると言うことから、味についてはあまり期待していなかった。

期待は大きく裏切られた。インスタントコーヒー屋のレギュラーコーヒーがめちゃうまいのである。

大学の研究室でもおいしいコーヒーが飲みたいと思い、最初のうちはコーヒーメーカーでちゃんとドリップしてコーヒーを作って飲んでいたのであるが、いかんせんコーヒー殻の処分とコーヒーメーカーの掃除が面倒くさい。そのため、結局はスーパーやコンビニなどで売っている、5個か10個パックのドリップコーヒーを愛用することになった。
味も一人で手軽に入れて飲むのならこんなものかなと思っていたのであるが、ネスカフェのを飲んで、これなら豆から入れたり、コーヒーメーカーで入れるコーヒーと変わらないなと思った。
恐るべし、ネスカフェである。

でもこんなの出して、インスタントコーヒーが売れなくなったらどうするのだろうかと余計な心配をしてしまった。

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2008年6月22日 (日)

gabaのCOO

学部のゼミに最近急成長している英会話学校gabaの副社長でCOOの須原清貴さんが来てくれた。
須原さんは、商社やBCGでの経験を生かして、ベンチャー企業だったgabaにCFOとして就職し、東証マザーズ上場まで持って行くのに貢献した男だ。

学生を相手にベンチャー企業経営のおもしろさと苦労話を話してくれたのだが、ゼミ生がすっかり聞き入るほどの熱弁で、良い影響を与えてくれたのではないかと感謝している。コンサルタント時代はどちらかと言えば調子の良い感じもあったが、今や堂々たる経営者になって、とてもうれしかった。

講演の後はゼミ生との懇親会に須原さん以外にも同社の社員2人が参加してくれて、大いに盛り上がった。
そのとき二人で撮った写真である。

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須原さんのますますの活躍を祈っています。

彼のような実ビジネスを行っている経営者の話は、すぐには役に立たなくても、いつかゼミ生の社会生活に大きな影響を与えるのではないかと思って実施している。
幸いお願いした経営者やビジネスマンがみんな二つ返事で駆けつけてくれるのはとてもうれしいことだ。

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2008年6月18日 (水)

小さな大発明

先日夜中に何気なくテレビを見ていたら、カッターナイフというのは日本人が発明して世界に広がった商品だと言うことをという紹介をしていた。あの独特の形状、板状の刃に、斜めに折れ線が入っているのは何百本という試行錯誤のたまもので、幅、厚み、斜めに入った線の角度、どれ一つ違っても切れ味が劣ってしまったり、うまく刃が折れてくれないそうだ。
さらに、どれくらいの深さで溝を切るかも、むやみに折れてはいけないし、そうかと言って刃を取り替えるときには簡単に折れないといけないという絶妙のバランスから来ているそうだ。OLFA(オルファ)というブランド名が折る刃(おるは)から来ているということはブランド名を見てそう思っていたが、まさか世界最初にカッターナイフを作ったメーカーだとは知らなかった。

このカッターナイフは、言われてみれば単純な商品なのに大変良くできている商品だと再認識した。

そういう眼で世の中を見回してみると、単純だったり、ちょっとした工夫で大ヒット商品になっているものは多いなと思い当たった。いわばコロンブスの卵的商品である。

例えば文房具用品だけ取ってみても、
ホッチキス(単純な構造で、紙をしっかりとめてくれる)
ゼムクリップ(同じく単純な構造で、紙を仮止めしてくれる)
ポストイット(貼ったものを剥がすという発想がすばらしい)
など、いろいろある。
ボールペンなんて、誰がどうやって考えついたのだろう?

他にもいろいろあると思うので、皆さん思いついたら教えてください。

機会があれば、次は食品編でもやろうかな

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2008年6月17日 (火)

一番好きなチョコレート

私はお酒がほとんど飲めない代わりに甘いものが大好きだ。その中でもチョコレートは大好物である。
人様から高級チョコレートをもらうことも多いが、実は猫に小判だ。というのも、私の好きなチョコレートは他に何も入っていない無垢のチョコレートだからだ。といっても、甘い物好きと書くくらいだから、カカオ100%とか70%とかのチョコレートが好きなわけではない。いわゆるミルクチョコレートが好きなのである。
もちろんクリームが入っていたり、ナッツ類の入ったチョコレートも嫌いなわけではないが、何はなくともただのミルクチョコレート派である。

といっても、ミルクチョコレートなら何でも良いというわけではない。普通の明治や森永の板チョコは物足りない。実は一番好きなチョコレートは森永チョコレート・ハイクラウン<ミルク>である。私が子供の頃に新発売になったから、かれこれ40年くらいは売られているロングセラーである。ところが、これがお店では滅多に見ることが出来ない。

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生産中止になってしまったのかと心配していたら、最近コンビニのampmで時々見かけるようになった。見つけたときは買いだめする。といっても5個くらいである。本当は段ボール箱で買いたいくらいであるが、持って帰るのも大変だし、そんなにいっぺんには食べられない。しかも室温では溶けたりするリスクもある。
写真のチョコレートは定価120円で売られているが、以前は100円だったことを考えると良心的な価格設定である。ただし、以前は薄いのが6枚入っていたのが、少し幅が狭く厚みを増したもの3枚に変更になって、かつ箱が小さくなっていることから、実質は値上げになっているのであろう。でも依然として安い。

皆さん自分が好きな商品がなくなりそうな時って、どうしてますか?ただ諦めるしかないのでしょうか?
最近も愛用のシャンプーのP&Gリジョイが店では見つからなくなりました。娘がネットで調べてくれたたら廃番になってしまったようです。フケ取り効果が大きくて、愛用していたのに。

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2008年6月15日 (日)

使えない副都心線

昨日、新しい地下鉄副都心線が開通した。大学そばに駅があるので、早速使ってみた。
自宅から田園都市線で渋谷駅に着くと、ホームに下りのエスカレーターが新設されていた。その先に改札があるのかなと思っていると、そのまま副都心線の駅に直結していた。これは便利。
開通当日と言うことで、土曜日にもかかわらず大変な人だかりだった。

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ふと壁面を見ると渋谷駅にもかかわらず、新宿の伊勢丹百貨店の広告があった。新宿3丁目駅が伊勢丹に直結しており、新宿三丁目までは渋谷から急行でわずか一駅5分の距離のために渋谷に来ている買い物客を新宿まで引き寄せようという作戦のようだ。

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さて、大学そばの西早稲田駅までは渋谷から各駅停車で10分程度、ここまではやったという感じだった。

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ところが、駅を降りてからがいけない。西早稲田駅は早稲田大学の理工学部前にあることもあり、早稲田キャンパスまでは遠い、遠い。改札口から大学の研究室まで徒歩で18分もかかってしまった。これでは従来通り東西線の早稲田駅を使った方が断然楽だ。トータルの通勤時間もほとんど短縮になりそうもない。

記念に開通当日の切符を買って、パチリ。

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せっかく開通した副都心線であるが、日常の通勤に使うのは無理だと言うことがよく分かった。と言うことで、個人的には「使えない副都心線」ということになる。

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2008年6月12日 (木)

冨山和彦

昨日の大隈塾「リーダーシップ論」のゲストは、産業再生機構前COOの冨山和彦氏だった。

彼のリーダーシップ論は、自分がコンサルタント会社(CDI)を経営していた時の経験と産業再生機構で41件の企業の再生にかかわったことから学んだ社長の資質に関するもので、実体験に基づく分、極めて迫力がある話だった。

迫力があるだけでなく、分かりやすいたとえ話に学生もすっかり引き込まれていた。たとえば、経営者は言ったことややったことに責任を持つ与党だが、課長・部長までは何を言っても許される野党なので同じリーダーといえども立ち位置が全く違う。君らも社長になりたかったら、与党の立ち位置にならないとダメだよといった話は共感を呼んでいたようだ。

現在は自分の会社を立ち上げているが、政府の委員などにも引っ張りだこのようだ。
頑張って欲しい若手経営者の一人である。

実は冨山さんは元BCGのコンサルタントで、私の同僚でもあった人だ。

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2008年6月10日 (火)

大阪出張

昨日は大阪まで出かけて、朝日放送・テレビ朝日主催のサンデープロジェクト・フォーラムでのパネルディスカッションに参加してきた。
田原総一朗さんをモデレーターに、同志社大学教授の浜矩子さん、三井物産戦略研究所の渡部恒雄さん、朝日新聞政治部編集委員の星浩さんというメンツで、論客揃いでおもしろかった。

テレビはもちろん、紙面にも残らないと言うことだったので、各人が言いたいことを本音でしゃべった感じが出ていて、聞いていた人々もおもしろかったのではないかと思う。
どちらかという政治や国際経済の話が主で、私には専門外の話が多く、パネリストと言うよりは一聴衆として、次の首相が誰で、内閣改造のメンツがどうなるあるいはアメリカの政局がどうなるかといった日頃あまり縁のない話を楽しむことが出来た。

企業のあり方については、私が一人と言うこともあり、応対が大変だったが、他に専門家がいないので、あまり突っ込まれずに楽だった面もある。
それでも田原さんにうまいこと誘導されて、意図せずして浜さんと真っ向勝負の形で対決するはめになった。テレビに出る人はこうやって田原さんの意図にはまってしまうのだろうなと感じた。恐るべし田原パワー

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2008年6月 9日 (月)

進化する自販機

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写真は最近はやりのスペシャリティーコーヒーショップ(早い話がスタバのようなコーヒーショップのこと)のメニューのようにに見えるが、実はそうではない。早稲田大学の校舎にある自動販売機のメニューである。

自販機と言えば、味も素っ気もないパネルとどこで飲んでも大して違いのない味の飲み物と相場が決まっていたが、この自販機は違う。
キャラメルマキアートもあれば、シナモンラテのアイスもある、さらにはフローズンドリンクまである。

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最近のカップ式のコーヒーの自動販売機には、わざわざ販売時にコーヒーをドリップして提供する方式のものも多い。気のせいか、味もスタバは無理としてもマクドナルドのコーヒーくらいの味は出ているような気がする。こんなことを言うとマックに怒られるかな?

先日、成田からの帰りで立ち寄った東関東自動車のサービスエリアには、地方の方言で案内をする自動販売機というのが設置されていた。何の目的かは分からないが、もちろん遊び心のマシンで、各地方の方言で案内してくれるという代物である。

台数で見ても、性能で見ても日本は自販機天国であることは間違いない。その中でも金融関係の自販機の性能には目を見張るものがある。アメリカなどでは読み込んだお札が認識されないことも多々あるし、何よりも故障などでサービス停止中の自販機も数多く存在する。
日本のお札識別機の高い技術(偽札を見つける、シワシワのお札でも認識するなど)は海外でも高く評価されているとのことだ。

そういえば、日本で暮らしていた外人が国に帰るときに持って帰りたいもののNO.1に上がるのがウォッシュレットだと聞いたことがある。これも自動機の最たるものかも知れない。

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2008年6月 3日 (火)

身体が切れる

昨日のオマーン戦の松井大輔は良かった。

身体が切れていて、恐いくらいだった。相手選手は本当にいやだったと思う。
特に中村俊輔の得点を演出した時の突破力は神がかっていた。サイドラインぎりぎりで後ろから追いかけていって、相手選手のボールを強引に奪ってしまった。普通なら、外にボールが出てしまうか、ファウルになるのが、どちらにもならずに相手選手を抜き去った上にボールまで持って行ってしまった。そのままゴールライン近くまでボールを持ち込み、全くフリーになって、ゴール前にいた中村俊輔にセンタリング、俊輔は相手の意表を突く右へ突破で、そのまま右足でシュート。ゴール!
中村の右足が注目されたが、中村にとってはイージーボールで、あれは松井の得点だ。

サッカー選手は「身体が切れている」という表現を使うが、そうなると誰も止められない。3-4年前のロナウジーニョがそうだったし、日本リーグでMVPに輝いたときの三都主(アレックス)がそうだった。前回アジアカップで優勝したときの川口も神がかっていたな。但し、キーパーの場合は身体が切れているとは言わない。
私が一番大好きなサッカー選手は中村俊輔だが、残念ながら2006年のワールドカップの時はそうではなかった。

こうした状況は、元々素質がある選手でも滅多に生じない。但し、いったんそうなるとしばらく継続する。

なぜなのかはよく分からないが、仕事でもそういうことはある。コンサルタントをやっていて、浮かんだアイデアが検証するとすべて合っているなんて場合だ。

企業にたとえると、出す製品出す製品、みんなヒットして手がつけられない状況かな?ちょっと違うな。これは今後の課題。

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2008年6月 2日 (月)

とりあえずマック

昨晩東京12チャンネルの久米宏の経済スペシャルという特別番組で20代の若者が消費をしなくなったと現象を解説していた。
彼らお金を使わない若者を「新ニッポン人」と呼ぶそうだが、結構ショッキングな内容だった。
以前このブログでも紹介した若者の車離れは深刻だ。番組に寄れば、たとえばこの数年で20代の若者の車保有率は20数%から10%前半へと半減している。あるいは、デートにクルマを必需品と考える若者はほとんどいない。休日の過ごし方も家でぼっーとしているか、ゲームをやっている。ドライブに行く奴なんか誰もいないし、格好良いとも思わない。
普段もほとんど自宅から離れないか、せいぜいコンビニくらいしか外出しない若者を1マイル族と呼ぶそうだが、一体何が楽しいのだろうかと心配になってしまう。

あるいは、20代の3人に一人は酒を飲まないそうだ。お酒メーカーが危機感を募らせるのもよく分かる。
これもよくいわれる話だし、私も自分のゼミ生で経験しているのでよく知っているのだが、最近の学生はビールを飲まない。したがって、飲み会でも最初からチューハイやカクテルのような飲みやすい酒が当たり前で、「とりあえずビール」は死語になっている。番組でも20代を代表しているゲストの小倉優子がおじさんと飲むときは、悪いので「とりあえずビール」につきあうけど、若者同士で飲むときはビールは飲まないと発言して、久米宏をがっくりさせていた。

酒を飲まない学生がどこへ行くのかというと、なんと夜中にマックに行くと言うことで、高田馬場駅のマックが学生でいっぱいな様相が映し出されていた。そのインタビューで何をしているのかと聞かれて、学生が「とりあえずマックに来て」友達と話をする、しかも使うお金は100円のコーヒーだけだという。若者に金を使わせるのは至難の業だと言うことがよく分かった。

さらには海外旅行へ行く若者も減っているそうだ。

そもそも彼らは金を使わないのは、ものに興味がないのもあるが、それ以上に将来への不安があるからなようだ。番組でも20代で貯金をたくさんしている若者が数多く紹介されていた。中でも21歳のフリーターが月々15万円も貯金しているというインタビュー結果には驚きを通り越して、日本の将来への懸念が募る一方だった。20代で貯蓄をしている若者の数は71%にも達するという。若い内は借金をしてでも自分へ投資しろと言うのが持論の私には、ちょっとショックだった。

そういえば私の大学でも生活に困っている学生に奨学金を貸与ではなく給付するタイプのものがある(要は返済しなくてよい奨学金だ)。そうした奨学金を希望する理由を学生に聞いたら、貸与の奨学金を借りているのだが、それだと将来へローンが残るので、もらえる奨学金をもらって貸与の奨学金への返済に充てたいというのだ。開いた口がふさがらなかったが、昨日の番組を見て妙に納得してしまった。

お金を使わない若者に、日本の将来というか成長性への不安を重ね合わせたのは私のような年配者だけだろうか?

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