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2008年2月 1日 (金)

キョロキョロする好奇心

昨日、市ヶ谷の私学会館で日本マーケティング協会の新年賀詞交歓会があり、それに先だってマーケティング協会の新会長で花王の現会長でもある後藤卓也氏が「企業の成長を支えるマーケティング」と称して、講演を行った。
これまでこうした催しには参加したことはないのであるが、何しろ恩師の嶋口先生がマーケティング協会の理事長になったので、何はともあれ駆けつけなくてはと思って行ってきた。

花王の前会長の常盤氏とは一緒に本を書いたこともあるのでよく知っているのであるが、後藤氏については以前挨拶を交わした程度で人となりはあまり知らなかった。常盤さんは時々哲学っぽい話などが混じるが、話し好きで、愉快な人というイメージに対して、今日聞いた後藤さんの話は、彼の人柄を感じさせるまじめな花王らしい話だった。
何しろ、講演の締めの言葉が「凡を極めて、非凡に至る」だった。花王の企業文化そのものである。

その中で、あれこれって私に似ているなと思ったのが、「キョロキョロする好奇心」という言葉だった。彼は電車で通勤することが多いらしいのだが(これだけでも大企業のトップとしては珍しい)、その時に電車の中であれこれいろいろ見るのだという。たとえば電車の中吊りを見れば週刊誌の見出しから、世の中で何が今話題になっているかがおおよそ分かる。あるいは、みんながどんな格好をしているか、あるいは何をしているのかを観察するという。これをキョロキョロする好奇心と呼ぶそうである。
これは私が日頃やっていることとそっくりだ。ブログの読者は知っての通り、私の場合は観察に加えて、デジカメで写真を撮る。電車の広告だったり、駅のポスターだったり、人の流れだったりするわけである。

後藤氏の話に戻る。彼に言わせると電車の中で観察をしないで携帯をいじり、会社について始めて今日は消費者のことを調べるぞなんて言う社員には絶対消費者のことが分かるわけがないそうだ。花王の社員にもそう言っているとのことだ。全く同感である。
携帯やPCの画面をじーっと眺めていて、ビジネスや商品のアイデアが浮かぶほど世の中甘くはない。あるいは消費者に何が欲しいか聞いて、ダイレクトに商品化につながる答えが返ってくることもない。消費者の行動や言動を注意深く観察することで初めて、消費者自身も自覚していない潜在化ニーズを掘り起こすことが出来るのだ。

話は前回と前々回のプロフェッショナルの話に戻るが、こんなに反響があるのはテーマが良かったのか、イチローを取り上げたせいか、Jさんの投げかけが刺激的だったせいか、よく分かりませんが、いいディスカッションが続いていると思います。こういう時にブログをやっていた良かったなと思います。ただ読んでいてもらうだけでももちろんうれしいのですが、自分の意見が波紋を呼んで、議論が進化していくのが一番うれしいです。

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コメント

Keyさんへ

先日の名前なしはKeyさんでしたか。
いつもコメントありがとうございます。

花王という会社の愚直さはトヨタの強さに相通じるものがあります。

ところで、コメントするときは気軽で結構ですよ。

投稿: 内田和成 | 2008年2月 3日 (日) 19時46分

前回、名無しでコメントしてしまったkeyです。

私は地方にいて、ビジネスの第一線で活躍されている方々の
講演会などを聞く機会がありません。

なので、ビジネス界の最新の動きなどを知ることができる先生のブログを拝見するのが楽しみです。

ただ、一方的にブログを更新されるだけでなく、私の意見に先生がコメントしていただけることもとてもうれしいです。

私も、もっと勉強して先生と皆さんの参考になるコメントをよせたいと思います。

投稿: key | 2008年2月 2日 (土) 07時50分

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