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2008年1月

2008年1月30日 (水)

プロフェッショナルの条件とは

昨日のイチローの記事に、Jさんから大変興味深いコメントが寄せられた。
詳細はコメント欄を見てもらうとして、それに触発されたのが今日のテーマだ。

Jさんのコメントを私なりに解釈すれば、イチローは一選手としては優秀かもしれないが、野球がチームプレーであることを忘れて個人主義に走りすぎているが故にアメリカのファンの間ではすごいな(impressive)とは思われても、尊敬(respect)はされないのだという。

なるほどと思う反面、それは悪いことなのかという疑問も浮かんできた。
日本を飛び出て海外で活躍した選手は多かれ少なかれ、似たタイプが多い。サッカーの中田英寿がそのタイプだし、古くは野茂もそうだったと思う。

以前私が書いた本の中に、これからの組織における働き方を銀行ギャング団方式として提唱したことがあった。少し長いが引用しよう。

実力がすべての銀行ギャング団方式
 プロフェッショナルの能力を活かし、やる気を育てる仕組みの一例として「銀行ギャング団方式」を提唱したい。
 銀行ギャングを成功させるためには、いくつかの条件がある。まずは特定分野の専門家を集めなければならない。例えば、金庫を開ける係、爆破係、運転手、セキュリティシステムの専門家、拳銃などの武器を使える人間などである。ボスになる人間は、これらの分野の専門家をどこからか集めてこなければならない。加えて、個性派の彼らを目的のために協力し合うようにし向けなければならない。
 もし金庫を開けることが、銀行ギャング成功のために最も重要であるならば、ボスより年上であろうが嫌なヤツであろうが、もっともスキルのある人間を選ばなければ成功の確率は下がる。目的を達成した場合には仕事の難しさや貢献度に応じて報酬を払わなければならない。そして銀行ギャングが成功した暁には、ボスではなく金庫を開けた人間が最高の報酬を受け取ることさえ十分あり得る。
 要するに与えられたミッション、あるいは自ら設定したミッションの遂行にふさわしいチームフォーメーションを取ることが重要であり、今までのような年功や地位でメンバーを選ぶよりも、スキルとプロ意識でメンバーを選ぶと言うことである。(内田和成「eエコノミーの企業戦略」、PHP社、2000)

要するに変わり者でも、組織のミッション達成のために必要な人間であれば、そいつを使いこなす必要があるし、リーダーにはそれだけの力量・度量が求められるという話だ。

イチローがマリナーズにとって果たしてそういう存在なのかどうかは私にはよく分からない。しかし、彼は私が上に定義したところの仕事請負人としては一流であることは間違いない。
しかし、日本ハムを一年で日本一に導いた新庄剛のような求心力がないことはJさんの言うとおりであろう。新庄は記録だけ取れば平凡であるが、何か人をその気にさせるものを持っているのだろう。しかし、それが人の上に立つリーダーに向いた資質かというとまた別のものであろう。

例えば、現役時代の落合は今のイチロー以上にチームプレーヤーではなかった。
ところが、その落合がリーダーとしては、きわめて成功しているのだから、人生は分からないというのが正直な感想だ。

少し脱線しましたが、真のプロとは、あるいはそのプロを束ねるチームプレイとは、あるいはそのリーダーの資質とはについて大いに考えさせられるJさんの投げかけでした。
皆さんの声をお聞かせください。

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自分との闘いの向こうにあるもの

昨晩遅くNHKで茂木健一郎さん司会のプロフェッショナルの特別版でMLBのイチローを取り上げていた回の再放送を見た。

その中でイチローがおもしろいことを言っていた。
イチローは昨シーズンの前までは、自信がないので自分との闘いと言っていたというのだ。それがようやく人と戦う自信が出来たので、2007年は人に勝つと決めたのだというのだ。
確かに以前のイチローはインタビューの度に、何を聞かれても「自分との闘いですから」と答えていたのは、私はたいした自信でかわいげのない奴だと思っていたのだが、実はそうではなくて人に勝つ自信がまだなかったので自分との闘いだと言い続けてきたそうだ。
人と戦うのは本当に大変で当時のイチローは自分がそこまでいっていなかったので、自分との闘いと言い続けてきた。でもようやく人と戦うところまで来たと確信できるようになったので、そう宣言するようになったそうだ。
だから、去年は相手に勝って首位打者を取りたかったのに、それが出来なかったのが悔し涙につながったのではないかと自己分析していた。

これまで、まず他人との戦いが先にあって、それに勝つためには最後は自分との闘いがあると思っていたのであるが、イチローの話を聞いて、その逆も十分あるのだなと思い直した次第である。すなわち、自分との闘いに勝てるようになって、初めて他人と勝負できるようになるという話である。
プロフェッショナルの真髄を見た気がする。

もちろん自分はコンサルタントのプロだ、だから顧客に最高の仕事を提供する自信もあるし、顧客の期待に応える自信もあった。しかし、自分が仕事に臨む際に、そこまで突き詰めて考えていたかというと自信はない。ただ、自分の仕事に絶対の自信を持っていたことは事実だし、そうでなければ顧客の命運がかかった提案をする資格がないと思う。もちろん自分で納得がいく仕事が出来なかったときにそれをやり直す勇気や、他人から批判されたときに謙虚に聞く耳を持たないと、自己満足に終わってしまう危険性もある。
自分でも何を言っているのか、はっきりしないところがあるが、一つだけ確かなことは、昨晩のテレビを見て私のプロ魂にも火がついたということだ。

ちなみにプロフェッショナルの司会をやっている住吉さんのブログにも、今回の放送へのコメントがたくさん書かれている。興味がある人は覗いてみたらどうだろうか。
http://www.nhk.or.jp/professional-blog/100/6636.html

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2008年1月28日 (月)

小田急ロマンスカー見参

今日地下鉄の駅のポスターを見ていたら、えっと言うようなポスターがあった。

Photo

なぜ驚いたかと言えば、小田急のロマンスカーが地下鉄千代田線へ入ってくると言うではないか。

子供の頃、ロマンスカート言えば家族か学校で江ノ島か箱根に行く時に乗る特別の列車であこがれの的だった。特にあの先頭車両に乗れたらどんなに眺めが良いことだろうといつも思っていた。
そのロマンスカーが朝の通勤時間や夕方の通勤時間に太田町や霞ヶ関までやって来る、あるいはそこから乗って帰れる。なんて贅沢なことだろう。小田急(&地下鉄)も粋なことやるなと言うのが第一印象だった。

次に思ったことは、ちょっと待てよ。朝の小田急というのは大変な混雑で、しかも本数が多いためにダイヤ通りに走れることはまれで、世田谷の千歳船橋から新宿まで昼間なら10分強で行くところが、朝は30-40分は優にかかってしまうぐらい混む。あの異常なのろさは複々線かで解消されたのかな?
そうでなければ、ロマンスカーに乗る人は良いが他の人のイライラが増長されてしまうのではないかと余計な心配をしてしまった。

実際の時刻表を見てみると、ロマンスカーが都心まで乗り入れる時間は本厚木を朝の6時台に出て都心には8時前に着いてしまう列車1本だけだったので、それなら大丈夫かな。
ちなみに、小田急は地下鉄有楽町線経由で新木場まで行く列車も走らせるそうで、これにはさらにびっくりした。というのは、この線には普通の小田急電車も乗り入れていないからだ。
どんなマジックでこれが可能になるのかはよく分からないが、千代田線とは霞ヶ関当たりでおさらばして桜田門当たりで有楽町線に乗り入れるようだ。
こちらは土日のみと言うことで、どうも小田急線沿線からディズニーランドに新木場乗り換え一回で行けますというのが売りになるようだ。

いずれにしてもJRの駅ナカと言い、今回のロマンスカーの地下鉄乗り入れと言い、これまで保守的で新しいことはなかなか取り入れてくれなかったJRや私鉄や地下鉄が消費者を驚かせるあるいは感動させるようなビジネスを始めたことは本当に良いことだと思う。

今後もこうした保守的と思っていた企業から、びっくりするようなアイデア・サービスが出てくると良いな。

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2008年1月27日 (日)

成田空港のスキー客

修士論文の審査という大事なときに風邪を引いてしまい、大変しんどい思いで審査に臨んでいる。昨日がピークだったが、もう一日残っている。
そんなさなかに長女がオーストラリアへ留学のために旅立っていた。そのために成田空港まで見送りに行き、先ほど戻ってきたところである。

今日空港でびっくりしたことがある。娘の行き先がメルボルンというこで、直行便のあるカンタス航空に搭乗したのであるが、チェックインカウンターで見たものは実にたくさんのスキーケースだった。それが日本人のスキーケースなら、行き先はオーストラリアではなくヨーロッパやカナダのはずだ。

実は、それらはすべてオーストラリア人(カンタス航空に乗る家族連れなので、勝手にそう決めつけたわけであるが)の家族連れのものだった。何でこんなにたくさんのオーストラリア人がスキーを抱えてオーストラリアに行くんだと思ったのでのあるが、考えてみれば彼らはオーストラリアに行くのではなく帰るのだった。

そして、ああそうか、最近北海道のニセコがオーストラリア人やニュージーランド人でにぎわっているというのを思い出して納得がいった。要するに夏休み(南半球のオーストラリアは今が夏の真っ盛り)を利用して日本にレジャーに来ている連中が帰るところなんだ。
「一便にスキー客だけで何十人か乗っている」ということは、本当にたくさんのオーストラリア人やニュージーランド人が日本に来ているんだなと実感した次第である。

同じような話で、九州のゴルフ場では韓国から飛行機に乗ってやってくる韓国人が多いとか、昨年度日本から韓国へ行く人より韓国から日本へ来る人の方が初めて多くなったと言う話もある。また、秋葉原で見かける多数の中国人、あるいは香港や台湾から定期的に東京にやってくる若者たちの話など、これまで海外旅行と言えば日本人が海外に行く話ばかりだったのが、日本へ来る外国人の話題が多くなったのを感じる。

人口は減っていく、経済成長はそう期待できないとなると、これからの日本は観光立国で食っていくことを真剣に考えないといけないのではないかと感じた今日の出来事だった。

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2008年1月25日 (金)

小泉政権の担い手たち

14日の成人の日に、中学高校の同窓会総会というのがあり、そこでパネルディスカッションの司会をやってきた。パネリストが3名いたが、一人は小泉政権時代の経済諮問会議メンバーで東大教授の吉川洋氏、同じく東大教授であるが当時は日銀の政策委員だった植田和男氏、加えて小泉首相の秘書官を5年以上もやっていた現経産省の情報政策局長の岡田秀一氏という豪華メンバーで小泉政権の評価と日本のリーダーについて語ってもらった。

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内容については、きわめてまじめな議論で、デフレ経済・ゼロ金利でどうやって金融政策を行うのかとか、なぜ不良債権処理を積極的に勧めたのか、あるいは下手をすると景気が冷え込む可能性のある財政改革にこだわった理由などの話が展開された。二人の専門家と一人の側近が、経済音痴の私にも内容が理解できる分かりやすい話し方で、会場の聴衆も大変喜んでいた。
一方で、小泉政権の中枢ないしは身近にいた3人の話だけに新聞やテレビからではうかがい知れない内輪の話も聞けて大変おもしろかった。

これだけならどうっていうことはないのであるが、実は3人とも私とは同窓だけでなく同期である。こんなすごい連中が高校の同期であることに誇りを感じた一日でもあった。

ちなみに私は高校時代はプラハラードのネクスト・マーケットすなわちBOP(Bottom of pyramid)で、彼らはTop of Pyramidであったことは伝えておいた方がよいかも知れない。(これはプラハラードが書いた本「ネクストマーケット」を読んだ方にはすぐ分かるジョークです。)

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2008年1月24日 (木)

味のプロフェッショナル

銀座にかわむらというステーキ屋さんがあります。
知り合いの大企業の会長さんから紹介していただいた店ですが、日本で一番おいしいステーキやさんです(もちろん私見=独断と偏見です)。
そこのシェフの河村さんと話をしていると、プロ魂を感じます。

例えば、彼は肉の銘柄にはこだわらないというのです
銘柄(産地)ではなく、そのとき一番状態の良い肉を使うのがベストのステーキであると言う信念の基、あまり聞いたことのない産地の肉まで使って最高のステーキを提供してくれます。

「いい肉であればいいステーキになる。」
簡単な言葉ですが、すごい自信です。
肉を見極める自信とそれを最良の方法で調理する自信の両方がないと言えない言葉だと思います。

肉をステーキにするタイミングとか、付け合わせの野菜の下ごしらえとか、えっ、何でそんなに手間かけるのと言うくらいかけますが、味付けは素材の味を生かすためか本当にシンプルです。ステーキはほとんど何もかかっていません。
でも絶品です。

四谷に三谷という寿司屋があります。三谷さんという若いオーナーがやっています。こちらも大変おいしい寿司を提供してくれます。
しかし、三谷さんは産地に徹底的にこだわります。
しかも調理方法や握り方をあれこれ工夫して、いつも違ったものが出てきて、楽しませてもらっています。四六時中、調理方法を考えて、いろいろ試行錯誤しているそうです。
こちらは素材もさることながら、それをどう料理するかということに心血を注いでいるように見えます。

どちらの店もむちゃくちゃおいしいです。
まとめて語っては怒られそうですが、二人ともプロだなと思います。。
店はかわむらは8名も入れば満席です。三谷も10名は入らないでしょう。それが目が届く限界だと言ってます。

二人ともアプローチは違いますが、顧客を満足させるためにどうしたらよいかと考えている点、それを実際にいろいろ試してみる点、そして徹底的にクォリティにこだわっている点、さらに一カ所にとどまらずに常に今日は昨日より上を目指し、明日はまたさらに上を目指して精進している点が共通です。止まったら負けだと思っているのです。

コンサルタントもこうありたいものです

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2008年1月22日 (火)

“Tata”ショック

インドでもっとも成功している日本企業がスズキ自動車であることはよく知られている。元々は政府との合弁企業で、道中いろいろあったが現在はスズキが主導権を取って経営を行い、インドの自動車市場で50%近いシェアを誇っている。
今日は、そのスズキの成功物語を言いたいわけではない。逆にスズキも気をつけないと大変なリスクにさらされているという話だ。

今月10日に、以前から噂のあったインド地元企業による国産低価格車がいよいよ正式に発表された。タタ(Tata)財閥系のタタ自動車によるNanoと呼ばれる People's car だ。日本に昔スバル360という名車があったが、それを思い出せるシェイプだ。

http://www.just-auto.com/articleimagelist.aspx?ID=93532

価格は驚きの1台10万ルピー(ドルで言うと2500ドル、日本円なら27万円だ)。スズキの最量販車のマルチと比べて半値だという。日本では軽自動車でも80万円は優にするから、およそ1/3の価格である。

私の問題意識は、自動車においてもイノベーターズジレンマがインドをはじめとする新興国で起きるのかどうかと言うことである。
最初に作られた2500ドルカーは、既に自動車に乗っていたり、買いたいと思っていた人を満足させることが出来ないとしても、何でも良いからあるいは中古車でも良いから自動車が欲しいという人やバイクからのステップアップを考える人には十分な性能なのかもしれない。
そうなると日本メーカーのように日米欧を中心とした成熟市場で高品質でリーズナブルな価格の車を売ってきたメーカーにはチャレンジが訪れるのであろう。あたかも、ビッグスリーが70年代から80年代にかけて、小さくておもちゃみたいな日本車を「あんなものは車ではない、ガソリン代が下がればやがて我々の作っている大型車の時代が戻ってくる」と思っているうちにアメリカ市場を日本車に席巻されてしまったのと同じことが起きるのかもしれない。

一方で、この車はこれまでの日本車のような「すりあわせ技術」で精緻に組み立てられるようなものではなく、おもちゃのレゴ・ブロックのように定格の部品を組み合わせて作られると考えられている。
これは、電機製品で言えばPCに近い。PCメーカーは世界中からもっとも安い部品(標準部品)を探してきて、それを組み合わせて生産するだけで、組み立て時間は1台10分にも満たない。
その点から見れば、この車は生産革命をもたらす車とも言える。

こんなことを書いていたら、昔アメリカのパソコンメーカーのコンパック(現在はHPに吸収されてしまった)が日本市場に参入してきたときに、破壊的低価格で来たためにコンパックショックと呼ばれ、それまで日本市場でガリバーだったNECが大打撃を被ったことを思い出した。

世界の自動車メーカーにとって、この話が将来タタ・ショックと語り継がれることがないように祈っている。

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2008年1月21日 (月)

ぶれない経営

今日の日経新聞に共創ジャパンという企画(広告企画)の年頭提言が掲載され、4人の学者の提言が載っている。その内の一人が私だ。残りは東大の伊藤元重先生、藤本隆宏先生、一橋の伊藤邦雄先生だ。
全体のテーマは日本の成長・競争力向上への提言というものだが、そこで私は「ぶれない経営」を提唱している。

Nikkei080121_2

一言で言えば、時々の経営の流行に惑わされることなく自分の信じるところを貫く経営をして欲しいというメッセージだ。
こういうご時世なので、やれ企業価値経営だとか、コンプライアンス重視だとか、環境経営だとか、ダイバーシティとかいろいろ言われるが、そうしたことをすべて真に受けて経営するとろくなことにはならないというのが本音だ。
しかし、こうした本音を語ると風当たりが強いのが、今の世の中の変なところで、経営者も大変だなと思う。

興味がある方は、日経本紙をご覧になった上で、是非コメントをください。

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2008年1月19日 (土)

渋谷駅とエルゴノミックス

大学の行き帰りに渋谷駅を利用することがあるが、渋谷駅の山手線内回りホームからハチ公口に降りるところがいつも大混雑している。もちろん、乗降客が多いというのがあるが、階段の乗降を指示する標識が大きな原因だ。

Shibuyaeki001

写真にあるような緑で上向きの矢印が左側に、赤の下向きの矢印が右に出ている。これを見て多くの人が左側通行だと勘違いして、階段の左側に殺到する。私もそう思った。写真に写っている人々も左側通行をしている。
ところが実際の方向(駅の意図)は、左の上向き矢印は上りを意味し、右の下向き矢印が下りを意味する。したがって右側通行せよというメッセージなのである。

全員が勘違いすればまだ良いのだが、駅の意向通りに右側を目指す人も少数であるが存在する。一方で下から上ってくる人は指示通りに左側(下から見ると右側)から上ろうとするが、ホームから降りてくる大量の下り客に阻まれて、結局真ん中から上がってくる。結果として大変な大渋滞になっている。

Shibuyaeki002

特に休日は渋谷駅に初めて、あるいは久しぶりに来る人も多いので混雑に輪をかけているのだろう。
これが出来てからいっこうに直す気配がないが、間違う乗降客が悪いと思っているのだろうか?明らかに無駄な行動を誘導しているように見えるので、エルゴノミックスから見てもおかしなことになっている。

解決策としては、上りの方の矢印を車の進入禁止のようなマークにするとか、せめて赤信号と同じ色にするとか、いくらでも考えられるような気がする。

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2008年1月15日 (火)

仮説思考韓国語版

先日「仮説思考」が中国語になった話を紹介したが、今度は韓国語版が出版された。
こちらは翻訳が進行しているのを全く知らなかったので、本が突然送られてきてびっくりした。
最初は自分の本だということも分からなかった。
下の写真を見ていただきたい。どこにも書名や著者名を判断するものがないのだ。

Korean001_2 Korean002

では、この版は海賊版かというと、もちろんそんなことはない。
実は韓国の出版社が日本での出版直後に私の「仮説思考」の版権を買ったという話は、1年以上も前に聞いていた。しかし、それから全くなしのつぶてで、進んでいるのかいないのかも分からない状態だった。まあ、いずれにしても無事出版されて良かった。

ところで、娘から3つともとても同じ本とは思えないくらいテイストが違っているねと言われて、そういえばそうだなと3冊並べてみた(遊び)。左から、中国語版、韓国語版、日本版だ。

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中国語版や韓国語版も売れると良いなと思いながら、あてにせず気長に待つことにする。

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2008年1月12日 (土)

パナソニック

今日の日経に松下電器が社名をパナソニックに変更する話が正式に決定したと載っていたいた。「えっ、松下がなくなっちゃうの!」と言う驚きである。

松下は一昔前まで『国内での松下』、『海外でのパナソニック』以外にも、『AV関係ではテクニクス』という別のブランドまで持っていて、ブランド・アイデンティティの分かりにくさは以前から指摘されていた。おまけに、ビクターという別会社ブランドまで存在していた。
しかし、ここ数年は社名以外の部分でパナソニックへの統一が進んでいたため、社名変更も時間の問題と言えば、時間の問題だったのかも知れない。ビクターも売却してしまったし・・・。

松下と逆のブランド統一を行ったのが日産のケースだ。日産は昔は『国内では日産ブランド』を使い、海外特に最重要マーケットの『アメリカではダットサン』という別ブランドを使っていた。10年以上も前であるが、グローバルブランドに統一する必要があるというときに、海外で慣れ親しんだダットサンを捨て、すべてを国内と同じ日産(NISSAN)に統一した。当時は新ブランド浸透のためだけにアメリカで200億円という巨額の金を広告宣伝やCIに使って、成果があまり上がらず失敗だったと言われた。しかし、今から考えるとあのときやっていなければ今頃は大変だったのではないかと思う。今やNISSANは世界で知られた統一ブランドとなっている。

松下の話に戻ると、我々の世代であれば、経営の神様としての松下幸之助の現役時代を知っているだけについに松下の名前が消えるのかとそちらの面で感慨深い。個人的にももっとも尊敬する経営者を二人あげろといわれれば、本田宗一郎と井深大と松下幸之助の3名の中から選ぶのではないかと思っている私にとっては、頭では正しい戦略と理解しても、やや寂しい思いはぬぐいきれない。

こうした思い切った意思決定は中村社長が徹底的な破壊を行い、次に大坪社長が再構築を行うための象徴と見ると分かりやすい。この話、新聞では大坪社長の決断のように書かれているが、今回の仕掛け人は実は大坪社長ではなく、中村会長なのではないかと思う。

ここまで思い切った意思決定をしたのだから、後はパナソニックブランドを徹底的にグローバルブランドに育て上げて欲しい。かつては安売りブランドの代名詞だったサムスンが今では高級ブランド化しているのがいい先生になるのではないか。

やや飛躍するが、ソ連が崩壊し、一度どん底まで落ちてからロシアとして再度大国に生まれ変わるまでには、破壊したゴルバチョフ、再構築に失敗したエリツィン、再構築に成功したプーチンと3代にわたるリーダーを必要している。松下も中村、大坪という二人の経営者が違うステージをマネジすることになったと思わえば分かりやすい。3人目が必要になることのないように祈っている。

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2008年1月11日 (金)

パスワード

自宅の家族共有のPCを買い換えた。あまりに動作が遅くなってきたからだ。古くなったこともあるが、それ以上にウィンドウズのアップデートやウィルスソフトのせいだと思われる。
いろいろ検討した結果、画面の大きい割にスペースを食わないソニーの液晶一体型のVAIOにした。最新型のインテルCoreDuo(知らない人にはどうでもいいCPUのモデル名)を搭載した高性能&グッドデザイン賞を受賞したかっこいいPCだ。

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ところがこれが無線LAN経由のインターネットにつながらなくて、家族から不満の声が上がっている。どうしてつながらないかといえば、無線LANでセキュリティを担保した接続をするためのパスワードが分からないのである。全く覚えていない。

我が家に無線LANを導入したのはもう7年にはなるので、その頃の記録が残っていない。しかたがないので無線LANの機器を作っているメーカー(バッファロー)に電話してみるがこれがつながらない。さらにメールで問い合わせもしたが一週間経ってもなしのつぶて。まあ、メーカーも正月の休み明けで問い合わせが殺到し、忙しくて大変なんだろうな。

さて、本題である。皆さんはパスワードや暗証番号をどうやって管理しているのだろうか。またそれをどうやって覚えるのであろうか。キャッシュカード、クレジットカード、PC、携帯電話、インターネットバンキング、証券会社、各種会員カード・・・、とても数え切れない。
たとえば会社のPCは数ヶ月ごとにパスワードを変更するように要求してくるので、素直に変えるが、2-3日もさわらないと何に変えたかを忘れてしまって、大騒ぎになる。銀行でお金をおろすときも、そろそろ暗証番号を変えてくださいとアドバイスしてくる。一方で他の人に分かりやすい誕生日や住所などの番号は使うなと来る。しかし他人に分かりにくい番号というのは実は自分でも覚えにくいということに銀行の人は気がつかないのだろうか?半年ごとに暗証番号を変えていたら、自分で分からなくなるに決まっている。
分かりやすいところにメモしたいのだが、それでは却って危険だろうとも思う。

インターネットでショッピングする、有料サイトにアクセスする、会員だけが理由出来るサイトにアクセスする場合も、みんな会員番号(ID)とパスワードを要求してくる。

ああ、パスワードなんてものが必要だったのは銀行のキャッシュカードだけで、しかも誕生日にしておけば一生変えなくても良いし、忘れずに済んだ時代が懐かしい。世の中、本当に便利になっているのだろうか?

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2008年1月 8日 (火)

BEAMS遠藤恵司

年末に学部ゼミの企業訪問としてBEAMSのロジスティックスセンターを訪れた。地下鉄東陽町から徒歩10分のところにある巨大なセンターだ。40人近いゼミ生が参加した。
内容は前半が遠藤恵司副社長の講演、後半がロジスティックスセンターの見学だ。

副社長の遠藤氏が自ら語るBEAMSの話を聞く度にBEAMSという企業はファッションが好きで好きでたまらない人の集まりだなと感じる。
会社の方針、求める人材、ファッションビジネスのカギなど飽きの来ない内容で1時間熱弁をふるってくれて、学生たちも大満足である。

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その後は担当の方に案内してもらって、ロジスティクスの現場見学である。私自身は理屈よりも現場に興味があることもあり、今回のセンター訪問は勉強になった。
片方でコンピュータ制御による自動配送システムや店舗のPOSと連動した在庫管理システムが稼働し、一方で人間がミシンを踏むというローテクも存在する点に大変興味を覚えた。格好良い仕事の裏側で行われている地道な作業の重要性を再認識した。

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一方で学生たちにとってはロジスティックスのなんたるかを分かっていないこともあって、現場見学より遠藤さんの話の方が圧倒的におもしろかったらしい。彼にはやはり人を引きつけるものがあるようだ。

ちなみに遠藤氏とはJALの時一緒に働いて以来の友人で20数年のつきあいになる。彼は友人の設楽氏が経営するBEAMSが危機に瀕しているときに、意気に感じてJALを辞めて馳せ参じたという熱い男である。
ともに人生の半ばでJALをやめ、JALの将来をJALの社員並に心配しているという意味では同じ穴の狢かもしれない。
一方で、オーナーである設楽社長を助けるために、本来の自分の性格とは合わないかもしれない管理の仕事を役割と認識してきちんとこなしていることに、改めてたいした奴だと思ったりした。

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2008年1月 7日 (月)

論文指導で仕事始め

私は今日から仕事始めです。

大学に来て雑用を片付けるところから始めましたと言いたいところですが、実は明後日の1月9日が修士論文の最終締め切りのためにその指導が仕事始めとなりました。
もちろん、もう書き終わって悠々としている学生もいるのですが、なぜかまだ書き終わっていない学生もいて、今日も2-3人研究室にやってきました。

自分もビジネススクール時代、と言っても20数年も昔のことですが、修士論文の締め切りに間に合わずにえらく苦労した思い出があります。論文執筆のための調査や研究が佳境に入ろうかという9月末から10月始めに急病になって入院したという理由があるのですが、今から考えるとそれは単なる言い訳です。
要するに、結論から入るという仮説思考が全く出来ていなかったのです。まずはいろいろ調べてみて、それから言えることを考えようという姿勢でした。恩師の嶋口先生に、まず仮説を立てなさいと言われたので仕方なく仮説を立てたのですが、正直仮説というものをきちんと理解していたわけではありません。
結果、後からあれも調べておけばよかったと言うことが続出したのは言うまでもありません。それでも先生の指導で何とか仕上がったのですが、今振り返ってみるともっと効率的に進めることが出来てかつ質の高いものが書けたはずだという思いがやみません。

私のゼミ生も、内田が仮説、仮説とやけにうるさいなという思いでいるはずですが、今はきっと理解してもらえないのでしょう。でも何年かたって、あのときのことがようやく分かったと言ってもらえれば十分で、それが教育というものではないかと考えています。

皆様、今年もよろしくお願いします。

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2008年1月 6日 (日)

創造力の感想文

以前送った単行本「創造力」について、小泉さんという方から以下のような感想を寄せていただきました。皆さんにご紹介します。

このお正月に熟読いたしましたので,感想をご連絡いたします。

◆【感想】:「虚心坦懐に物事を見つめ,溶け込むことが創造力に繋がる」

 本書の本質は,「何の先入観ももたないで虚心坦懐に物事を見つめる」,「そこに溶け込んでいく」(p.43)という西堀さんの言葉に表れていると強く感じました。そして,それを根底で支えているものは,技術者として(人間として)の心の持ち方なのではないでしょうか。(心の持ち方は人間力と云ってよいのかもしれません)

 この「虚心坦懐に物事を見つめる」,「そこに溶け込んでいく」という言葉は,本書の様々な場所で,その形を変え出現し,そのたびに私の心に深くしみこんでいきました。

 例えば,

・非常識に考える
・大馬鹿者(大物)が必要なのである
・ちょっと他の何人も気のつかないようなことを思いつく能力をもつ
・大事なことは,相手の考え方や人格を尊重することであろう(異質の協力)
・子供たちがガラクタをもって遊ぶときのような,物事を素直に見る精神が無くてはならない
・他にもたくさん・・

 などが,その良い例だと思います。

 さらに,リーダーシップや人間形成についても,詰まるところ,製品の品質管理と同様に「虚心坦懐に物事を見つめ」,「そこに溶け込んでいく」ことが大事だと感じました。人へ,自然へ,溶け込んでいく。

 もちろん人間ですから,統計的管理などはできませんし,そのような管理はむしろ合わないように思われますが,しっかりと人間というものを観察し,微細な人間の心の変化に気付き,細かな配慮ができるその心・精神は,本書の本質と重なるように思います。

 南極での話やちりめんを織る娘さんの話も,その本質を捉えているのだと感じました。そして,私は,この真実(本書の本質)に心をわしづかみにされ,強く感動をいたしました。

 虚心坦懐に物事を見つめ,自分が向き合う対象に溶け込んでいく。

「新年早々,本当に良いものを読んだな」と心からそう思います。

 私の人生(まずは2008年)においても,改めて,相手の考え方や人格を尊重するように努力し,みんなが幸せになるように貢献できればと思います。

 このたびは本当にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

 本年もブログを楽しみにしております。

小泉さん、どうもありがとうございます。このように自分がやったことが人の役に立ったとすれば、大変うれしいことです。

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2008年1月 3日 (木)

家電再編

昨年末に日本の電機業界での事業再編のニュースが立て続けに紙面を賑わした。
東芝とシャープが液晶で提携し、一方で松下が液晶で日立とキヤノンと組むという。この間までは、東芝はキヤノンとSEDのテレビで提携していたのに、ずいぶん大胆に地図の塗り替えが行われたものだ。あるいは、日立が苦労してIBMから買い取ったHDD(ハードディスク)事業を再び手放すというニュースもあった。

ここ数ヶ月の家電業界の動きを見ていると、昔ならあり得なかった合従連衡が進んでいることに驚きを禁じ得ない。元々は数年前にソニーとサムソンが液晶パネルで合弁を作ったことにその端を発していると私には思われる。

昔ある人物が日本の家電業界の再編を仕掛けようとしたことがある。そのときに再編の対象としたメーカーは日立製作所、東芝、三菱電機の3社であった。
この3社の家電事業、その中でも冷蔵庫・洗濯機・掃除機などの白物家電と呼ばれる分野は大変伝統ある事業であったが、どこも低収益に苦しみ、大幅再編を必要としていた。一方で、その3社の事業を単純合算すれば、どの製品群でもトップの松下をしのぐが並ぶ規模になることから、3社の家電事業を統合してはどうかという話が生まれたわけである。

残念ながら、このプロジェクトは幻のプロジェクトに終わった。アイデアが10年早すぎたのかも知れない。

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2008年1月 2日 (水)

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。

先日もkeyさんの質問に答えたように、私はあまり綿密な目標や計画を立てない方ですが、2008年の目標としては、まず執筆活動に於いて単行本を2冊出したいと考えております。どちらも進行中の企画ではありますが、遅々として進んでいません。これを何とか仕上げたいと思っています。
単行本以外にも翻訳本などの企画も進行中ですので、近々ご紹介できると思います。

またビジネススクールの教師としても3年目に入りますので、単にカリキュラムをこなすだけではなく内田流の仕掛けを始めたいと思っていますので、乞うご期待です。

ということで、とりとめのない所感になりましたが、今年も大いに発信をしていきたいと思いますので、2008年も内田和成のビジネスマインドをどうぞよろしくお願いいたします。さらに、今まで以上にコメントを書いていただくとうれしいです。

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