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2007年12月 4日 (火)

仮説思考中国語版

中国で進んでいた私の著書の仮説思考の中国語訳がいよいよ完成し、今月から中国で発売されることになった。電子工業出版社から「BCG視野:仮説駆動管理的魅力」というタイトルである。ただし、このタイトルは中国語の字(簡体字)を勝手に私が解釈して当てはめたので、合っているかどうかはよく分からない。英語では”The BCG Way, The Art of Hypothesis-Driven Management”となっている。

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装丁は写真にあるような、モダンでしゃれたデザインになっている。大きさは、日本の仮説思考をよりやや大判のB5サイズである。ちなみに一ページごとの文字数が少なく感じられる上に全体のページ数も日本語の仮説思考よりだいぶ少ない170ページ弱となっている。これは、日本語を中国語に訳すと、どんな文章でも分量が半分くらいに減ってしまうようだ。中国語にはひらがながないためだ。要するに昔習った漢文のようなものらしい。(このあたりは私の推量で、本当のところはよく分かっていない)

中を空けてみれば、当たり前であるが中国語の簡体字(英語で言うとsimplified Chinese)が並んでおり、全く理解できない。ただし、所々に日本で使われている漢字と同じ漢字もあり、何となくおかしい。
こちらは本文を開いてみたところの写真である。雰囲気を見てください。

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ちなみに、この本は上海で日本企業に勤めている崔永成さんが私の日本語版「仮説思考」を読んで気に入ってくれ、自分で中国語訳をやってくれたのが発端である。ということで崔さんなくしては、あり得なかった話である。改めて崔さんにお礼を申し上げる。どうもありがとうございました。

さて、この仮説思考であるが、出来映えはどうかと聞かれても、私自身は中国語が全く理解できないので、何とも言えない。しかし、私もコンサルタントの端くれである、ちゃんと情報収集してある。中国のBCGスタッフや出版関係の人に聞く限り、中身は分かりやすい上に、中国のビジネスマンにも共感を持ってもらえそうである。

また一番心配したのが、果たしてこの仮説思考という答えから入る考え方が、中国のビジネスマンに理解してもらえるかどうかという点だった。というのも、もし中国人がアメリカ人と同じように、そもそも結論から考えたり、作業をする習慣があるのであれば、私の仮説思考は当たり前すぎて受けないのではないかと思ったのである。
この点を中国人の知り合いやBCGのスタッフに聞いてみると、中国でもまず情報収集から始める網羅思考の人は多いので、この仮説思考の発想はとても役に立つのではないかと言われた。
そうであればいいなと願っている。

もし中国語が分かる読者の方がいたら、読んでみて感想を聞かせてもらえると大変ありがたいです。

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コメント

「仮説思考」というコンセプトに対し、意味があるコメントがありましたので、ご案内します。

→http://www.douban.com/review/1310539/
容懂さんのコメントです。

中国語で書かれたコメントですが、Google Translateをご利用し見ていただければと思います。

投稿: 崔 | 2008年3月14日 (金) 01時12分

リンリンへ

仮説思考は、突然出来るようになるものでもなくて、徐々に進化し、気がついたらいつの間にか当たり前になっていたというようなものだと思います。日々精進です。

今週の嶋口研究会で会えるのを楽しみにしています。
仮説思考中国語版はそのときに持参します。

投稿: 内田和成 | 2008年1月21日 (月) 23時48分

内田先生
ご無沙汰です。
いつも仮説思考ができなくてPJで撃沈をして仲間から助けられながら生き返ってきています。><
この間遠藤先生とお会いしたときでも、WBSでは知識の勉強する期間よりも毛穴を開けていろんな気付きを吸収して今後の成長に備える期間だったと言う話をしてきました。論文指導でも先生のご指摘を理解できなかったし、今になって少し分かってきたところかしら。
10年20年後、「仮説思考はそれなりにできますよ」と言えるように努力します・・
お言葉に甘えまして中国語版を頂いてもいいですか。金曜日の研究会に伺います。

投稿: リンリン | 2008年1月21日 (月) 01時24分

リンリン(林琳)へ

生きていたんだね(冗談)。
お帰りなさい。

中国語版、是非読んで感想を寄せてください。
手に入らないようなら、送りますので、住所を教えること。

先週遠藤先生と昼飯を食べましたよ。

投稿: 内田和成 | 2008年1月20日 (日) 19時31分

そうです。ですから、崔さんの大変さが本当に分かります。中国語版を読んで、ちゃんと伝わっているかをチェックしますよぉ。(*^-^*)

投稿: リンリン | 2008年1月20日 (日) 00時29分

リンさんへ

日本語版を読めれば、中国語版を読まなくてもいいと思いますが、読んで頂ければぜひコメント下さい。

ところで、リンさんは早稲田ビジネススクール 遠藤功教授の著作「現場力」中国語版の訳者でしょうか。

投稿: 崔 | 2008年1月20日 (日) 00時03分

崔さん
以前から内田先生から崔さんのことを伺っております。翻訳大変お疲れ様でした。ぜひ読ませてください!

内田先生
久しぶりに東京に戻ってきました。中国語版はいよいよ出版されましたね♪おめでとうございます!

投稿: リンリン | 2008年1月19日 (土) 22時12分

崔さんへ

なるほど「Perspective」ですか。
よく分かりました。

投稿: 内田和成 | 2007年12月 8日 (土) 22時05分

内田先生へ

中国語の「視野」を英語にすると、eyeshotもしくはfield of viewの意味です。

ただ、本書の場合は、「BCG視野」を英語に訳すると、BCG Perspectiveになると思います。

投稿: 崔 | 2007年12月 8日 (土) 18時56分

崔さんへ

タイトルが合っていて良かったです。
ところで、中国語で「視野」というのは日本語あるいは英語にするとどういう意味ですか?

投稿: 内田和成 | 2007年12月 8日 (土) 18時13分

正直にいうと、最初は内田先生の許可を得てなかったら、中国の出版社と交渉する勇気もなかったのです。中国訳が出版できたのも先生の作品自身は魅力があるのからだと思います。

当初、仮説思考という考え方が中国のビジネスマンにも役立つのではないかと思ったから勝手に翻訳しましたのです。中国でベストセラになれるかどうかは分かりませんが、分かりやすいですから、理解の方は問題がないと思います。

ちなみに、この訳本のタイトルは確かに「BCG視野:仮説駆動管理的魅力」です。間違いないです。

投稿: 崔 | 2007年12月 4日 (火) 22時09分

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