« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月

2007年12月31日 (月)

1年の終わりに

今年の1月からブログを始めて、無事1年を終えることが出来ました。
当初はどこまで持つのか、自分でも分からないところがありましたが、数多くの読者の方から支援していただいたおかげで、1年継続することが出来ました。
ありがとうございます。

始めは自分の意見を叩くための場として、異業種格闘技の議論を行おうと思ったのですが、こちらの材料が十分なかったり、思ったより異業種格闘技に関するコメントが少なかったこともあって、途中から少し幅広く自分の意見を発信する場として衣替えをいたしました。

その結果かどうかは分かりませんが、読者も順調に増えて、コンスタントに月2万ページビューという多くの方に見ていただいています。本当にありがとうございます。

来年も自分の意見の発表の場としてこのブログを重視していきたいと思いますので、引き続き、応援よろしくお願いします。

内田和成

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月29日 (土)

からくりロボットその後

以前、私の友人の高田氏が金にならない仕事として日本の文化を世界に紹介する活動をやっていることをお伝えし、その一環としてボストンでからくりロボットの公演を行うという話を紹介した。

今日はそのボストンでのからくりロボットの顛末記である。といっても私自身が行ったわけではないので、友人の高田さんからの受け売りである。
写真は弓曳童子という、実際に弓を引く人形を九代目玉屋床兵衛が説明しているところある。ボストンではMITでも実演を行い、学生に大変な好評を博したそうである。

Cimg0460_2 Dommiguelphoto0082_4 Dommiguelphoto0127_4

この弓曳童子は江戸時代のからくり人形師田中久重が作ったものである。ところが縁とは不思議なものでその田中久重の末裔というひとが、当日ボストンに来ていて、ボストンの総領事館で開かれたパーティーに現れたというから、高田氏は大変驚いたそうだ。

ちなみに田中久重というのは、東芝の創始者だそうで、それが縁で今回のボストン行きのスポンサーになってくれたそうである。

なお今回のボストン公演については、からくりロボットのサイトでも紹介されていますので、そちらもご覧ください。
http://www.karakurirobot.org/

高田氏はこうした伝統工芸や文化を映像で後世に残していく仕事をしたいそうだが、なかなかスポンサーが見つからなくて苦労しているそうだ。ということで、個人的に高田さんを応援したいという人がいれば、下記までメールをしてあげると喜びます。

高田正隆さん takada-mstk@shinnihon.or.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月28日 (金)

仕事納め

今日が大学の方の仕事納めでした。本来もっと早く終わりにしたかったのですが、学生の指導が残っていたのです。どうしてこんな年末まで指導をしているかといえば、ビジネススクールの2年生の修士論文締め切りが1月9日に迫っているためです。

学生も大変ですが、教師も大変です。
というのも、私にとっては初めての論文指導だからです。ここ2ヶ月はほとんど毎週のように学生一人一人に指導をしていたために、自分が締め切りに追われているような気になってしまいました。自分で書く方がよっぽど早いと思いながら、それをやってしまうわけにも行かず、辛抱強く指導しているわけです。これをゼミ生が読んだら怒るかな?

私の指導は今日で一段落ですが、学生たちはこれから1月9日の論文締め切りに向かって最後の追い込みです。家族の方も大変かと思いますが、是非応援してあげてください。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年12月27日 (木)

学部ゼミ合宿

昨日、今日と学部のゼミ生を連れて千葉の鴨川にある早稲大学のセミナーハウスに新ゼミ生歓迎の合宿にいってきました。
メンバーは今度卒業する4年生、就活がスタートした3年生合わせて迎える側が30名弱、一方で新しいゼミ生の2年生が20名と併せて50名近い大合宿でした。
天気にも恵まれ、親睦を深めるにはとても良かったと思います。

Seminar001

ゼミ合宿の詳細は別途伝えるとして、先日紹介したキラーパスの話は早速レスポンスをもらって、結構盛り上がっています。
割と議論するにはおもしろい話だと思いますので、皆さん是非コメントください。よろしくお願いします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月25日 (火)

キラーパス型人材

先日友人と話をしていて、サッカー選手のタイプと企業の人材の話になった。

今のサッカー日本代表には確実なパス回しをして、徐々に敵陣に攻め込んで最後にシュートまで持っていくタイプの人材が多い。と言うのもそういうスタイルを教えているからだ。
このパス回し型の特徴はみんなが誰が何をやるかが分かっている点にある。具体的に言えば、味方の誰から見ても次はどこへパスが行くの分かりやすい。仕事で言えば、次の仕事が見えるのでこちらも準備しておけるために一緒に仕事がやりやすいし、間違いが少ない。
このタイプの欠点は、相手から次の手を読まれてしまうために守られやすく、最後の点を取るところが大変難しいところにある。確実であるが意外性がないと言うことになる。

このパス回し型の逆と言えるのが、キラーパス型である。通れば一発逆転もあり得るきわどいパスを回して、うまくいけば敵の裏をかいてシュート&得点で終わるが、キラーパスが通らず失敗すると敵にボールを奪われての逆襲を受け大ピンチとなる。というのも、キラーパスをカットされるとこちらは攻撃態勢のままで防御の準備が出来ていないので、敵の攻撃を防ぐのがきわめて難しくなる。いわゆるカウンター攻撃を受けるのである。
このタイプの欠点は、単にパスが通らないだけでなく、時には味方ですらそのパスを予測できない点にある。サッカーで言えば、中田英寿タイプだ。

翻って、企業のことを考えてみても、こうしたキラーパス型の人材がたまにいるよねという話になったわけだ。一発大逆転の大型商談を仕掛けたり、当たれば大きい商品を企画したりを一人であるいは他人の理解を得られないまま仕掛ける人のことだ。意外性があって、当たれば大きいが、失敗した場合のリスクも高いことが多く、普通の組織では自分勝手な奴として嫌われることもある。

もしかしたら、あなたの周りにいる一見身勝手で予想外の行動ばかりして、みんなから嫌われている人間も実は中田英寿みたいなキラーパス型の人材かもしれませんよ。

おまけ
もちろん、チーム全員がキラーパス型では困るわけで、大半がパス回し型の中に一人二人キラーパス型がいるのが良いと言うことは承知の上で書いています

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年12月22日 (土)

李明博大統領と清溪川

以前、韓国に仕事で行ったときにソウル市内に人工の川があって人がたくさん集っていたという話を書いたことがある。「ソウル便り最終回」というタイトルである。その川が実は人工の川ではなく、元々実在した清溪川という川を再生させたもので、それを行ったのが今回韓国の新大統領になった李明博氏だと知ったときには、これまであまり韓国の政治に興味もなく縁もなかったのが一気に親しみを覚えて、距離が縮まった気がした。

李氏は以前ソウル市長だったときに、ソウルの活性化に成功し、評判を上げたわけであるが、そのときの施策の一つが古い川をよみがえらせて人々の憩いの場所や観光名所に復活させたことだったそうだ。
このあたりの話は東大のCOEプログラム:国際シンポジウムに李氏本人が出席したときのことが書いてある下記のサイトに詳しい。

http://csur.t.u-tokyo.ac.jp/seoul_061108/index-j.html

東京でも東京オリンピックを迎えるに当たって、首都高速道路を造るためにずいぶん川がつぶされたことを思い出した。それらの川はその後よみがえることはなかったな。

この話を書いていて、突然米国大統領選挙を思い出した。共和党から出馬しているジュリアーニ氏も、元々ニューヨーク市長として犯罪を劇的に減らしたり、街や地下鉄をきれいにすることに成功して、人気を博したのだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月21日 (金)

投資銀行宣言

昨日、みずほコーポレート銀行の齋藤宏頭取が早稲田大学に来て学部の学生向けに講演を行ってくれた。同僚の蛭田先生が担当している経営戦略の講義の一環として実施された。新装なった大隈小講堂でおよそ1時間の講演の後に、学生との質疑応答があり、その後私との対談に応じてくれた。

日本の経済や企業が向かうべき方向性についての講演だったが、学部生がどれだけ理解できたかは別として、私には示唆に富む話だった。

齋藤頭取とは結構前からのつきあいであるが、相変わらずフレンドリーにざっくばらんな対談をさせてもらった。また、学生が興味を持っていたみずほ銀行とみずほコーポレート銀行の違いや投資銀行宣言をしているみずほコーポレート銀行の求める人材像などについても話しをしてもらって学生も喜んでいた。しかし、銀行のことを十分知ってもらうには、残念ながら少し時間が足りなかったように思う。

齋藤氏はマーケットでは、楽天のTBS買収問題で仲介役を買って出るなど、辣腕ぶりが知られているが、終始にこやかに学生への質問や私の質問に答えてくれていた。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年12月18日 (火)

人間ドック:逆転の発想

今日の午前中、1年ぶりの人間ドックに慶應病院の人間ドックに行ってきた。早稲田の方からは怒られそうであるが、これまでの経緯もあるので同じところの方がよいと思っているからだ。しかし、それにしても気が乗らない。この年になると毎年1回、場合によっては1年に2回行った方がよいと分かっていても、出来れば行きたくない。
今日も案の定、胃のバリウム検査の頃には、バリウムを飲む前から何となく気分が憂鬱で、終わった頃には疲労困憊だった。

。慶應に限らず、大半の人間ドックは、見てもらう人間の方が次から次へと場所を移動して、それぞれの機械や医師のいるところで検査を受けることになる。場合によっては、待ち行列(渋滞)が発生して、ずいぶん待たされるし、あるところはガラガラと言うことが起きる。

いくら人間ドックが嫌いといっても、根がコンサルタント、待ち時間が多いのでつい考え事をする。そしてふと思いついた。人間がまるでベルトコンベアの上の自動車のようにグルグル回るのは、なんか変ではないか。人間はそれぞれ一ヶ所にいて、検査機械と技師、医者、看護師の方が回る方が人間的だ。もちろん、多少は価格が高くなるのだろうが、今の仕組みの苦痛に比べれば、プレミアムを払っても良いかな・・・。
人間ドックが今のような仕組みになっているのは、もちろん効率が重要なためだと思うが、もう一方で患者より医者や病院の方がえらかった時代の名残かなとも思った。

そういえば、昔コンピュータがきわめて効果だった時代を思い出した。今から30年以上前のことであるが、IBM360という名機があったがきわめて高価で繊細な機械だった。その元を取るために人間の方が昼間だけでなく、夜も夜勤で働く人がたくさんいた。そして壊れてはいけないということで空調の効いた大きな部屋を占有していた。そこでは人間の方が寒くて仕方なかった。完全に機械が主役で、人間は従だった。
今のように安くて高性能なPCがふんだんに使える時代では考えられない話だ。
人間ドックも早くそうなると良いな。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年12月17日 (月)

大人の趣味

先日乗ったタクシーにこんなチラシが載っていた。

Gakki001_2

「きっといつかが今なんだ」、なかなか泣かせるキャッチフレーズはないか。要するに昔からいつかはやりたいと思っていた楽器を今こそ習ったらどうですか、再開したらどうですかという誘いのパンフレットである。楽器のヤマハのタクシー広告だ。

Gakki003

ニュースで見たのであるが、最近ヤマハ音楽教室にいい年をした大人の生徒が増えているという。
少子化で、ヤマハの築いてきた「子供に楽器を習わせる音楽教室」→「やがて楽器購入」というビジネスモデルに限りが見えてきた。そこでヤマハが力を入れているのが、人数的にも最大勢力でかつ定年を迎えつつある団塊の世代だそうだ。彼らは高度成長経済時代に20代・30代を迎えたことから、どちらかと言えば仕事中心、またいつかはマイホームを夢見て余暇などに十分時間やお金を使えないまま60歳を迎えてしまった、あるいは迎えつつある。彼らは高校や大学時代に弾いていた楽器を弾かなくなったり、やりたいと思っても出来なかった楽器があるらしい。

書道用の墨汁会社を経営している私の友人が最近は少子化の影響で、小学校向けの墨汁の販売量が減っているので、中高年向けの書道の普及に力を入れているといっていた。これも同じ話だ。

そうした若い頃は出来なかった夢を今満たしましょうというマーケティングはこれから増えてくるのではないかと思われる。団塊の世代はこれまで、自分のことは後回しにして、会社のため、家族のために働いてきた。あるいは家を守っている主婦も多かれ少なかれ同じ思いを持ってきている。そうした呪縛を取り払ってやれば、楽器に限らず巨大のマーケットが誕生することは間違いない。既に海外旅行市場は、花開いている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月15日 (土)

嶋口研究会忘年会

昨日は嶋口研究会恒例の忘年会でした。
会では嶋口先生から、年の締めとなる大変いい話(レクチャー)をしていただきました。

Shimaguchi001

酒(歳?)のせいで大半は忘れてしまいましたが、印象に残ったのは発展途上国では国が優先事項のナンバーワンに来て、それが中進国になると企業優先になる。例えば明治時代の富国強兵の頃は、誰もが国を豊かにすることに力点を置いていた。それが戦後は企業を如何に強くするかに重点が移った。
しかし、それが先進国になると個人が優先順位ナンバーワンになる。別の言い方をすれば、みんなが個人主義になると言うことだ。と言うことは先進国として成功するためには、その個人主義を前提として仕組みを作っていかないとダメだ。日本は今まさにそうしたステージに入ったのであるというお話でした。
あまり考えたことがない視点の話だったのでとてもためになりました。

Shimaguchi002

話はころっと変わるが、最近の嶋口研究会は東京にあるビジネススクール交流会の様相を呈している。元々は慶応ビジネススクール生、OB中心であったのが、嶋口先生が法政に移られたことで法政ビジネススクールの学生も増えたし、先生が教えている多摩大学の学生もいる。それに加えて、私が教えている早稲田大学ビジネススクールの学生もいれば、かつて教えていた青山学院のGSIM(MBA)コースの学生も多い。これに一橋と筑波の学生が加われば東京にある主なビジネススクールをすべてカバーしそうな勢いだ。
もちろん嶋口研究会はビジネススクールに閉じた研究会ではないので、MBAに関係ない人もたくさん参加している。これも嶋口先生の人徳だ。

興味のある人は是非ご参加ください。詳細は下記のホームページをご覧ください。

嶋口研究会

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月12日 (水)

ゼミ生紹介最終回

しばらく中断していたゼミ生紹介であるが、最後に紹介するのがアステラス製薬人事部の百々さんである。百々と書いて「どど」と読む。

大変「人の良い」男で、大きな身体を申し訳なさそうにしながら、教室や研究室の椅子に座っているのが印象的だ。でも学習意欲はとても高く、たくさんの講義を取ってしっかり勉強している。

彼は入学当時は営業関係のスタッフであったが、今年の秋から人事部へ異動となった。修士論文の作成と人事異動が重なったために時間のやりくりに苦労しているようだ。まだ若く、平社員
(だと思う)なので、いろいろ大変なのだろう。

修士論文のテーマは一言で言えば、同じような薬を出しているメーカー同士が激しい競争を展開した方が、自分一人でマーケティングするより市場が活性化して市場拡大につながり、結果として両者とも得をするという話だ。

従来の競争戦略では市場はゼロサムなので、両者が熾烈な競争をすればするほど、どちらかが勝つかあるいは両者痛み分けになってしまうというのが常識であるから、結構ユニークな論文である。

まだ小さい子供を抱えての二足のわらじは大変だと思うが、頑張ってください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月10日 (月)

フリーコミック

フリーペーパーと同じようなビジネスモデルと思われるが、無料のコミック誌が存在する。実は娘から教えてもらったのであるが、コミック・ガンボというコミック誌である。R25などに比べて配布されている場所が限られているようであるが、モノは大変立派でとても無料のコミック誌とは思えない。

Gumbo001

ページ数も200ページ以上あるし、カラーページまである。あえて写真は載せないが、グラビアアイドルの写真まで載っている。紙質も一般の有料コミック誌と変わらない感じである。

Gumbo002

これだけ立派な体裁で広告があまり多くないのは、広告料がそれなりに高いのか、それともまだ創業期なので広告主が十分つかずに赤字なのかははっきりしない。
眼鏡やシューズ、ファッションなどの普通の週刊誌にあるような広告もあるが、一方でクレジットの破産処理、雀荘、ニキビなどややスポーツ紙的な広告が多い気がする。

ちなみにこのコミックはPCでも見られると言うことなので、興味のある方は下記のサイトを覗いてみては
http://gumbo.jp/p/

いずれにしても、ありとあらゆるモノに無料モデルが出てきたのは時代の閉塞感の現れか、それとも新しい時代の幕開けなのか、これから先の動きが楽しみである。
こうした無料モデルのはしりはもちろんテレビであろうが、ここ数年の大きな変化はインターネットが先鞭をつけたことは間違いない。2000年のインターネットバブル時代の、何でも無料で提供するビジネスモデル競争を思い出す。今でも生き残っているものはきわめて少ないのでないだろうか。こうしたネットの無料モデルに変わって、物理的製品の無料モデルがいろいろ出てきたのは興味深い現象である。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2007年12月 8日 (土)

壁を壊す

知り合いに勧められて読んだら、すごい企業改革物語だった。
きわめて古い体質で利益も出なかった同和鉱業を、体質改善し高収益会社に変身させた現CEOの吉川廣和氏が書いた「壁を壊す」という本だ。

Kabewokowasu

吉川氏はとにかく型破りな経営者だ
本社を破壊した話が一番おもしろい。教科書なら、まず効率化の知恵を絞り、業務を改善し、社員を教育するとなっているが、自分はそんな悠長なことは出来ない。肥大化が問題なら物理的に小さくしてしまえばいいといって、いきなり本社スペースを6割にしてしまったそうだ。
これ以外にも本社のオフィスを固定した机や書類スペースを持たないフリーアドレスにしてしまった話とか、役員室を廃止してしまった話など、乱暴きわまりない本社改革の話が満載されている。

あるいはグループ会社のスーパー事業から撤退するときに、その事業を別のスーパーに売却した話が載っていた。売却に当たって、従業員の雇用を守るように約束したが、実は余計なお世話で、実際ふたを開けてみると先方の勤務条件が厳しかったためにその会社に残れるのに残らなかった人が半分いたなんていう話も紹介されている。
工場撤退を決めたが、その事業部門の人たちが黒字なんだから何とか継続させてくれと納得しない。それでは只同然であなた方に売ってあげるから、自分たちの金で続けたらどうかというと、それでは出来ませんという。結局会社の金なら続けられるという程度の話だったという話もおもしろい。

p68には「『全く新しい会社につくり変えること』である。そのためには、まず徹底的に破壊し、次に大胆な創造を断行する。しかもゆっくりではなく、スピードを上げて実践する。」とある

私なりの解釈は、吉川氏は企業を改革するのに評論家はいらないという考えで、反対があってもやりきる勇気が必要だと言うことを身をもって実践した経営者だと思う。
もちろん、どうしてそうしなくては会社を変えられなかったのかと言うこともきちんと描かれている。皆さんが自分の会社でここまでやれるかどうかは別として、企業変革の物語としては異色であり、一読に値する。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007年12月 5日 (水)

スターの育成

今日の日経新聞スポーツ欄におもしろい記事があった。吉田誠一さんが書いたフットボールの熱源というコラムである。

アルゼンチンサッカーの育成部門で活躍し、今年の20歳以下の世界選手権でアルゼンチンを優勝に導いたコーチのウーゴ・トカリさんの話だ。
彼は、13年間アルゼンチンサッカー協会で選手の育成に携わり、その間世界を代表するフォワード(点を取るのが仕事)を数多く排出してきた名コーチである。ちなみにアルゼンチンの代表選手としては、メッシ、テベス、サビオリ、リケルメなど枚挙にいとまがない。

そのコーチが来日して、コーチングのワークショップが開かれたそうだ。その際に日本のコーチ陣から、「アルゼンチンにはストライカーを育てる特別のコーチ法があるのか」、「ずるがしこさはどうやって身につけるのか」などの質問が飛んだそうである。

ちょっと補足しておくと、日本サッカー界の中盤には同世代だけを見ても中田英寿をはじめとして、中村俊輔、小野伸二と世界に通用する選手がたくさん出てくるのに、点を取るフォワードとしては40年前の釜本邦茂を唯一の例外として世界に通用する選手が育たないというジレンマがある。そこで上記の質問になったというわけだ。

それに対して、トカリ氏は「それは選手が元々持っているものであったり、ストリートサッカーで自分でつかんだものであり、我々が教えられるものではない」と答えたそうである。
あるいは「試合で結果を出せなくても、変わったものを持っていたら、切り捨てずにチームに残しておくべきでしょう」、「指導者はマニュアルでなく、自分の勘を大切にして欲しい」と答えたという。

この記事を読んで、私は企業が人を育てるのにもかなり似た面があるなと感じた。優秀なビジネスマンを育てるために特別な研修とか指導法があると言うより、本来その人間が持っているものを如何に見つけ出して、切磋琢磨する機会を作ってやれるか。あるいは、実戦で学ぶ機会を用意してやれるかが重要だと言うことだろう。
これって、もしかしたらビジネススクールの効用を否定しているのかな・・・・?

それにしても最近の日経新聞は経済面や産業面よりスポーツ面の方がビジネスに役立つ記事が多い。日経新聞の企業関係の記事がつまらないと言うより、私の感性がより感覚的な事柄やプロフェッショナルの育成といったものに向かっているせいだろうが・・・。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007年12月 4日 (火)

仮説思考中国語版

中国で進んでいた私の著書の仮説思考の中国語訳がいよいよ完成し、今月から中国で発売されることになった。電子工業出版社から「BCG視野:仮説駆動管理的魅力」というタイトルである。ただし、このタイトルは中国語の字(簡体字)を勝手に私が解釈して当てはめたので、合っているかどうかはよく分からない。英語では”The BCG Way, The Art of Hypothesis-Driven Management”となっている。

Chugoku001

装丁は写真にあるような、モダンでしゃれたデザインになっている。大きさは、日本の仮説思考をよりやや大判のB5サイズである。ちなみに一ページごとの文字数が少なく感じられる上に全体のページ数も日本語の仮説思考よりだいぶ少ない170ページ弱となっている。これは、日本語を中国語に訳すと、どんな文章でも分量が半分くらいに減ってしまうようだ。中国語にはひらがながないためだ。要するに昔習った漢文のようなものらしい。(このあたりは私の推量で、本当のところはよく分かっていない)

中を空けてみれば、当たり前であるが中国語の簡体字(英語で言うとsimplified Chinese)が並んでおり、全く理解できない。ただし、所々に日本で使われている漢字と同じ漢字もあり、何となくおかしい。
こちらは本文を開いてみたところの写真である。雰囲気を見てください。

Chugoku002_2

ちなみに、この本は上海で日本企業に勤めている崔永成さんが私の日本語版「仮説思考」を読んで気に入ってくれ、自分で中国語訳をやってくれたのが発端である。ということで崔さんなくしては、あり得なかった話である。改めて崔さんにお礼を申し上げる。どうもありがとうございました。

さて、この仮説思考であるが、出来映えはどうかと聞かれても、私自身は中国語が全く理解できないので、何とも言えない。しかし、私もコンサルタントの端くれである、ちゃんと情報収集してある。中国のBCGスタッフや出版関係の人に聞く限り、中身は分かりやすい上に、中国のビジネスマンにも共感を持ってもらえそうである。

また一番心配したのが、果たしてこの仮説思考という答えから入る考え方が、中国のビジネスマンに理解してもらえるかどうかという点だった。というのも、もし中国人がアメリカ人と同じように、そもそも結論から考えたり、作業をする習慣があるのであれば、私の仮説思考は当たり前すぎて受けないのではないかと思ったのである。
この点を中国人の知り合いやBCGのスタッフに聞いてみると、中国でもまず情報収集から始める網羅思考の人は多いので、この仮説思考の発想はとても役に立つのではないかと言われた。
そうであればいいなと願っている。

もし中国語が分かる読者の方がいたら、読んでみて感想を聞かせてもらえると大変ありがたいです。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

2007年12月 3日 (月)

MBAの修士論文

現在、ビジネススクールの2年生は修士論文執筆の真っ最中である。
先日の土曜日はゼミ生全員での進捗の報告会を行った。残念ながら、一人は仕事の都合で不参加、もう一人は午後遅れての参加となったが、残りの4名は午前中に発表を行った。来週12月8日がゼミ内での締め切りになっているため、みんな最後の追い込み状態であるが、まだまだ完成からはほど遠く苦戦している。

4名が4名とも頭から論文を書いており、肝心の結論の部分がまだ書き上げられていない。口を酸っぱくして、おしりから書け、すなわち「結論」を書き上げ、それを証明する部分となる「あんこ」の部分を書けと言っていたのだが、全員が頭から書きだしている。なかなか、仮説思考通りにはやってもらえないようだ。

ただし、午後に研究室にやってきた久保田さんのみは、全体としてはまだまだ完成から遠いが、結論並びにそれに至る理屈の部分を書いてきており、一人仮説思考でやっていると言える。(本人が私からほめられた話を他のゼミ生に伝えて欲しいと言っているので、ここに記しておきます。)

自分が修士論文を書いていたときには、フルタイムの学生で24時間すべて論文作成に使えたのだが、早稲田のプロフェッショナルコースの学生は昼間は普通に仕事をしながら、夜と週末だけで書き上げるわけであるから大変だ。といっても、だからといって、内容がお粗末なものを認めるわけにはいかないので、頑張って欲しい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »