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2007年11月21日 (水)

ドトールコーヒー 鳥羽博道氏

今週のカンブリア宮殿はおもしろかった。ドトールコーヒーの創業者で、現名誉会長の鳥羽博道氏(とりばと読む)がゲストである。

私自身ドトールコーヒーの愛用者であるが、それ以上にビジネススクールでスターバックスのケーススタディをやるときに必ず対比させるのがドトールである。そのドトールに対する理解がさらに深まったがうれしい。

価格を先に150円に決めてからドトールを始めたとか、今でも直火焙煎にこだわり備長炭を使っているとか、ジャーマンドッグをつくるために最適のソーセージを探して羊の腸にたどり着いたとかいろいろおいしい話が満載だった。ちなみに私もジャーマンドッグがおいしいと思っていたのだが、今回でなるほどねと思ってしまった。
しかし、実は一番おもしろかったのは司会の村上龍が、みんなが同じものを見てどうして鳥羽さんだけがそれに気がついたのですかという質問とその答えだった。

1971年に業界の人間30人くらいでヨーロッパ視察に出かけたときに、パリのカフェでおもしろい現象を発見したそうである。それは、店内にテーブル席があるのに、そちらはがらがらで、一方カウンターの横でコーヒーを立ち飲みしている人が山ほどいた。不思議に思って聞いてみると、テーブル席よりカウンター席のコーヒーの方が半値で済むそうである。朝の忙しい時間帯では、テーブルに座ってゆっくりコーヒーを飲むより、カウンターで飲んでそのまま会社に向かう方が効率的なことにも気がついたそうである。そうして、「これだ!日本でカウンター式でセルフサービスのコーヒーを毎日飲んでも懐に響かない価格で提供しよう」と思ったそうである。
そして、日本に戻ってからドトールコーヒーを始めて大成功したわけであるが、村上氏の質問に答えて「それは危機感のある人とない人の違いでしょう。関心があれば見えるものが、関心がないと見えていても気がつかないのでは。」と答えていた。素晴らしい。全く同感である。

なぜ鳥羽さんが危機感を持っていたかというと、彼は元々喫茶店にコーヒー豆を卸す商売をやっていた。そして喫茶店ブームとも相まって、コーヒー豆の価格が上がり、喫茶店のコーヒーの値段も上がっていった。同業者はこうした状況が当たり前と思ったり、特に危機感を抱かなかったのに対して、鳥羽氏はこれではいつか消費者が払える価格を超えてしまう。そんなビジネスは長続きしないと思ったそうである。

以前直にお会いしたときには十分話す時間もなかったこともあるが、こんなにすごい人とは全く気がつかずに、ごく普通の経営者に見てしまった。
「同じものを見ても意識している人には見えるが、ただ見ている人には気づかない」とは私のことだったんだ・・・。私の眼力のなさを痛感してしまった。

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コメント

植木さん、澤田さん、石井さん

コメントありがとうございます。カンブリア宮殿は見ている人が多いのですね。
これまではガイアの夜明けの方をよく見ていたのですが、最近は経営者が出てくるカンブリア宮殿の方を見るようになりました。と言っても毎週見られることはまれで、ビデオにも撮っているのですが、これは残念ながら後から見ることはほとんど出来ない状態です。

澤田さん、ありがとう。確かにプルーストの言葉に通じるものがありますね。

石井さん 日常生活の?は大事ですよね。これについては、おもしろい本を見つけたので、別途アップします。

投稿: 内田和成 | 2007年11月22日 (木) 13時35分

こんにちは。
はじめて投稿します。

日常生活の中に隠れてはいるものの、
知らぬ間に選別しているものは山のようにあります。
今一度、生活の中に埋もれさせている消費者としての
「ん?」という自分の感覚を見直そうと思いました。

ありがとうございました。

投稿: 石井 | 2007年11月22日 (木) 01時20分

先生、ご無沙汰しております。

今回のドトールのお話しを拝見して、青山での最後の授業で先生が贈る言葉として紹介いただいたマルセル・プルーストの

「本当の発見とは、新しい土地を探すことではなく、新しい目で見ることだ。」

という言葉を思い出しました。
多くの人と違った見方を見つけることが難しいだけでなく、そこに賭ける勇気が変革のリーダーには求められるのですよね。そうした人になりたいものです。

投稿: 澤田 | 2007年11月22日 (木) 00時11分

たかがコーヒー、されどコーヒー
創業者のコーヒー1杯にかける熱い思い、こだわりがひしひしと感じられた番組でした。
大きな事柄だけでなく、小さな事柄にも常に危機感を持ってこだわり続ける姿勢こそが、気付きを生むんですね。私もそうした姿勢を忘れずに、日々過ごしたいと思います。

投稿: 植木 | 2007年11月21日 (水) 22時36分

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