優れたブランドにはストーリーがある(続き)
以前優れたブランドにはストーリーがあるという話をしたが、今日また新しいネタを仕入れた。現在ソウルで行っているセミナーで前東大教授でブランドの第一人者である片平秀貴先生が語っていた話だ。
ベンツのシンボルカラーといえばシルバーという定説があるが、それがどうして生まれたかという話である。
1920年代にメルセデスがあるレースに出ようとしたら、750kgの規定を1kgだけオーバーしていたために、そのときの塗られていた白い塗料を急遽はがして、重量オーバーをまぬがれたそうである。塗料をはがしたために下地の金属がむき出しになり、シルバー色に輝いたメルセデスが矢のようなスピード走り回り活躍したそうである。
そこから、ベンツのシルバーアロー(銀色の矢)というのが、シンボルカラーになったそうである。
だからなんなのだという声が聞こえてきそうであるが、片平先生に言わせると顧客の頭の中に記憶に残るストーリーがブランドを形成するには大事だと言っていた。
私が言っていたことは、ブランドの専門家から見ても正しいのだと思って、意を強くした次第である。
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コメント
義堂さんへ
いつもコメントありがとうございます。
LVMHもこれだけ成功してしまったので、これからが勝負でしょうね。
プレミアムブランドが大量生産品になってもそのブランド価値を失わない例は、自動車などではベンツ、BMW、レクサスなど結構あるのですが、ヴィトンはどうなりますかね?
投稿: 内田和成 | 2007年8月 7日 (火) 22時34分
優れたブランドにはストーリーがあるとのお話は全くその通りだと思います。ビジネスを成功させるには、attractiveなストーリーを常に提供し続けなくてはなりませんが、LVMHの堅固なブランド構築力は、やはりその財力を梃子にした素晴らしいストーリーテーラーだからだと感じます。しかし、最近では、新しいストーリーを展開するこに焦り、次々とデザイナーを変える、新商品を出す、ブランドロゴを変えるなど、簡単にブランドアイデンティティを損いかねない戦略を打ち出し、却ってブランドを毀損させている企業もあるように思います。
投稿: 義堂 | 2007年7月30日 (月) 21時50分