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2007年7月10日 (火)

ガリバーのビジネスモデル

20の引き出しのリクエストが時々あるので、カテゴリーとして独立させて、これから少しずつ紹介していくことにする。これまで内田の情報術として紹介してきた記事の中にも20の引き出し関連がたくさん入っていたので、折を見てこのカテゴリーへ移しておきます。

ガリバーという中古車買い取りチェーンがある。テレビコマーシャルなどを見たことがある方も多いと思う。中古車の買い取りというときわめてユニークなビジネスに見えるかもしれないが、実は中古車の買い取りそのものは昔からある。一つは街の中古車販売店であり、もう一つは新車を買うときの下取りである。

前者の街の中古車屋さんで車を売るのは、一部の自動車に詳しい人か、新たに中古車を買う時に今乗っている中古車を下取りする人に限られる。というのも中古車屋さんというのは普通の素人が車を売ろうとした場合に結構敷居が高いからである。

後者はほとんどの人が車を売るという意識なしに売っているから、売ったと思っていない。講演などで、ガリバーの話をする前に車を売ったことありますかと聞くと2-3人しか手が上がらない。ところが、新車を購入時に自分の今乗っている車を引き取ってもらう、いわゆる下取りは立派な販売であり、譲渡証明書を用意したり、契約書を交わしたりしているはずである。

ガリバーがユニークなのは、従来の中古車販売店が持っている「中古車をなるたけ安く買いたたいて、出来るだけ高く売る」という小売業の発想がないことである。では、彼らはどのようなビジネスモデルかといえば、買った車は市場価格、すなわちオークション市場の価格で販売する。そして仕入れ値はその市場価格に適正なマージンと言うより手数料を載せるだけ(実際に市場価格より、手数領分安く買い入れることになる)という発想である。そのマージンは1台あたり10万円前後といわれている。
それに対して、通常の中古車販売業者の場合は、販売の方が目的であるから、売りやすい車は喜んで仕入れるが売れそうにない車は買いたたくことになる。そうしないと売れなかった場合の在庫コストや転売のコスト、その間の価格目減りコストなどをすべて自分でかぶってしまうからである。したがって、買い取る場合には出来るだけ安く仕入れようとする。小売業が売れる商品は多少仕入れ価格が高くても買うのに対して、売れそうにない商品はリスクを見込んで安く買いたたくかあるいは敢えて仕入れないというのと同じことである。

結果的にガリバーのやり方なら消費者から見ると、通常の中古車販売店に比べて、かなり高い価格で自分の車を買い取ってもらえると言うことになる。こうした小売業型ビジネスモデルから、手数料型あるいは消費者のための販売代理店型ビジネスモデルに転換させたことがガリバー成功の秘訣ではないかと思う。

一方で、新車ディーラーの下取りというのは、純粋な中古車の売買ではなく、あくまでも新車販売のための販促ツールと一体化しているので、価格が不透明というのが最大の課題になる。これについては、機会があれば別途述べてみたい。

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