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2007年5月17日 (木)

リクルート社を再び成長軌道に乗せた男

今週のリーダー登場は、リクルートの柏木社長でした。

4年前に社長に就任したときは、それまで2期連続で減収減益だったそうだ。その時点で、手堅く既存のビジネスモデルをキープしながら減収増益を狙うのか、新しい事業や市場にも進出して成長を目指すのかという2つの選択肢があったときに、リスクがあるのは分かっていたが、社員のモチベーションのためにも後者の選択肢を選んだという話が、まず印象に残った。

経営トップの役割をいくつか述べていたが、その中でやめる決断、組み替える決断はトップでないとやりにくいという話が特に記憶に残った。事業を推進している人間はどうしても「後少しやらせてください、そうすれば・・・」ということになるので、やめる決断こそトップがすべきという話で、安比高原のリゾート事業からの撤退、リクルートコスモスの売却などをその例に挙げていた。さらに求人誌や住宅情報誌の無料化というのも、最後はトップでないと決断できないと言っていたのも、すごくよく分かる。というのも、リクルートの屋台骨を支えてきたであろう週刊住宅情報やFromAのような雑誌を無料化するのは大きなリスクを伴うものだったに違いない。

社長就任後4年経ち、会社の業績もきわめて順調に推移しているようで、当初の成長路線選択が正しかったのであろうことが良く理解できた。そのために経営にも将来の見通しにも自信を持った話しぶりだった。そうかと言って傲慢な印象は全くなく、受講生からの細かい質問にも丁寧にかつ真摯に答えていた。

その他にも、カンパニー制を徹底することで遠心力を働かせて社員のやる気を出す経営を心がけている中で、社員のやる気を損ねることなく本社がどのような役割を果たすべきかなどの話題にも触れていた。そうした話題を通じて、社員や人を大事にしている様子が伝わってくるプレゼンテーションならびに質疑応答でした。まだ49歳と若い経営者なので、さらなる飛躍を楽しみにしている。

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コメント

グーグルなどのWeb2.0はリクルートの大いなる競争相手になるでしょうね。しかし、一方でリクルートはそうした新しい動きを自社のサービスに取り入れる組織能力を持っているかもしれません。

講義の中で、カーセンサーに対する競争相手のグーの話が出たときに、柏木社長が自分たちのサービスのレベルが落ちることが一番怖いと言っていたのが印象的でした。リクルートの媒体に出せば、絶対出しただけの効果があるとクライアント(顧客)が思っている限り、他社が安いからと言って逃げることはないだろうが、自分たちのサービスに金を出してもあまり効果がないということになれば、結局安いところでいいやということになってしまう。
そうならないために、常に費用対効果が必ず上がるような事業・サービスを続けていくというのが彼の答えでしたよね。
素晴らしい発想だと思いました。

投稿: 内田和成 | 2007年5月29日 (火) 00時30分

声を嗄らして質問に答えていただく場面もあり、非常に熱気溢れるあっという間の90分でした。

帰りの電車に揺られながら考えていたのですが、
リクルート社の最大のライバル・将来の脅威は、やはり「Google」(講義の中でもちらっと話が出ていましたが)ということになるのでしょうか?「ネット」だけでなくリクルートが得意とする「フリーペーパー」や「情報誌」の分野が主戦場になってくるような気がします。
これも「異業種格闘技」になるのでしょうか

今後もリクルートから目が離せません。
ありがとうございました。

投稿: 名無し | 2007年5月18日 (金) 01時02分

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