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2007年4月13日 (金)

恐竜と隕石の話

ゼミ生の朝川君のリクエストに応えて、20の引き出しの「恐竜の絶滅は隕石衝突」を紹介しよう。これは以前にも取り上げたジョエル・バーカーの「パラダイムの魔力」の中で紹介されている。恐竜が地球に衝突した巨大隕石のせいで絶滅したというのは今日では定説になっているが、それ以前には恐竜は地球の環境変化に適応できなくなって徐々に絶滅したと信じられていた。
そうした中で、従来の常識に全く反する恐竜隕石絶滅説を提唱したのは、生物学者でも考古学者でもないノーベル物理学者のルイス・アルヴァレズだったそうである。彼は、恐竜が絶滅した時代の地層の中から、奇妙なイリジウム層を発見し、そこから恐竜の絶滅は地球に巨大隕石が衝突したときに起きたという仮説を立てた。しかし、従来の説を信じ切った、すなわち従来のパラダイムにとらわれた専門家たちはついにアルヴァレスの説を受け入れることなく、彼に名を成さしめてしまったという話である。
ここから学べる教訓は専門家であればあるほど自分たちの持っている既存の知識や常識にとらわれて、新しい考え方を受け入れるのが難しい。とりわけ新しい説も提唱するのが門外漢の場合には、既存のエスタブリッシュメントは拒絶反応を起こす可能性が高い。
企業が新しい考え方に接した場合や、競争相手がユニークな打ち手を打ってきた場合には気をつけるべき態度である。

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コメント

くぼっちさんへ
確かに大陸移動説も同じですね。その学説を聞いて、世界地図のアフリカ西岸と南アメリカ大陸の海岸線の相似に気がついたときの新鮮の感動は今も覚えています。すごいことを考え出した人がいるなと思いました。
でも、考えてみればガリレオやコペルニクスも全く同じでしたね。いつの時代、どこの企業にも守旧派はいるし、多数の夢想家(いろいろなアイデアを思いつくが間違っていたり、使えなかったりする)とごく一握りの本物(革命家)がいるものだと思います。

投稿: 内田和成 | 2007年4月15日 (日) 23時56分

内田先生、似たような話は大陸移動説にもありますよ。
20世紀初頭にアルフレート・ヴェーゲナーという気象学者が、南アメリカ大陸の東海岸線とアフリカ大陸の西海岸線がよく似ていることに気がついて、太古の昔はこれらの大陸が一緒だったのではないか、各大陸が漂流して今の形状になったのではないかという「大陸移動説」を唱えました。

当然のことながら、当時の地質学者は門外漢のヴェーゲナーが唱える説を非科学的として哄笑し、彼が存命中に大陸移動説に関する業績が評価されることはなかったのですが、彼の死後、地磁気の計測等によってどうも大陸は移動していたらしいことが認められ、今彼は現在まで連なるプレートテクトニクス理論の先駆けとして評価されています。

ここから教訓を得るとすれば、全く異なるパラダイムを提出されたときに、旧来のパラダイムの中でエスタブリッシュメントであった人達は、新しいパラダイムの出現によって自分達の地位が脅かされることを恐れて、その現実を葬り去ろうとする力学が働きがちである、ということですね。

今私が所属する会社は、同じ業界にいながら全く利益構造の違うライバルが突然出現して、大急ぎで競争戦略を考えている最中です。そのために私が用心棒として採用されたわけですが、既存のパラダイムに慣れた人たちを説得するのは大変ですよー。その人たちがエスタブリッシュメントであればなおのことです。。

投稿: くぼっち | 2007年4月15日 (日) 21時55分

リクエストに答えていただき、ありがとうございます。
隕石絶滅説の前に自然消滅説があったとは知りませんでした。確かに自身の持つプライドのようなものがあればあるほど、新しい知識を拒絶する可能性は高いですね。これから社会に出ていく身として常に頭に入れておきたいと思います。

そういえば少し話はずれるのですが、恐竜絶滅の隕石衝突説以外の説としてある説を聞いたことがあります。それはウィルス絶滅説です。白亜紀になぜ大型爬虫類のみが絶滅したのか。それは今で言うインフルエンザのような強力なウィルスが蔓延したためだというのです。
確かにウィルスには特定の種だけを狙うことができる能力を持っています。(鳥インフルエンザが簡単に人間には発症しないように。)
ただそれだけ感染力の強いウィルスが蔓延したというのは非常に怖い話ですが。。
隕石で地表が火の海となったのに何故他の生物が生きているのか、という疑問を私はなんとなく持っていたので、この説はすんなりと頭に受け入れられました。

教訓などはないのですが。。

投稿: あさかわ(学部生) | 2007年4月14日 (土) 17時48分

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