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2007年4月24日 (火)

勝ち馬になる

勝ち馬に乗るのがせこい、あるいは嫌だという企業にとっては、自ら勝ち馬になるという戦略があり得る。人のふんどしで相撲を取るくらいなら、失敗しても良いから世界初を目指すあるいはダントツナンバーワンを目指すということである。ソニーなどはこのタイプだろう。ウォークマン、CD、プレーステーションなど、様々なナンバーワン製品を生み出してきている。と言っても最近はiPodなどにやられて精彩を欠いているが。

新しい事業を始めるときに二つのリスクがある。一つは市場リスクといい、新しい市場がそこに本当にあるかどうか分からないリスクである。もう一つのリスクは競合リスクである。そこに市場があったとしても競争に勝てるかどうか分からないことをいう。
たとえば、私の祖父は自転車につける方向指示器の特許を持っていたが、こんなものは手があれば済んでしまうし、自転車のバランスも悪くなるので全く普及しなかった。市場リスクの最たるものであろう。
一方で、市場リスクはなかったが競合リスクのためにせっかく創り出した市場を他社に取られてしまった例でいえば、IBMのPCがあげられる。アップルのクローズドなPCに対して、オープンな規格のPCを創り出し大ヒットした。しかし最終的にはコンパック、デルなどの競合に追い落とされてしまった。
日本企業はどちらかというと、他社との競争は歓迎だが、市場があるかどうか分からないところに一社だけ出て行って新しい市場を創り出すというのは苦手なようだ。ソニーとは逆のパターンだ。一人だけブルーオーシャンに漕ぎ出して失敗するよりレッドオーシャンでみんなと戦う方が安心するのだろう。(チャン・キムの「ブルー・オーシャン戦略」については別途取り上げます。)

もう10年は前のことであるが、アメリカから来たシニアのコンサルタントと日本の錚錚たる企業の経営者たちを訪問したときに、多くの経営者の口から「第二のマイクロソフトはどこですか」という質問が出て失望したことがある。彼らは第二のマイクロソフトになるような企業をいち早く見つけてそこと組めば、御利益があるあるいは他社に先駆けてはやりのビジネスの乗り出せると考えたようである。なぜ私が失望したかといえば、日本の経営者から「どうしたら第二のマイクロソフトになれますか」という質問を期待したからである。

個人的には成功確率は低くても、勝ち馬に乗るよりは自ら勝ち馬になる戦略を選びたい。それにつけても坂村健さんのTRONはすごかったな。
コンサルタントだから、そんな勝手なことを言うと怒られそうであるが・・・。

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