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2007年4月18日 (水)

日科技連

今週月曜日に日本科学技術連盟(通称:日科技連)で「仮説思考」の講演を行った。仮説思考の本を出してからちょうど1年になるが、こうして仮説思考の考え方が確実に広まっていくのはうれしいことである。

さて、仮説思考の講演でいつも出る質問が3つある。一つはもし仮説が間違っていたらどうするのかという質問であり、二つ目はどうやったら仮説思考を身につけることが出来るかであり、三番目が自分が仮説思考をやろうとしても上司が網羅思考(すべてをしらみつぶしにやらないと気が済まないタイプ)だった場合にどうするのかである。
今回の講演会では2番目の質問が出た。簡単に答えておく。

一つは自分が意思決定しなくても良い案件、すなわち上司や経営者がしなくてはならない意思決定でも自分で意思決定のシミュレーションを行うやり方である。例えば、新規事業のゴーサインを出すかどうか、新製品の価格やプロモーションをどう考えるかなど、企業活動で意思決定をすることは山ほどある。大半は、上司ないしは組織で意思決定をする場合の材料を提供するまでが自分の仕事ということが多いと思うが、その場合でも自分で仮説を立てて、仮の意思決定をしてしまうのである。そして、上司の意思決定と自分の意思決定が同じだった場合には、結果が予想通りだったか文字通り検証すればよい。一方で、上司の意思決定と違った場合は、結果が出たときに自分の意思決定と上司の意思決定を比較してどちらが優れていたかを密かに検証する。密かにやるのが大事で、これをおおっぴらに述べれば嫌みと取られるか上司批判になるのでやめた方がよい。

次に簡単にできる訓練は仕事に関係ない日常の出来事を題材に、頭の中でいろいろな仮説を立ててみる。例えば、近所のレストランで評判なところがあれば、その理由を考えてみる。味の場合もあるだろうし、サービスの場合もあるだろう、あるいはインテリアかもしれない、もちろん価格が安いのが理由の場合もあるだろう。単に競合店がそばにないだけのケースもあり得る。こうした考えられる可能性をいろいろ上げてみて、一つ一つ検証していくのである。例えば、自分の好きな他のレストランに比べて、味はどうなのか、サービスはどうなのかといった点である。

最後の訓練は会社の仕事に直結したやり方である。例えば自分が製造部門に所属しているとして、営業に対する不満あるいは問題点はたくさん抱えているはずである。なぜなら、こうした部門間の対立はほとんどの企業に共通の課題であるからだ。そこでまず自部門が持つ相手部門への不満を羅列してみる。普通はその次にそれらの課題の重み付け(重要度の判断)を行い、最後に解決策を考えるというように進むはずである。
しかし、私の提案はちょっと違う。問題点を羅列した後に、相手の立場に立ってその問題を見直してみるのだ。要するに彼らはなぜそう考え、行動するのかを推察してみるのである。これを私は「相手のめがねをかけてものを見る」と言っている。そうすることによって解決策が見つかることも多いが、それより大変優れた頭の体操になる。違う視点からのものの見方を学べるからである。仮説を立てる上で大事な視点である。

ちなみに今週はもう一件、早稲田大学IT戦略研究所主催のエグゼクティブリーダーズフォーラムというところで、やはり「仮説思考と戦略思考」というタイトルで講演する。

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