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2007年3月

2007年3月31日 (土)

パスモとスイカ

先週から、都内の地下鉄・バスでICカード乗車券パスモが導入されて、JRのSuicaと相互乗り入れになった。お蔭で、大学に行くのが今までの3枚から1枚で済むようになり大変便利になった。
というのも、私は大学に行くときに田園都市線を使って、渋谷まで出てから、JR山手線に乗り換え、高田馬場まで行く。そして、そこからさらに都バスに乗って大学に行くことが多いです。これまでは、そのために私鉄用にパスネット、JR用にスイカ、都バス用にバスカードを使っていました。

Pasmosuica
これがスイカ一枚で済むのは本当に便利です。でも、細かいことを言うと、上記3種類のカードの内バスカードだけが、5000円に大して850円のおまけがついていたのです。これがSuica(パスモでも同じ)を使うと割引なしになってしまいます。

えっ、定期券持っていないのと言われそうですが、毎日大学に行っているわけではないのと、いろいろなところに寄り道するので、こういう事態になっているわけです。

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2007年3月30日 (金)

キャプテンの唇

20の引き出しの一つ「リーダーシップ」に入っているフォルダで「キャプテンの唇」というのにリクエストがありましたのでお答えします。
キャプテンの唇というのは、本の題名は忘れてしまったのですが、アメリカのコンピュータメーカーのデータゼネラルという会社を創業した社長の伝記に出ていた話をヒントに私がつくった話です。ちなみにデータゼネラルというのは、20年くらい前にはやったミニコンを作っていた会社で、当時はミニコン・ナンバーワン企業のDEC(IBMをしのぐエクセレントカンパニーとしてもてはやされていた会社です)を追いかけている大変元気な会社でした。今はどちらの会社も買収されてなくっています。

さて、本題です。リーダーシップの大事な要素の一つに部下を育てることがありますが、そのためには、部下に大事な仕事を任せて、経験させ、痛い目に遭わせるくらいで始めて本当の力がつくという考えがあります。この話をたとえ話にして、分かりやすくしたのが、「キャプテンの唇」です。と自分は思っています。

具体的には船長が航海士を育てるときに、本当に優れた船長というのは、平穏な大海原ではなく、危ない岩礁がたくさんあるような海であえて若い航海士に舵を任せるそうです。そして、実際に任せたらどんなに危ない操船をしようともぎりぎりまで彼に任せ、どうしても口出しをしたくなったら、実際に声を出す代わりに唇から血がにじみ出るくらい自分の唇をかみしめてがまんせよと言っています。もちろん、下手をすれば難破してしまうわけですから、最後の最後には自分で取って代わる必要もあるわけです。育てるために痛い目にあるまで任せて学習させることと、実際に船の安全を確保しないといけないこととのバランスをどこで取るかは、きわめて難しい問題です。でもこれが、下を育てるだけでなく、リーダーも育てることになると思います。

自分の経験でも、若い人あるいは次の人に任せたつもりが、結局気になって気になって、つい「ああしろ、こうしろ」、あるいは結局ここから先は自分に任せろという経営者がたくさんいます。これでは人は育ちません。でも任せた若い人が間違えると会社が危機に瀕します。次世代の経営者、あるいは自分の後任を育てるにはどうしたらよいかという議論のときにこの話を使います。

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プリンスホテルの桜

朝方の強い雨にもかかわらず、BCGオフィスの向かいにある赤坂プリンスホテルの桜が、見頃になってきました。

Sakura_3 

2月中にも咲いてしまうのではと思っていた桜が、3月の寒さで押し戻されて、結局いつもの通りの今頃に咲くというのも、季節の神様が機能しているのかな?それともマイナスとマイナスのかけ算がプラスの答えになるように、異常気象が2度続いて元に戻ったということかも知れません。

歯医者さんと桜の話していて、昔を思い出したのですが、今でも新入社員が夜の花見のための場所取りなんてやっているのですかね

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2007年3月29日 (木)

花田社長と遭遇

 
現在仕事で大阪に向かう新幹線の中です。いつも私のブログにコメントをくれているeFPの花田社長と隣の席に乗り合わせました。すごい奇遇です。京都の会社へ行く途中ということですが、こちらが余り新幹線に乗らないことを考えると、彼がいかに日本中を飛び回っているかがよく分かります(詳しくは彼の社長ブログを参照)。

Hanada_2

今日は私のかわいいノートブックPCのソニーVAIO-Gも同行です。初めて出張に持ってきたのですが、大きさ的にはすばらしいのですが、動作がなぜかのろいです。せっかくウィンドウズ・ビスタにしたのに・・・。

ただし、これが機械のせいか、私が慣れていなせいか、はたまた通信環境のせいかよく分かりませんので、後日きちんとレポートしたいと思います。
昨日紹介したカシオのデジカメとセットで使うと、新幹線の中からもここまでやれます。とりあえず、車中からもブログにアップできることが分かったので、今はここまで。

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2007年3月28日 (水)

ホワイトボードに変身

今日は私の愛用のデジカメを紹介しよう。カシオの薄型デジカメ「EXILIM EX-S770」である。特徴はとにかく小さく、薄く、軽いためにかさばらず、カバンでも服でもどこにでも収まってしまうことにある。どれくらい小さいかというと、厚みは少し無理があるが、大きさは名刺入れに楽に入るサイズである。
Exilim_exs770

カシオのホームページのURLは以下の通り
http://dc.casio.jp/product/exilim/ex_s770/

主に何に使うかと言えば、まずは黒板やホワイトボードに書いたものをメモするために使う。大学にはコピー機能付きのホワイトボードは数が少ない。また、大半が黒板のままである。この上に書いた事柄を後々まで取っておきたいことがある。もちろん企業に出向いていってディスカッションの内容を残すことも多い。そのときに紙に写し取るのが面倒なためにこのカメラを使う。要するに携帯式のコピー付きホワイトボードである。たとえば、これを使って黒板を保存すると次のような写真になる。これは既に1/4に圧縮してあるが、それでも十分すぎる鮮明さであることから、オリジナル画像のクォリティが想像できると思います。

Kokuban_1


他の用途は出張や旅行に行ったときの記念や記録のためである。こちらは本格的なズームを搭載したり、手ぶれ防止装置がついたデジカメに比べると物足りないが、とにかく軽いのでカバンの中に入れておけばほとんど苦にならない。そうやって撮った写真の例が下記である。

Wipro_1     

India_1

これは以前インドに行ったときの写真であるが、最初の写真はインドのシリコンバレーといわれるバンガロールにある、ビジネスアウトソーシングのWiproという会社のオフィスである。アメリカのシリコンバレーにあるようなしゃれたオフィスと言うよりほとんどキャンパスである。一方で次の写真はデリーの市内に見られる住宅?である。背景に見られるような近代的なビルの横でこんな生活をしている人たちがいることに大変驚いた。実はこの写真は、走っているバスの窓から、気がついたのでカメラをすぐ取り出して写したものである。このカメラにはこうした機動力がある。

以前はこれよりさらに薄くて小さい「EX-S20」を使っていた。こちらは厚さがわずか11.3mmと驚異的に薄く、本当に名刺入れに入れても違和感がなかった。ただし、ズームがついていないのと、ピント合わせが弱くピンぼけ写真になることが多かったために、S770に買い換えたのである。

Exilim_s20
S770には3倍ズームがつくだけでなく、オートフォーカスもしっかりしており、画面は小さいながらとりあえず楽しむには十分な動画撮影機能もついている。動画であっても、出張報告などに添付するにはそんなに苦にならない大きさのファイルに収まるのも魅力的である。

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2007年3月26日 (月)

当たらないジャブは効果が分からない

少し前の20の引き出しの使い方のところで、「券売機より精算機」の話をしたが、ビジネスはやってみないと分からない部分があるというネタで同様な事例としては、「携帯を家で使う子供たち」の話がある。
携帯電話が出始めた頃は、携帯電話は出先や移動中に使うもので、家では固定電話を使うというのが常識であった。もちろん料金の問題もあるが、頭の中の優先順位がそうなっていた(先入観)。ところが子供たちはそんな使い方をしなかった。家でも友達と話すのに携帯電話を使うし、パソコンの電源が入っていて無料のe-mailが使えるのにわざわざ有料の携帯メールを使う。私などは不思議で仕方なかったが、今や大人も同様の使い方である。
また、ゲーム機というのは子供の機械、あるいは若者のものという常識をぶちこわしたのは任天堂のDSライトである。これも頭を良くするソフトの影響と思われるが、大の大人が電車の中でいすに座り、吊革につかまりゲーム機を操作しているのを見て奇異だと感じる私はたぶん時代遅れなのでしょう。

3月25日付の「峠の豚」に対する名無しさんのコメントにもありましたが、これらのネタは使ってなんぼです。私も見つけたネタや思いついたネタはなるべく早い時期に一度は使ってみます。なぜかと言えば
1)そうしないと忘れてしまう
2)実際にどれくらい使えるかの効果測定
3)改良
の3つがあります。

一番目は説明不要と思いますが、二番目はいくら自分でおもしろい話・説得力のある話と思ってみても相手に通じないと意味がありません。そのために使ってみるのです。それによって思わぬ効果がある場合もあれば、きょとんとされて意図が通じない場合もあります。もちろん相手にもよると思いますので、2~3度試してみることもありますし、一度でお蔵入りする場合もあります。そうやって生き残ったネタがフォルダにファイルされるのです。もちろん、すべてバーチャルで行ってますので、ファイルされるまではどこにおいてあるのかなんて聞かれても答えられません。正確に言えばテンポラリーファイルになっているのだと思いますが、自分の頭の中では最初から同じフォルダです。
私が若いコンサルタントに言っている話で、「ジャブは当たらなければ効果が測定できない」というのがあります。ここでジャブというのはボクシングの弱いパンチのことですが、いくら繰り出しても相手にかすりもしなければ、それがどれくらい威力があるか見当がつきません。こちらが威力があると思っても、相手は蚊が留まったくらいにしか感じない場合もあれば、思わぬ威力で相手が倒れてしまう場合もある。それを打つ前からああだこうだ、くよくよ考えるより、相手にぶつけてみろ。それで痛い目にあって始めて、次からどれくらいの手加減で打てばよいか分かるよと言っているのと同じことです。
三番目は、もちろん使ってみると、もう少しここは丁寧に説明した方がよいとか、ここは表現を変えようとか、あるいはこういう場面ではこのネタよりこっちのネタの方が説得力があるとか考えるわけです。


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2007年3月25日 (日)

峠の豚

20の引き出しのフォルダの内、リクエストが3つありました。「峠の豚」「キャプテンの唇」「柔らかなリーダーシップ」です。
今日は、「峠の豚」を紹介しましょう。これはジョエル・バーカーの「パラダイムの魔力」という本の最後に出てくる逸話です。ある男の人が自慢の愛車ポルシェでいつもの峠道を気持ちよく上りながらドライブしていると、見通しのきかないカーブで反対側から女の人の運転する車が蛇行しながら降りてきて、今にも自分の車にぶつかりそうになった。すれ違いざまに女の人は「ブタ」と大声で叫んだので、こちらも頭に来て「ブス」とののしり返した。少しはすっーとしてカーブを曲がったらそこにいたブタにぶつかったいう話です。男の人はへたくそな女の人にののしられたとばかり思い、向こうが悪いのに何でそんなことを言われないといけないのかと思い、ブタとののしられたのでルールに従いブスとやり返したわけです。しかし、実際には女の人は自分が危ない目に遭いながらも、相手に教えてあげようと思い、親切で「ブタ」といってくれたわけです。これは自分の思いこみや常識で対応すると、思わぬ落とし穴がありますよ。あるいは自分があるパラダイム(ルールのようなもの)に囚われていると、なかなか新しいパラダイムが理解できませんよといった教訓を話すときに使います。

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2007年3月24日 (土)

フォルダのタイトル

リクエストにお答えして

20の引き出しに関して、質問とリクエストがありましたので、お答えしていきます。
まず、フォルダ名がユニークなのは、覚えやすくするためかという質問がありましたが、イエスでもありノーでもあります。

イエスの理由は、以前にも言ったように、20の引き出しは頭の中の仮想の引き出しであり、実物があるわけではない。また、書いたものなり、デジタル情報なりが取ってあるわけでもない。そうなると記憶だけが頼りと言うことになる。しかし、これもいつもきちんと覚える努力をしていると、とても疲れてしまって、いざというときに使えない。そこで必要なときに何となく思い出すために語呂合わせ的な名前をつけて覚えやすくするのである。歴史の年号を「良い国(1192)作ろう鎌倉幕府」と覚えるのとかなり似ているかもしれない。ただし、単なる語呂合わせではなく、必ず中身に関連したものにしておく。
一方で、覚えやすさだけではないという理由は、誰かにこの話をするとき、唐突に話すより、何々の話をしますと言ってから話し始めた方が効果的なことが多いからです。そのときに、相手がなんだかおもしろそうだなと思ってくれることが大事なために、結構しゃれた名前をつけるのです。

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2007年3月23日 (金)

楊家将でストレス解消

仕事がハードすぎて疲れを取りたいとか、考えが煮詰まってしまって気分転換を図りたいときに最高の本がある。特に経営者の方にお勧めである。実際に何人かの経営者にも勧めたが好評である。

北方謙三の楊家将(ようかしょう)(PHP文庫)で、とにかく文句なしにおもしろい。
10世紀末の中国は宋の時代の武将である楊業(ようぎょう)の活躍を描いた時代小説です。小国の武将だった主人公が、国を捨て宋に降るところから小説は始まる。そして宋の北にある強国の遼から、宋を守るために楊業とその子供たちが獅子奮迅の活躍をする。ところが、宋の国生え抜きの将軍たちと官僚が共に無能であるために、武将の楊業はやたらと苦労し・・・という非常に単純な話です。

しかし、とにかく
1)ストーリーのおもしろさ、スピード感
2)大活劇(戦闘シーン、ライバルのすごさ)
3)男ならこうありたい
がみんな詰まっていて、上下巻を一気に読めます。
私自身は、読み終わるのがもったいなくて、途中でわざとペースダウしましたが。

企業にたとえると経営者自ら優秀な営業担当役員を中途採用したところ、同じ社内で営業生え抜きの人から足を引っ張られたり、競争相手に優秀で強力な営業担当役員が現れたり、経営者の取り巻きスタッフが官僚主義で現場のことを何も考えなかったりする。そうこうする内に結局会社の業績が・・・みたいな話です。

ノッてるときよりは、無茶苦茶にテンパッテいて、思い切り息抜きしたいときにお勧め。

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2007年3月22日 (木)

20の引き出しの使い方

今日は20の引き出しの使い方の話である。20の引き出しはいつ、何のために使うのだろう?
一つにはコンサルタントとしてお客さんと話をしているときに、相手を印象づけたり、あるいは関連するテーマに関する自分の考えを述べるために使う。
もう一つは、こうしたネタを大勢でディスカッションする際に、相手の質問に答える時や自分たちのの理論を裏付けるために、頭の中から引っ張り出してきて使う。
要するに1対1のディスカッションか、あるいはミーティングの最中に使うことが多い。
こうした話は相手の注意を引きつけるときにも有効であるが、自分の言いたいことを補強するときに、実際の事例を紹介するのはきわめてパワフルな説得材料となる。アナロジー(類似事例)の活用である。
もちろん私の場合は、講演のネタや書籍の材料としても使っている。一粒で何度もおいしいのである(このひねりはグリコを知らない、若い人には通じないかも)。

たとえば前々回に紹介した「電子マネー」の引き出しに入っている「券売機より精算機」というネタは、JR東日本から聞いた話である。Suica(乗車券や定期券として使用できる電子マネー)を導入した当初はお客さんが、残額が少なくなってくると、駅の改札口の前に置いてある券売機で事前にチャージするだろうと考えたそうだ。ところが実際にSuicaが導入されてから分かったことは、お客さんはたとえ残高が少なくなっていても乗る駅ではチャージせずに、降りる駅で精算機のところでチャージするケースが圧倒的に多いことが分かったそうである。これも考えてみれば、乗車する区間の運賃がいくらかを知らずに乗れるのがこの手の電子乗車券のメリットだとすれば、まずは乗ってしまうと言うのは自然な行為である。次に足りないかどうかに気にせず降りた駅の改札口を通ろうとして「ブー」っとならしてしまう人と、ぼちぼち足りないかもしれないから改札口を通る前にチャージしておこうという人に別れる。いずれの場合も改札口の外にある券売機ではなく、改札口より中にある精算機を使うことになる。ということで、急遽駅構内のSuicaをチャージできる精算機を増やすことにしたそうである。最近JRの駅から券売機が減っていることに気がついた人はいるだろうか?

これなどは、電子マネーのような新しいことをやろうとした場合、最初から完璧にすべてを準備しておくことは難しいので、まず実行してみて、それから軌道修正していくという考えがビジネスにおいては大事であるといった使い方をする。一言で言えば、物事はやってみないと分からないことがある。まずやってみて、そこから学ぶ姿勢が大事ということになる。これをそのままの文章で言っても迫力もなければ、説得力にも欠けるので逸話を使うのである。

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2007年3月21日 (水)

佐治信忠さん

私が非常勤で監査役をやっている会社サントリーのリーダーが佐治信忠さんである。
彼は非常に豪快で、本人が明るいだけでなく、周りを明るくする資質を持っている。結果として、サントリーという会社は活気にあふれて、みんなが前向きな会社である。ややポジティブシンキング過ぎるところが気になると言えば、気になるが・・・。
佐治さんの素晴らしいところは、一見豪放磊落で物事をあまり考えていないように見えるが、実は物事を深く考えていることにある。また、一本筋が通っていて、経営の軸がぶれていない。

ずいぶん前に「経営者は自分が分からない事業は経営すべきでない」と申し上げたことがあるが、すぐ分かってくれた数少ない経営者である。
経営者の中には、自分は○○部門出身なので、研究開発のことはよく分からないとか、為替がこんな風になることは予測できなかったとか、言い訳する人が結構多い。たとえば半導体の好不況で大きく会社の業績がぶれたときに、ここまで半導体の価格が下落するとは思わなかったとか、技術の世代交代が進むと思わなかったとか、環境のせいにする経営者がいたがそれは経営者失格だと思う。経営者である以上、自分の会社の業績にはすべて責任を持つべきである。といっても、マスコミが言う責任を取ること=辞職というのも全く見当違いの批判でそんなことを言っているからいつまでも日本の経営者は思いきったことが出来ないのである。すいません、佐治さんの話から少し脱線してしまいました。

ところで、今週発売の日経ビジネスはサントリー特集です。その中の編集長インタビューにも佐治社長の特徴がよく現れてる。
たとえば、サントリーが非上場なことについて、編集長が株式市場の声を聞き、株主の声に耳を傾けるのがよい経営という考えもあるが、という質問をしている。
そこでの佐治さんの答えがふるっている。『市場の声を聞けばうまくいくというのなら、誰にでも出来る。(省略)・・・経営者にとって一番大事なのは勘ですよ、勘。この勘が働くかどうか。』
やっぱり勘って大事なんですね。【経営は勘(2月17日、28日)の項を参照】

また、コンプライアンスについても、こう答えている。
『人間がやるんだから、間違いは起こり得る。起こったときにいかに早く正しく対処できるかが大事だと言っているんですよ。』
私も全く同感である。コンプライアンス室を作ったり、ルールやマニュアルを整備することがコンプライアンス対策だと思っている企業が多い。しかし、私は人間である以上必ず間違いは起こる、それをゼロにすることは不可能であり、問題はそれが起きたとき企業としてどう対処するかという判断を社員一人一人が出来る仕組みを作ることが本質だと思っている。

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2007年3月20日 (火)

引き出しの中身

昨日は引き出しの大見出しと中身の一例を紹介したが、今日はさらに詳しく引き出しの中を紹介しよう。

例えば「パラダイムシフト」と「リーダーシップ」の引き出しに入ってるフォルダ名は以下のようなものである。

引き出しの中身例
フォルダの名前(ネタ)

パラダイムシフト

  • ピークを過ぎた国日本
  • キリンビール
  • シャープの液晶テレビ
  • NOVA 対 ベルリッツ
  • 1日に何回冷蔵庫開けますか
  • オークネットのLDinパイオニア
  • ガリバーのビジネスモデル
  • 恐竜の絶滅は隕石衝突
  • 海底のバドワイザー
  • 電話交換機の発明者
  • エアバッグの発明者
  • チェスの名人
  • 峠の豚


リーダーシップ

  • クラウゼヴィッツ(3つの要件)
  • オフト監督の牛
  • 阪急百貨店椙岡社長
  • トステムの在庫
  • NYのスターバックス
  • 柔らかなリーダーシップ
  • ゴーンの社内コミュニケーション
  • 優れたリーダーの分析(HBR)
  • 社長の時間の使い方
  • チャンピオンとゴッドファーザー
  • キャプテンの唇
  • 福原さんの北海道


こちらもパワーポイント形式のファイルも用意しておきます。

「hikidashi2.ppt」をダウンロード

たとえば、この中で「一日に何回冷蔵庫を開けますか」というネタは、若い人を調査すると1週間にCVSに20回行くという人が結構いる。これは1日3回もCVSに行くという話である。そうなると自分で冷蔵庫滅多に開けない中高年男性が冷蔵庫から自分でものを取り出す回数よりよほど多い。こうした中高生にとっては、冷蔵庫に品物を貯めておくという感覚がない。それより、欲しいものは欲しいときにCVSで買えばいいと言う発想である。冷蔵庫だと当たり前であるが在庫が限られてしまうし、へたをすると買ったものが無駄になってしまう。それより自分の欲望をジャストインタイムで利用できるCVSの方がよほど便利な冷蔵庫になるという訳です。
誰です、俺は冷蔵庫にいつも冷えたビールが入っていないと我慢できないと言っているのは?私もその派ですが、こうした人間にはなかなか若者向けサービスを考えるのは難しいかもしれませんね。といった風に使います。

もし表の中で、このネタは教えて欲しいというのがあれば、喜んで紹介するのでリクエストください。ただし一つの引き出しにつき2-3個はパブリックスペースでは話せないネタがあるので悪しからず。

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2007年3月19日 (月)

20の引き出しにはどんな見出しがついているのか

先日も伝えたように20の引き出しはバーチャルであるから、実際に存在するわけでもないし、見出しが張ってあるわけでもない。あくまでもバーチャルである、ということは常に変化すると言うことでもあり、その時々の私の興味のあり方で、引き出しのタイトルすなわちネタのくくり方が変わってくる。

ここでは、最近の例を紹介しておく。くどいようであるが、実際には存在しないバーチャルな見出しを無理矢理こんなものかなと切り出したものである。(脳内知の形式知化とでも呼ぶべきか)

20の引き出し
最近の見出し(大テーマ)

  • 仮説思考
  • 論点思考
  • 右脳発想
  • ビジネスモデル
  • パラダイムシフト
  • 異業種格闘技
  • リーダーシップ
  • 経営者育成
  • 創造性
  • マーケティング
  • 電子マネー
  • Web 2.0
  • コミュニティ(CtoC)
  • 企業再生
  • ベンチャービジネス
  • BRICs(特に中国、インド)
  • サッカー
  • 通信販売
  • ピークを過ぎた国日本

参考までに上の表をパワーポイントにしたものが下のファイルです。

「hikidashi.ppt」をダウンロード 

さらにそれぞれの引き出しの中にどんなフォルダ(ネタ)が入っているかは次のような感じである。
例えば電子マネーという引き出しの中には、「スイカのタッチアンドゴーの裏話」、「券売機より精算機」、「宅急便と1万円」、「マイレージは悪魔の囁き」、「フェリカの漁夫の利」などのフォルダーが入っており、顧客との話の中で披露しながら、より深い議論へ入っていく。
大見出しに相当する「引き出し」の方は相当意識して、このテーマについて情報収集しようとか、こういう引き出しを作ろうと意識するが、フォルダの方はまずネタありき、すなわちおもしろい話を先にマークしてそれからこれは何に使えるか、すなわちどの引き出しにはいるかを考える。時にはどの引き出しにも入りそうもないネタもあれば、「オフトの牛」のように複数の引き出しに入るネタもある。

お詫び:昨日の嶋口先生に対するコメントで私淑としたのは間違いでした。私淑とは直接教えを受けたことのない人に使う言葉で、直接教えを受けた人には親炙(しんしゃ)という言葉を使うそうです(広辞苑より)。教えていただいた、大聖さん、ありがとうございました。いや、日本語を知らないことがばれてしまいました。

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2007年3月18日 (日)

私の恩師

昨日、都内某所で私のビジネススクールの恩師で、人生の師である慶應義塾大学嶋口充輝先生の教授退任記念&名誉教授就任のお祝いの会がありました。

Shimaguchi01_3 嶋口先生と奥様・ご子息です

嶋口充輝先生は慶應義塾大学経営管理研究科(通称:慶應ビジネススクール)の教授を長いこと務められて、このたび慶應大学を定年で退官されて法政大学のビジネススクーに教授として移られることになりました。そのお祝いの会だったのです。

嶋口先生は日本を代表するマーケティングの大家で、昨日のパーティーにも神戸大学の石井教授や早稲田大学の恩蔵教授を始めとする大勢の学者の方もいらっしゃっていました。
教え子と先生の学者仲間にのみ声をおかけした内輪の会でしたが、200名に及ぶ参加者が集う盛大な会になりました。またパーティーの雰囲気も嶋口先生の人柄を反映して和気藹々とした会でした。

Shimaguchi02_1 不肖の弟子の私も幹事代表として挨拶をしました。

私にとっての嶋口先生は単なる学校の恩師を超えた存在です。個人的に私淑していると言っても過言ではないくらい、尊敬していますし、いつも教えを乞うています。
一つには学問的に学ぶことが多いからですが、もう一つには彼の素晴らしい人柄です。とても仕事が出来る人なのに全く偉ぶりません。いつも腰を低くされ、かつ怒ったことを見たことがないくらい温厚でかつ沈着冷静です。

ビジネススクールを卒業以来、学問的にも人間的にも先生を見習ってきましたが、まだまだ足元にも及びません。結局追いつくことはないような気がしますが、私にとって嶋口先生という Role Model が身近にあったのは大変な幸運でした。

嶋口先生、これからもお元気で、また引き続きご指導よろしくお願いいたします。

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2007年3月17日 (土)

ZillowについてのJさんからのコメント

先日紹介した「恐るべしzillow.com」(3月8日付)についてアメリカ在住のJさんがメールで次のようなコメントを寄せてくれました。長いですが、大変興味深いのでそのまま紹介します。実際に使った方の話なので迫力ありますね。すごさがよく分かると思います。Jさん、ありがとうございました。zillow.comの方のコメント欄にも同じものが載っています。

今からちょうど1年前、転職に伴う住居探しをしていました。買うか賃貸にするか最初は迷っていましたが、たまたまつけていたTVのニュースでこのZillowが偶然取り上げられており、それがtipping pointとなって一気に購入に傾いていったのを覚えています。

私の場合はアメリカ国内での引越しということで、実際に現地にいながらZillowを使っていました。目的は、やはり相場観・値段の手頃さ感覚の把握です。

ある建売物件を気に入ったので、その近所を車で回りながら比較対象と思える他の物件を数多く探し、住所をメモします。ホテルに戻ってZillowで価格を調べ、売主の希望価格の位置付けを「ベンチマーキング(?)」します。この情報を元にエージェントの方に私の考えを伝え、売主と交渉してもらいました。

当時私のエージェントはZillowを知らなかったようです。ですがこの作業のおかげで、こちらが一定以上の情報・分析を持った上でエージェントと対話しますので、通常以上の視点・情報を引き出せました。例えば見た目や大きさ・古さ・間取りなどがよく似た物件でも、どのような理由で価格に差が生まれうるのかなどについて、一歩踏み込んだ見解を話してくれました。

もう少し付け加えますと、Zillowの情報のおかげで心理的に購入がしやすくなりました。私が結局買った家はその周辺エリアでは明らかに価格が高めでした。ですがZillowをいろいろと見ていると、同じ区画内ででも個々の家によって価格がかなり異なることも多いということもわかり、それで安心できます。要は必ずしも吹っかけられてはいないと。

値ごろ感についてもう一点。Zillowは基本的に客観的なpublicly available informationを基に作られています。(なので一応プライバシーの問題は(気持ちの問題を除けば)発生しないようです。) そうした客観情報(面積や部屋数、立地など)はもちろん重要ですが、同時に自分にとって大事な「value proposition」が見出せれば、相場より高めの価格でも納得できるということもよく分かりました。

具体的に私の場合は売主がこの家を建てた人で、追加作業や修理などを快く迅速にやってくれる世話好きな方であったという「定性情報」がひとつの鍵でした。(先日ご紹介したFortuneの記事への読者コメントにも同様な視点がありました。)

余談ですが、最近ではアメリカの職場でも、例えば上司の家の値段をZillowでチェックしてはひそひそ話をしたりということがもちろんあります。Googleと同様に動詞として"Let's Zillow his house."などと言います。

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2007年3月16日 (金)

20の引き出し

私のとっておきの情報活用術を紹介しよう。『20の引き出し』である。過去20年近くやっている方法で、とても役に立っている秘蔵中の秘蔵のノウハウであると本人は信じている。
ただし、お断りしておくと、いくら人に話してもあまり受けない。理由は分からないが、そんなことが出来るのが不思議でとても無理と思うのか、やっても役に立ちそうにないと思われるのかのどちらかであろう。
でも自分ではこれが一番と思っているの紹介する。20の引き出しとは、頭の中の仮想の引き出し(キャビネット)のことである。この引き出しの中にはさらに1つにつき20くらいのフォルダ(ファイル)が入っている。ということで、計算すると20×20=400くらいのファイルが頭の中に収納されている。

一つ一つのファイルの例をあげよう。たとえば「オフトの牛」というフォルダがある。これは「リーダーシップ」という引き出しの中に入っているネタである。どんなネタかというと、ハンス・オフトというサッカーの元日本代表監督の書いた日本サッカーの挑戦という本の中に、こういうくだりがある。リーダーにとって大事な能力に先見性がある。ただし、これは勘ではない。経験に基づいた科学であるといっている。
そしてその具体例として、向こうから牛の行列がやってきたときに、その顔だけ見て、その牛のしっぽがどんな形をしているのかを当てるのが先見性だといっている。牛が通りすぎた後で現物のしっぽを見て言うのは、誰でも出来る。リーダーはそれではダメだ。顔の形の特徴を見ながら、顔の形としっぽの形の因果関係を見つけ出すのが、先見性だ。もちろん最初は当たらない、しかし何度も繰り返す内に分かるようになると主張している。オフトの主張によれば、リーダーの先見性は観察と検証によって学習できるとしているが、全く同感である。

このネタはどこで使うかと言えば、経営者とリーダーの資質について話をするときや、先行き不透明な時代に必要な先見性をどう身につけるか、「先見性は先天的なものか後天的にも身につくか」、「勘か科学」かなどを議論するときに引っ張り出して使う。

しかし、この話は同時に仮説思考そのものでもある。故に同じ話が「仮説思考」の引き出しにも入っている。こちらでは仮説思考をどうやって身につけるか、あるいは仮説構築能力は先天的なものかどうかの議論で使用する。
これがバーチャルなファイリングの良いところである。ネタは一つでも、いくつもの引き出しに使えることがある。

とりあえず、今日はここまで。

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2007年3月15日 (木)

機内食と駅弁

先ほどニューヨークから帰ってきました。

帰りの飛行機はビジネスクラスが百数十席ありましたが平日にも拘わらずほぼ満席でした。往きは土曜日だったので満席なのは分かりましたが、帰りが平日であるにも関わらず混んでいたのでビジネス客の需要が強いことがよく分かりました。
というのも日本人は海外出張の飛行機に土日を当てる人が多いのです。そうすると平日をフルに仕事に使えるからです。たとえば日曜日に日本を発つとその日の内に現地に着き、月曜の朝一から仕事が出来る。あるいは現地で金曜まで仕事をして、翌土曜日に現地を経つと日本には日曜日に到着し、月曜の朝から出社できる。一方、外人は土日や家族と過ごしたい人が多く、平日の移動を好みます。
最近どの路線もまんべんなく混んでいるというこで日本企業の海外ビジネスが相当活況を呈していることが分かります。中国やインドのビジネス需要が旺盛かと思いましたが、どうも海外全般にビジネスが動いており、かつ企業の業績も良いのでビジネスクラスが混んでいるのでしょう。

こんなにお客さんがたくさんいても業績の上がらない日本航空は情けないと思うと同時に、空いていて儲からないのならしょうがないが、混んでいて儲からないとなると抜本的な改革が必要だなと改めて感じました。私の出身企業でもあるので、もっと頑張って欲しいと思った次第です。

ただし、最近の日本航空で良いのは、機内食の質が上がったことです。今回も食事は良かったです。
ただ、個人的な考えとしては機内食は無料で提供するのではなく、有料でかつ選択肢を増やした方が航空会社・顧客双方の理にかなうのではないかと思っています。自分の経験で言えば、高い金を払ってもうまい飯を食いたいと思うときと、うどんでスカイやおにぎりで十分と思うとき、あるいは全く何も食べたくないときがあります。要するに、乗る前に食事をしたかどうか、体調がどうか、時間帯がどうか、現地に着いた後のスケジュールがどうかなどで全く変わってくるからです。

ちなみにBCGの社員は東京駅から新幹線に乗るとき、15分前に駅に着くようにしている人が多いです。そうすると八重洲口にある大丸百貨店の地下(いわゆるデパ地下)で実に様々なお弁当や食品を買ってから新幹線に乗ることが出来るからです。逆に言えば、新幹線の改札口を過ぎてしまってから買える弁当の種類の少なさ、味のまずさ、価格などにみんなが大きな不満を持っているということの証といえます。
ちょっと横道にそれてしまいました。それでは今日はここまで。

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2007年3月14日 (水)

ルイ・ヴィトン in New York

昨日はアメリカ、ヨーロッパの友人たちがNYのユニークなレストランに連れて行ってくれました。
セントラルパークの東側の住宅街にある Park Avenue Cafe というアメリカンスタイルのレストランなのですが、何がユニークかといって、食事をするところがキッチンのど真ん中にあります。それも6~7人が座れるテーブルが一つあるだけの個室です。周りはガラス窓になっているので、まるで水族館の水槽に入り込んでしまったような気分でした。ニューヨーカーに聞くと、最近はこのようなキッチンのど真ん中で食事をさせるスタイルがはやりだそうです。

NYは天候はよく晴れの日続きですが、気温がとても高く、昼間はコートもいらないくらいです。しかし、地球環境のことを考えると、どう考えても異常気象だなと心配になります。NYの冬は猛烈に寒いので時には飛行機が止まるくらいの寒波になってはじめて、NYだなという気がしますので、これはどう考えても変です。

一方で、街の中には人があふれていて、5番街や57丁目はまっすぐ歩くのも難しいくらいです。どちらもビジネス街というよりショッピングストリートです。
日曜日はルイヴィトンの店を覗いてみましたが、数年前と違ってアメリカ人が多いのが目立ちました。もちろん、アメリカの景気の良さというのもあると思いますが、それ以上にアメリカ人にもルイヴィトンがようやく浸透したのかなと思います。ご承知のようにルヴィトンはフランスよりも日本で大成功し、一時は日本人の売上げが全世界の売上げの2/3を占めジャパンリスクということも言われました。そうしたリスクを避けるために、同じマーケティング戦略をアメリカで展開しようとしましたが、あまりうまくいかず、しばらく鳴かず飛ばずの状態でした。逆に中国などアジア諸国が先に立ち上がり、日本と同じような成功を収めています。
それがここへ来て、ようやくアメリカでも日本と同じようなマーケティング戦略が成功を収めているようです。

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2007年3月12日 (月)

ブロードウェイから

昨日NYに到着して、今日はブロードウエイにミュージカル「プロデューサーズ」を見に行きました。そんなに広い劇場ではないのですが、満席でした。芝居自体は、ストーリーで見せるというよりも、ワンシーン、ワンシーンで笑わせるコメディーでしたが、アメリカ人に大変人気があるようで、客席は大笑いの連続でした。そこまで笑わなくてもと思うくらいに派手に笑う人たちがいて、台詞も聞こえないくらいなことがたびたび起きました。笑い声というよりこちらのヒアリング能力の問題の方が大きかったかもしれませんが。

それにつけても最近のNYは、経済指標とは裏腹にますます景気が良いようで、大変な人混みでしたし、タクシーも相変わらず大変きれいで、10数年前の落ち目のNYからは想像もつきません。ホテル代も高騰しているようですが、こちらの人から最近出来たある日本食レストランの一人あたり単価が500ドル(6万円)との話を聞いたときには、NYは完全にバブルだなと思いました。

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2007年3月11日 (日)

あればいいな、こんなサービス

マッシュアップ(続き)

今日は不動産情報以外にマッシュアップを使うとどんな可能性があるかをお話しします。

まずすでに世の中にあるもの紹介すると、まずSNSのmixi(ミクシィ)で有名な株式会社ミクシィがやっているFindJobs!があります。
http://www.find-job.net/fj/mapsearch.cgi
これは、職探しのサイトなのですが、自分が働きたい場所とやりたい職種がセットで探せるという仕組みです。たとえばWebデザインの仕事を渋谷近辺でやりたいといった探し方が出来ます。そして、地図上のマークをクリックするとその会社のさらに詳しい情報が表示されます。グーグルマップを使っています。

これ以外にも、映画生活というサイトでは①自分が見たい映画を上映している映画館が地図上に表示される、あるいは②自分が行きたいエリアの地図に映画館の印が現れ、それらをクリックするとその映画館で上映中の映画が表示されるなどのサービスをやはりグーグルマップを使ってやっています。
http://www.eigaseikatu.com/theater/

私があったらいいなと思っているサービスは、本屋に関する情報である。自分が欲しい本を入力すると、その本を在庫している本屋さんが地図上で点滅表示される。もちろん、絶対買うと決めていたり、内容が分かっている本であれば、アマゾンのようなネット書店で全くかまわないのであるが、まずは内容を見てみてから、購入を判断したいと思う場合は書店へ行くことになる。その時にどの本屋に行ったら自分の欲しい本があるかは、難しい選択になる。近くて小規模な本屋に行けば時間はセーブできるが、万が一在庫がなかった場合には徒労に終わる。一方で大型書店に行けばかなりの確率で本があるかもしれないが、行って帰ってのコスト(時間・交通費)がかかる。
それをPCで、たとえば「内田和成 仮説思考」と入れると、都内の地図と一緒に何カ所かの書店が点滅する、自分の今いるところから最も近い書店に行けばよい。おまけに地図上に現れるので縮尺を拡大してプリントすれば、地図代わりになる。
実は、紀伊國屋書店のような一部の大型書店では、地図なしで同様なサービスをすでに行っているが、当たり前のように自社店舗の在庫しか表示されない。これを全書店でかつ地図付きでやったら大変便利だと思うのだが、どうだろうか?

ここまで来ると同様なサービスはいくらでも考えられる。たとえば、家電製品で実在店舗の「在庫」と「価格」の両方を教えてくれるサイト(リアル店舗のみを表示する価格コムと考えるとわかりやすい)とグーグルマップが結びついたらこんな便利なことはない。自分が欲しい商品がどの店に行くと在庫されていて、いくらで売られていくかが訪店前に分かる。自分の頭の中で、時間コストと価格セービングのトレードオフが行われる。要するに近くて少し高い店ですませるか、高くても遠くまで出かけるかを天秤にかけるわけである。これも便利だと思うのだが、いかがでしょうか?

皆さんのアイデアも教えてください。

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CVS銀行(続き)

とりあえず、成田からNYへの飛行機の中で書いたものアップしておきます。

今朝10日の日経新聞に三菱東京UFJ銀行が3月19日よりコンビニでのATM手数料を無料にする記事が出ていた。今頃という感じもするが、昨今のコンビニATMの隆盛を見ると当然の動きであろう。1月5日の「セブン銀行は銀行か?」のところでも書いたが、最近の若者は銀行ATMより遙かにCVSのATMを私用する。これにより、三菱UJF銀行の手数料減は50億円程度になると記事には出ていたが、これは元々銀行がCVSに払っていた手数料を顧客から徴収するか、自社のコストで吸収するかの問題であった。自行に顧客をつなぎ止めるためにはこれくらいの出費は致し方ないと考えたのであろう。

私は、講演をしたり、講義をしたりするときに参加者を相手に簡単な調査をすることがよくある。たとえば異業種格闘技の講演では、参加者に自分の預金口座からお金をおろすときに主にどこのATMを使っておろしますかと聞いてみる。もちろん大半の人は両方使っているとは思うが、主に使う方はどちらかと無理やり一つの答えを選んでもらうのである。すると世代によってものの見事に答えが変わる。たとえば企業主催の講演のように比較的年代の高いビジネスマンの場合は、だいたい8-9割の人が銀行のATM(もちろん無人店舗を含む)で下ろす。これが、早稲田大学の学部生(3~4年生)になると9割がCVSである。一方で、ビジネススクールのように20代後半から30代までになると、約半々となる。といった具合に大変おもしろ結果となる。
もちろん、サンプル数が100-200程度で、かつ挙手による調査で精度はいい加減であるが、世代別のATM利用動向はある程度つかめていると思う。

これは既存の銀行から見ると結構頭の痛い問題で、単なる手数料を誰が負担するかという問題ではない。かつて松下電器が自社の系列店で家電製品を売っていたのが、最近はヤマダ電機やヨドバシカメラのような量販店を無視してはビジネスが成り立たなくなったのと似た問題である。銀行もこれまでは商品開発から、決済(トランザクション)、ITシステム、資金運用、調達、店舗網まですべて自前で持っていた。そして、その規模がある程度利益率を規定していた総合力の時代から、明らかに商品力やサービスのレベルとそれを流通させるチャネル力(ここではATM網としておく)が別の要素になる時代へのシフトしつつある。
そうなると、優れた商品や高いサービスを持った金融機関が店舗網を自前で持たなくても、大きく成長することが可能になる。新生銀行、シティバンク、あるいはソニーバンクなどがその代表例であろう。一方で、チャネルの力に頼って、商品はどこの商品でも良いというタイプの金融機関も現れる。それがセブン銀行である。既存のメガバンクがその狭間で溺れないように心配しているのは私だけであろうか。

かつて、アメリカのフィデリティという投信会社が、世の中で一番競争力のある商品さえ持っていれば誰かが売ってくれるはずだと考えた。一方で証券会社のチャールズシュワブは、顧客さえしっかりつかまえていれば金融商品を持つ会社は我が社のチャネルを使わざるを得ないはずだと考えたいう話を思い出す。蛇足だが、最も優れた商品とは投資信託の場合は実績すなわちリターンが高いことを意味し、顧客をしっかりつかまえるためにはコスト、サービス品質(正確さなど)、スピードの3つが重要とシュワブは考えたという。

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2007年3月 9日 (金)

マッシュアップ

昨日のZillow.comの続きである。本論に入る前に、昨日のZilow.comの記事をごらんになったJさんから投稿がありました。コメント欄にも載っておりますが、実際に使われたそうです。また、最近アメリカの経済誌FortuneでZillowが取り上げられたことを教えていただきました。

「ご参考まで、先月のFortune誌で、Zillowについての大きなカバー記事がありました。http://money.cnn.com/magazines/fortune/fortune_archive/2007/02/19/8400262/index.htm

情報ありがとうございました。

Zillow.comがなぜ便利かは言うまでもない。自分が調べたい家の住所を入れると、その家だけでなく周りの家の価格も出てくる。これによって、そのあたりの相場を的確につかむことも出来れば、敷地の広さ、設備(といってもテニスコートやプールでないと見分けることは難しいだろうが)の違い、家の形、日当たり(アメリカ人が気にすればの話だが)など、何でも検討することが出来る。それが現地を訪問せずに自宅にいながらにして出来てしまう便利さを想像して欲しい。
あるいは日本に置き換えてみれば、自分の予算が3000万円と決まっていた場合に、どの沿線のどの駅のあたりなら買えるのか、その場合の敷地はどれくらいなのかが現地訪問前に分かってしまうのである。行く前に分かってしまうと言うことは、逆に言えば何も知らずに3千万円の予算で田園調布や成城学園を訪問する楽しみがなくなると言うことでもあるが。
でもアメリカには個人のプライバシーはないのだろうか。自分の家の価格がバレバレだなんてと思ったあなたは日本人としては正常な感覚の持ち主だと思います。

では本題です。これがなぜマッシュアップというかと言えば、衛星写真という地図情報と不動産情報という全く異なる二つの情報(データベース)を組み合わせて全く新しい価値を生み出しているからです。このように2つ以上のデータベースを組み合わせて別の価値を提供するサービスがマッシュアップと呼ばれるのです。
不動産情報だけなら、街の不動産屋に行っても、ウェブサイトで調べてもすぐ分かります。もっと詳しい間取りや土地の情報も分かるでしょう。また地図や衛星写真なら、グーグルを閲覧したり、市街地地図を購入すればこれも簡単に分かります。しかし、この両方を組み合わせたものは実はなかったのです。そこにこのZillow.comの価値があります。
他人のふんどしで相撲を取るわけだなと思ったあなたは正解です。もちろんグーグルなどの地図情報を持つ企業がデータベースをただで提供してくれるから成り立つサービスでもあります。しかし、Web2.0企業の多くが自社のデータベースをただで提供することに積極的です。これも従来型の企業にはない発想だと思います。

こうした1+1が2以上になる、いわゆる組み合わせの妙、あるいは思いも寄らなかったサービスというのはいくらでも考えられると思います。皆さんも是非、考えてみてください。

明日からニューヨークに行ってきます。ということで私のアイデアはNYから紹介したいと思います。

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2007年3月 8日 (木)

恐るべしzillow.com

皆さんはマッシュアップという言葉をご存じだろうか。インターネットあるいはWeb2.0の世界で使われる言葉であるが、今後のビジネスの方向性を示唆しているので紹介したい。元々はディスクジョッキーが2つ以上の音楽を組み合わせて新しい曲を作って流すことから来ているそうだ。


難しいご託を並べるより、現物を見た方がわかりやすいので、是非下記のサイトにアクセスしていただきたい。
アメリカの不動産サイトでZillow.comというおもしろい(実は役に立つ)サイトがある。
http://www.zillow.com/

使い方は簡単で、2つあるウィンドウに自分が調べたい場所の住所を入れるだけである。そうするとそのあたりの不動産価格がいくらかを即座に教えてくれる。
早速やってみよう。
まず右側のCity,State or ZIPと書かれているウィンドウに自分の好きな都市を入れてみてください。
ここではシリコンバレーの中心地で、スタンフォード大学のある街パロアルトを入れてみます。具体的には州も必要ですので、「Palo Alto, CA」と入力します。
そしてGoを押します。
するとグーグルアースと同様な衛星写真の地図が現れ、その周辺の不動産価格が表示されます。PaloAltoあたりの一軒家は124万ドルということが分かります。約1億5千万円ですか、結構高いですね。ここまでは、フーンという感じで大して驚かないかもしれません。

次に左上にあるブランクのウィンドウ(Address or Street or Neighborhood と書かれている、先ほど入れた街の名前の左隣のウィンドウです)。ここに住所を入れます。ここでは仮に「227 El Dorado」と入れてみます。実在の住所であれば何でも結構です。そして同じくGoを押してみてください。
そうすると驚くなかれ、まさに入力した住所の家の価格が出るのです。縮尺は最大まで大きくした方がよく分かります(左上の虫眼鏡の絵にある+をクリックする)。$2.44Mと出ると思います。この家の価格です、日本円にすると約3億円の家と分かります。しかもおおよそ家の形や敷地の大きさまで分かってしまいます。
誰ですか、自分の知り合いの家の住所を入れて価格を調べてみようなんて思った人は、でも残念なことに日本版はまだありません。

これが単なるのぞき趣味に終わらず、なぜビジネスに重要かは明日以降にお話しします。

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2007年3月 7日 (水)

ウィルスソフトのビジネスモデル

昨日のVAIO-Gの続きである。
実は我が家には既に家族の人数分、計5台のパソコンがある。皆さんも知っての通り、それぞれのパソコンには購入時に無料で期間限定のウィルスソフトがプリインストールされていることが多く、我が家でもそれをしばらく使った後にお金を払って、正規に使用していた。ところが、各PCメーカーでプリインストールされているウィルスソフトが異なり、狭い我が家にノートンのウィルスソフト、マカフィーのウィルスソフト、トレンドマイクロのウィルスバスターと3社のソフトが混在することになってしまった。しかもすべてネットワーク化されて使っている。使い勝手も違うし、特別のウィルスが現れたときの対処方法も異なる。それでは困るのであるが、別々にお金を払ってしまった上に、更新時期もバラバラで諦めていた。
ところが昨年ソースネクストが更新料無料のウィルスソフトを発売し、事態が大きく進展した。ソースネクストの更新料無料に対抗するように、トレンドマイクロが一つのソフトで3台まで1台分の値段で使用できるソフトを出してきた。ただし、年々の更新料はかかる。ソースネクストのソフトの実績に不安を持っていた私は、このトレンドマイクロの新しい仕組みにこれだと思い、我が家のウィルスソフトをすべてこれに統一した。今まで5台分払っていたのを、2台分で済むようにまとめたのである。かつ使い勝手が同じになり、重宝している。
もちろん、今回購入したVAIOにもウィルスソフトがプリインストールされていたが、残念ながらトレンドマイクロではなくノートンのウィルスソフトであった。90日間は無料で使用できるのであるが、それをアンインストールして、新たにウィルスバスターをインストールし直したところである。もちろん2つ分の6台以内に収まっているので新たな金はかからない。しかし、既に入っているソフトをアンインストールして、新たに新しいソフトを入れるのは、時間がかかる上にめちゃくちゃ気を遣う。PCを使い慣れた私でさえ、そうなのだから、普通の人は大変だろうなと思った。
一方、ウィルスソフトメーカーはプリインストール→有料化→毎年更新料というおいしいビジネスモデルを持っていたのに、ソースネクストが異業種格闘技を仕掛けてきて、更新料が取れなくなるかもしれないという大変な事態が訪れて、はなはだ迷惑しているであろう。
さらに、考えてみれば、現在の個人向けPCのソフトウエアというのは、ネットワーク化されていない時代、かつ一人に一台ではなく一家に一台という前提で、ビジネスが作られている。今後、家庭にあるPCもどんどんネットワークでつながり、プリンタやハードディスクを共有するようになると、ウィルスソフトだけでなく、ありとあらゆるアプリケーションソフトが企業のPCで起きたような、PCメーカーの統一、使用ソフトウエアの統一、サーバーからのソフトウエアインストール、更新というのが当たり前になってくるだろう。個人向けPCも新たな競争の時代に入ると言うことである。ここで言うサーバーは個人の家にあるメインのPCの場合もあるし、個々の家庭(*)ではなく、どこか外に置かれた企業のサーバーがまとめて面倒を見る(ASPという)場合と両方あり得るだろう。一体どこがどんなビジネスモデルを打ち出してくるか楽しみである。

蛇足:"個々の家庭"と書こうと思って、"ここのかてい"と入力したら、なぜか"九日亭"と変換されて、なんかとてもびっくりした。自分が何を入力したのか忘れてしまうくらい異質の変換だった。

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2007年3月 6日 (火)

我が家にVAIO-Gがやってきた

出先でPCプレゼンをしたり、大学のクラスやゼミでプレゼンをすることが結構あるので、小型の携帯パソコンが必要だと感じていた。いろいろ検討した結果、ソニーのVAIO type G というのがとにかく軽量で持ち運びが楽な上にデザインも優れていることが判明し、購入した。そのPCがやっと我が家に到着した。初物好きの私らしく、ウィンドウズビスタ搭載機である。
どれくらい小さいかは、下の写真を見て欲しい。私が使っている15インチのノートブックに比べて、大きさはせいぜい2/3程度であるが、厚さ半分、重さは1/3というところである。画面サイズはしっかり12インチあるが、重量は、長時間バッテリーとDVDドライブを含めて1100gしかない。しかも、電源アダプターも小型軽量である。

Vaiog

実際に使ってみてどうかをレポートしたいが、実はまだウィルスソフトを入れただけなので、使い勝手を言うには早すぎる。
どうしてウィルスソフトだけを最初に入れたのかは明日にでも説明したい。

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2007年3月 5日 (月)

日本一ベンツを売る男(続編)

客の喜ぶ顔

最近の新聞で、続けて顧客志向に関するおもしろい記事を見つけたので紹介する。
ひとつめは西麻布の老舗イタリアン「アルポルト」のオーナーシェフの片岡護さんが日経新聞の2月25日(日)のSundayNikkeiαのマイバランスというコラムに、こんなコメントを発表している。
『若い人には「この仕事はお金にならないから、お金が欲しいならばやめた方がいい』とよく話しています。計算や商売に走ると客に伝わります。『おいしかったよ』と言ってもらいたいから、この仕事をしているのです。客の喜ぶ顔を見て、自分もうれしいと思わない人にはつとまらないでしょうね。』
これも先日のベンツのセールスマンの話に通じると思う。自分が心底顧客を好きにならないと、結局長続きしない。これはコンサルティングも全く同じだ。逆に言えば、顧客が成功するのを見て喜ぶだけでは満足できないひとは、コンサルタントには向いていない。自ら経営者になるか、実業の世界で羽ばたくべきだ。ただし、その場合でもその事業の顧客を喜ばせることを忘れてはならないことは言うまでもない。

次は日経マーケティングジャーナル誌の2月28日号に載っている招客招福というコラムにオラクルひと・しくみ研究所の小阪さんが書いている記事である。
ある会社が社内を活性化するために「日本一のスタッフ名鑑」というカラー写真入りの社員紹介名簿を作成したそうだ。そしてその紹介文を本人ではなく、他人が書く、しかも褒めて書くそうだ。たとえば、「誰とでもすぐ会話ができる特技を持っている」と言った紹介文や、「万年好青年」といった肩書きがつけられていると言うから、楽しいではないか。この会社には「お客さんや社内の仲間を喜ばせる」というテーマがあるという。
そしてそのスタッフ曰く「他人の良いところを書いていると、その人のことが好きになる。」そうだ。

この言葉には、すごく感動した。

もちろん顧客に喜んでもらうというのはビジネスの基本だが、それに加えて社員にも喜んでもらう重要性を再認識した次第である。

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2007年3月 4日 (日)

大学の仕事

たまには大学での私の仕事を紹介しよう。

現在早稲大学商学学術院で教授をやっている。と書いても、何をやっているかまるで分からないと思います。就任当初正式役職名である「早稲田大学商学学術院教授」という名刺を作ったが、友達からこんな名前は聞いたことがない、何をやっているのかとか、あるいは本物の教授ではなく特別な名誉職ではないのかと言われてしまった。もっともな指摘である。大学とは不思議な組織で、自分を分かってもらおうという気はあまりないらしい

さて本題の私の仕事ですが、主に大学院のプロフェッショナルコースというところで、市場競争戦略というモジュール(かたまり)を担当している。平たく言えばいわゆるビジネススクール(社会人大学院)である。昼間は働きながら、夜間と土曜日を使って2年間でMBA(経営学修士)を取得するコースです。
私の担当するモジュールには自動車会社や保険会社などに勤める20代から40代までの6人の学生がいて、内田ゼミ生として日々仕事に勉強に頑張っています。
カリキュラムを簡単に紹介すると、1年目は主に経営戦略や財務、マーケティング、組織などの基本的な科目を学び、2年目にはそれぞれのモジュールに即した専門科目を中心に学ぶと同時に修士論文を完成させることになっている。

ちなみに私のモジュールの専門科目を紹介すると、

  • 市場競争戦略 競争戦略の基本を学ぶ
  • 競争戦略研究 異業種格闘技を扱う
  • マーケティングと競争戦略 マーケティングを使った競争戦略の実例
  • 実践競争戦略 コンサルティングの現場で起きている競争戦略
  • 戦略とリーダーシップ 企業のリーダーの語る戦略とリーダーシップ論


これ以外にも学部の講義やゼミも担当しているのですが、やはりメインは夜の社会人教育なものですから、名刺には大学院商学研究科 プロフェッショナルコース(MBA)担当という部門名を勝手につけています。これで偽物の教授と怪しまれることは格段に減りました。

最後に「商学学術院というのが何か」、どうしても気になる方に簡単な説明をしておきます。商学を教育・研究する部門には、学部生を教育する商学部という組織と、大学院を担当する商学研究科という2つの組織があり、それをくくった事業本部あるいは大学内カンパニーが商学学術院です。本当はこれ以外に会計研究科やファイナンス研究科というのもあるのですが、話が複雑になるので説明を割愛します。というより、私の知識ではうまく説明できないのです。

お詫び:先日紹介したNHKテレビドラマ「ハゲタカ」の放映時間は土曜日夜9時ではなく10時でした。ごめんなさい。

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2007年3月 3日 (土)

優れたブランドにはストーリーがある

ソニーも創立当初はブランドが確立できずに苦労ししたそうだ。そうした時代に、アメリカ市場で相手先のブランド名での大量注文が入った。喉から手が出るほど、その商売が欲しかったが、それを受けると自社ブランドが確立できないために、創業者の一人である盛田昭夫は敢えてその話を断ったという。

日本人女性に人気のあるルイヴィトン(LV)のバッグにもおもしろい話がある。LVのバッグを購入した方に購入した理由を聞くと、丈夫で長持ちし、壊れても修理可能なことから、実は経済的にも決して高くないのだと答えると人が結構いる。私はこの理由を信じているわけではないが、一方で、こんな話がまことしやかに伝えられている。「LVは元々、金持ちの旅行用の鞄メーカーであり、馬車や船で運ぶために頑丈にできていて滅多に壊れない。それが証拠に沈没したタイタニックから引き上げられた衣装鞄の中の衣装が濡れてなかったという逸話がある。」真偽のほどはともかく、LVの頑丈さ、ひいては品質の高さを象徴する逸話となっている。

ボルボは昔からきわめて安全な車であるということを売り物にしている。その安全性を訴えるために車を10台くらい積み上げてへこまないことを見せるCMを作ったことがあった。そのCMが実はやらせだったことが後から分かり、結局みそをつけたが、それほどまでにして安全性を訴えたかったのだと思う。

大変優れたサービスで知られるリッツカールトンホテルでも、顧客の忘れ物を    従業員が飛行機で追っかけて届けた話などが知られている。

こうした話から言えることは、優れたブランドを創るためには、単に歴史があるとか、品質が高いとか、優れたサービスを提供するだけでは不十分であり、顧客の琴線に触れる何かが必要であると言うことである。

このように考えると、iPodがヒットしたのも製品が優れていたことも以上に、世界で始めてパソコンを創ったと言われているスティーブン・ジョブズの存在が大きいと思う。
ソニーのウォークマンも、技術者が録音ができないテープレコーダーなんか売れるわけがないと言ったのに大して盛田昭夫さん(だったと思いますが)い良いから出せと言ったという話があります。あるいは、アメリカで初めはサウンドアバウトの名前で売り出したが売れずに、和製英語のウォークマンを使ったら爆発的に売れるようになったという話も有名です。

皆さんも自分が携わる商品やサービスを真のブランドにするためのストーリーを考えてみてはいかがでしょう。といっても自分で言い出しても広まらないとは思いますが・・・。

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2007年3月 2日 (金)

寿町をドヤからヤドへ

つい先日IMAという経営者の会で、岡部友彦さんという若手建築家(20代)の話を聞きました。横浜に古くからあるドヤ街の寿町を、若者や旅行者が訪れる街にしようという活動の話です。キャッチフレーズの「寿町をドヤからヤドへ」は寿町をドヤ街から旅行者泊まれる宿(ヤド)の街に変えようというプロジェクトの名前です。

横浜にも東京の山谷や大阪の釜ヶ崎に似たドヤ街があるとは勉強不足で知らなかったのですが、そのドヤ街を寿町と呼ぶのだそうだが、そこが不景気のために空き室が目立ち、このまま行くとさらに高齢化が進むか空き室が増えることになってしまうそうである。そうなるとますます街に活気がなくなるので、そこに全国から旅行者を呼んだり、外人観光客が泊まれる街にしようという運動をやっている一人が岡部さんなのです。

単なる福祉とか、慈善事業という観点ではなく、建築家としてのバックグラウンドを生かして、街作りという視点で取り組んでいるのがユニークです。具体的には空室の多い簡易宿泊施設をホテルとして活用する(ヨコハマホステルビレッジ)とか、街の中に縁台を置いて居住者のコミュニケーションの場を作ったりしている。
ホステル事業が採算に乗らないとか、資金が不足しているとかまだまだ課題は多いようですが、NPO活動の新しいスタイルとして注目に値する思います。

岡部さんはまだ29歳と若いのですがとてもしっかりした考えでやっており、是非頑張ってもらいたいと思うと同時に、日本の若者もまだまだ捨てたものではないなと思いましたので、このブログで紹介した次第です。

岡部さんの活動については以下のサイトが、動画入りで詳しく紹介をしています。

http://www.weloveyokohama.com/hamatv/yokohamajin/yj012.php

興味がある方は是非、ご覧ください。


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2007年3月 1日 (木)

君はハゲタカを見たか

毎週土曜日の夜9時からNHKで放映されている経済ドラマ「ハゲタカ」がおもしろい。
ハゲタカファンドと呼ばれた外資のファンドがいかにしてバブル崩壊後の日本の金融マーケットで稼いでいたかが如実に分かるドラマである。
原作は真山仁さんの同名の小説「ハゲタカ」である。私自身は最初に単行本が出版されたときに読んで大変おもしろいと思い、ずいぶん人に勧めた記憶がある。大企業から別の企業に再建の為に経営者として送り込まれた友人におもしろいよと勧めて感謝されたりした。
原作がおもしろいと、多くの場合映画やテレビの方がつまらなくなってしまうのであるが、先々週の1回目と先週の2回目を見る限り、テレビはテレビで全く違う娯楽作品に仕上がっており大変おもしろい。今までは常識となった外資系のファンドのビジネスのしかたなどが垣間見えるという意味でも参考になるドラマです。モデルとなった企業の固有名詞が分かるともっとおもしろいと思います。小説ではそれがどの企業か特定できるようになっていますが、さすがテレビ(それともさすがNHK?)でそれは分からないような仕立てになっています。
ここから先は個人的な見解ですが、日本社会や企業はアメリカに比べるとやはり甘ちゃんのところがあって、結果として外資系企業に食い物にされているのが、個人的には悔しい気がします。これは同様なテーマを扱った黒木亮さんの「巨大投資銀行」などを読んでも感じるところです。
結論としては、娯楽作品としてだけでなく、ファンドビジネスや企業再建の裏側を勉強できるという意味でも見る価値があるドラマだと思います。全6回シリーズなので、あと4回の放映があると思います。

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