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2007年2月26日 (月)

企業にスターは必要か

スポーツジャーナリストの二宮清純氏は私のお気に入りの作家である。
コンサルタント必読書の「勝者の思考法」など、数多くの著作を世に出しているが、今日は彼が週刊ダイヤモンドに連載中のコラム「勝負のバランスシート」からである。

最新号である2007年3月3日号のタイトルは「スター不在を放置する球団は”お薦めネタ”のない寿司屋」という刺激的なもので、中身は最近のプロ野球球団で客を呼べるスター選手を持たない球団は、お薦めのネタを持たない寿司屋と一緒で客が足を運んでくれない。だから職務怠慢であるという主張している。たとえば横浜球団には巨人から移籍した43歳の工藤公康がいる。あの年で頑張っているなということになって客を呼べるそうである。それに対して、ヤクルトには岩村が抜けた後のスターがいないと言っている。私はサッカーフリークで野球のことはよく知らないので、結果がその通りになるかどうか分からないが彼の主張には共感できる部分がある。

この話が企業に当てはまるかどうかだが、私の考えはイエスである。確かに業績の良い企業やマスコミで何かと話題なる企業にはスター経営者がいる。トヨタ自動車であれば、この間まで社長・会長を務めた奥田碩さん、業績絶好調のキヤノンの御手洗氏などである。あるいはインスタントラーメンの日清食品にも安藤百福さんがいた。
しかし、企業の場合は人間以上にスター商品、すなわちヒット商品やユニークな商品を持つかどうかが重要なのではないかと考える。たとえば最近の例で言えば、アップルである。本業のパソコン事業ではウィンドウズパソコンに完敗し、会社存続の危機もあったほどである。ところが、iPodというヒット商品が出て、会社全体が生き返った。一方でソニーである。かつてはウォークマンやプレーステーションというヒット商品で世の中に元気を与え続け、多くの固定ファンをつかんでいた。しかし、今のソニーからは残念ながら新しいスター商品が出てこない。これではソニーという企業は存在意義をなくしてしまう。

もちろん、BtoBの産業財の会社にヒット商品は必要ないのではという意見もあろう。しかし、産業財の場合は世の中全体に知られているヒット商品である必要はなく、その業界・顧客にのみ支持されているヒット商品があればそれでよいのではと考える。
考えてみれば、コンサルティング会社も一緒でかつての大前研一さんや堀紘一さんのようなスターか、あるいはこのサービス、このテーマだったら誰にも負けないというヒット商品が必要で、そのどちらもないコンサルティング会社は苦労するのではないだろうか。

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コメント

内田先生

たいへん興味深く、また楽しく拝見しております。
先生から講義を受けているような思いで嬉しく思います。一人のラインスタッフではありますが、自分自身を見つめ、何か一つでもキラリと光るものを見つけて磨きをかけていきたいと思います。
連日本当にありがとうございます。

投稿: 平河内祐二 | 2007年2月27日 (火) 16時21分

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