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2007年1月27日 (土)

異業種格闘技の起きやすい業界(2)

規制緩和が起きている業界は当然ながら今までと異なるタイプのプレーヤーが参入して異業種格闘技が起きる可能性が高い。
最近の例でいえば電話業界にインターネットを使った電話(050で始まる電話番号を持ち、IP電話とよぶ)が導入されたときである。これまでの電話というのが距離に応じた料金体系、すなわち市内通話なら3分8.5円、近距離なら3分40円~160円、長距離が3分640円のような価格になっている。ちなみに今回調べてみて、未だにこんな高い料金が定価になっていることに改めて驚いた。もちろん国際通話はもっと高い。ところがIP電話では距離に関係なく通話料が一定である。これでは、勝負にならない。そのため、固定電話会社は、各種サービス料金導入による価格引き下げを余儀なくされている。さらには自らIP電話を始めるところまで変わってきている。
金融業界では、規制緩和の結果、書ききれないくらいの様々な変化が起きている。たとえば保険業界では外資系保険会社のガン保険に代表される医療関係の保険、従来型の満期保険金受け取りではない掛け捨て保険。私も入っているが、とにかく保険料が安い。銀行に目を転じれば、以前にも取り上げた利便性重視で貸し出しを行わないコンビニ銀行、あるいは24種類のカラフルなキャッシュカードや各種手数料の無料化で若者に圧倒的人気の新生銀行、さらには、新聞紙上で預金募集を行うオリックス信託銀行など、従来にないタイプの銀行が多数誕生している。証券会社でもイートレードやマネックス証券のような店舗を一切持たないオンライン証券会社の勢いが止まらない。
これ以外にも電力業界の自由化、運輸業界の自由化、官業の民営化など、規制緩和の例は枚挙にいとまがない。
既存企業から見て新規参入企業はとにかく扱いにくい。なぜなら、彼らは既存業界の慣習にとらわれずに斬新な発想が出来る。さらに持たざる強みで、失うものが何もない。たとえ1-2社がつぶれたとしても、次々に新しい企業が生まれてくる。
しかし、そもそも規制当局の狙いが、新規参入企業が既存業界に刺激を与えて価格競争が起きたり、サービスの質が上がることにあるから、既存企業にとって良い話に思えないのは当然のことである。個人的にはこうした刺激があって初めて既存企業も優良企業に変身しうると思っているので良いことだと思っているが・・・。
たとえば郵便事業に民間が参入すれば、今まで郵便局が提供してこなかった様々なサービスが提供される可能性が高い。もし住所ではなく、本人がいる場所、たとえば自宅にいるときは自宅に、会社にいるときは会社に、必要なら旅行先のホテルまで届けてくれる郵便があったらいいなと思っている。従来の郵便が書かれた住所にしか届かない固定電話型だとすれば、この新しい郵便は本人が所在する場所を勝手にトレースして届けてくれる携帯電話のような郵便である。

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コメント

TYDさんへ

広告会社が広告を出す代わり携帯電話料を無料ないしは低価格にするモデル、おもしろいですね。一人一人にパーソナライズした情報を提供すれば、広告効果も高く、かつ購買につながったかどうかの効果測定も簡単ですね。
果たして、誰がやるか楽しみにしておきます。
昔、日本テレコムが駅に最初の1分広告が流れる公衆電話を置いてましたが、廃れてしまいました。でもこれは画像や動画である分、もう少し行けそうな気がします。

投稿: 内田和成 | 2007年1月30日 (火) 22時39分

広告会社がが携帯電話業界に進出してきたら面白いんじゃないかと思います。

待受画面に広告を出す代わりに通話料を劇的に下げるということをやられたら既存の会社は大打撃でしょうね。
すでにgoogleは屋外で無線LANを無料で使える代わりに、位置情報からその人にもっとも合った広告を出すというサービスを実験的に始めているようです。

投稿: TYD | 2007年1月30日 (火) 12時36分

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