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2007年1月18日 (木)

他業界からの参入者の行動原理

昨日紹介した中から「他業界からの参入」を詳しく考えてみよう。
例えば流通業界からの銀行業参入は、一つには金融行政の規制緩和という流れがあると思われる。しかし、それ以上に他業界から見ると銀行業界は顧客サービス面で旧態依然であり、サービス面でいくらでも改善できると思ったからではないか。
例えば、小売業では一つの店に各メーカーの商品を一同に並べているために、顧客が違うメーカーのものを買うのに他の店に行く必要がない。いわゆるワンストップショッピングである。ところが銀行の場合はそれぞれの銀行が、自分たちの専用の支店ないしはATMコーナーを持っている。さらにどちらかと言えば企業側の理屈で営業店が開いている時間が決まっている。それに対してCVSに代表されるように、小売店側は顧客の買い物したい時間が自分たちの営業時間であると考えているようだ。
結果として、24時間365日使えて、どこの銀行のカードも使えるコンビニ銀行が支持されるのも無理はない気がする。
他業界からの参入について、既存の企業が嫌がることの一つに、自分たちが築いてきたルールを守ってくれないというのがある。例えば上記の営業時間もそうであるし、アップルの音楽配信における価格はアメリカの場合わずか1曲99セント、すなわち100円ほどである。日本の場合は価格が若干高くなっているが、それでも1曲150円から200円である。
アップルから見れば、これでも十分に利益の出る体質だし、安くすることで消費者がさらにたくさん買ってくれるからレコード会社も喜ぶべきではないかと言うことになる。ところがレコード会社から見れば、アルバムにして売れば日本ではCD1枚3000円は取れるし、シングルCDでも1000円取れる。それを1曲単位でバラ売りされ、それも100円や200円で売られてしまったら、たまったものではない。アップルはレコード販売店にマージンを払う必要がないし、CDを在庫する必要もない、営業マンに払う給料もいらない。だから100円で売れるのかもしれないが我々レコード会社はそうはいかない。失うものが多すぎる。どうしてくれるのだという悲鳴が聞こえてきそうである。
このように他業界からやってきた連中は既存業界から見ると秩序の破壊者以外の何者でもない。ところが消費者や顧客からは今までの不満を解消してくれるありがたい参入者であり、歓迎すべきルール破りであることが多い。

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